2006年10月29日
中村航『ぐるぐるまわるすべり台』。単行本当時オススメもされてちょっと手に取りかけてたのですが、文庫をようやく読みました。
この作品が芥川賞候補になったのはあの綿矢&金原の回で、候補作なんて誰の口に上るヒマもなかった状況ではありますが、ぐるぐるしてるタイトルとともに記憶には残っていて。しばらく後に中村文則『土の中の子供』が受賞したときに、あ、ぐるぐるまわるの人、芥川賞取れたんだー。としばらく間違いに気づきませんでした。
そんな『ぐるぐるまわるすべり台』。可もなく不可もなく・・・だったのですが、世の評をみるに、『リレキショ』のほうが良いという説もあるのでそちらも読んでみましょう。
作中、バンド名の候補として出てくる「狛犬」ですが、中村航公式サイトのプロフィールを見ると、「狛犬」、実際に結成しちゃったみたいですね。どんな音を鳴らしてるんでしょうか。
2006年10月22日
岡崎祥久の『秒速10センチの越冬』は群像新人賞受賞作。読みながら「群像っぽいなー」と思いました。若さゆえの勢いと、モダンな実験臭と、何周もして戻ってくる自己言及。97年の受賞作なのに、80年代かと思わせるような「純文学」。
群像新人賞は村上龍と村上春樹を輩出した(あと阿部和重もね)というだけでもう、その功績は後世に残るわけですが、近年の凋落ぶりはどうなんでしょうか。ほとんど成功してないように見えます。才能を世に送り出すという点でも、ビジネスの観点でも。
純文学系では絲山秋子や長嶋有、吉村萬壱、モブ・ノリオなんかが出てる文學界、中村文則に佐川光晴がいる新潮と、近年の受賞者で飛び出してきてる人はいるのに、群像新人賞のリストは知らない名前ばかりが並ぶ印象。プロデュース力ってことですかね?
プロデュース力で言ったら綿矢りさ、中村航、山崎ナオコーラ、三並夏などの「文藝」にはかないませんけどね。あざといほどに。
「群像っぽい」と言いながら群像系の作品をそう多く読んでるわけではないんですけど、一つのスタイルとして認識する程度には期待してるんです。もしかしたらいい作品が出てるのかもしれない。「手に取ってみよう」にまで至らずにそれを知らずにいるのだとしたら、それはやっぱりプロデュース力?
2006年10月15日
古い本で恐縮ですけども、小林恭二『短歌パラダイス』を読んでたら穂村弘と東直子が出てきてちょっとうれしい。
歌人を20人も集めて行なった歌合の様子を伝える本なのですが、岡井隆から永田和宏、加藤治郎、荻原裕幸、俵万智までいて、ベテランから若手まですごいメンバーです。現代歌壇の重要人物がいっぱい。97年当時と考えると、ほとんど遺漏ないんじゃないか。
そのなかで当時30代前半の穂村弘と東直子は若手方という感じですが、やっぱり切れ味するどい作歌・批評を展開してます。ベテランたちの中でもぜんぜん負けてませんね。特に穂村弘の解釈には唸る。
こういう本読むことの楽しみのひとつは、新たな作家を知ることですが、いまさらながらに「俵万智ってイイかも」と思いました。聞いたことのある歌はひとつふたつあるけど、歌集として読んだことはない、というまぁ世間並みの触れ方しかしてなかったわけですが、手にとってもいいかなぁと思いました。
2006年10月08日
「温泉のある図書館」?「図書館のある温泉」?って期待に満ちて見に行ったニュース。
青梅市で、図書館と温泉が同居するビルができると。来秋完成。「駅前」というのがちょっと気にはなります。駅前温泉が売りになりうるのか?(青梅スタイル)という疑義もとっくに出されてるようですし。かなり手厳しい意見ですが、おっしゃるとおり。
でもそこに「図書館」が加わって上手いことやったらまた違った方向がありうるかもですよ。託児所の延長みたいな「こども図書館」じゃだめですよ、まずしっかりした図書館が前提。それで、その本を温泉に気軽に持ち込んでいいことにするのさ。本が濡れる? 濡れたらまた買ったらええやないか。
そんなんだったら流行るかもです。一度は行きますよ。商業ビル内の施設だから、露天風呂はないのかな。内風呂じゃ風情なしなんだけれども・・・。