2012年4月

新刊・近刊情報

2012年4月の新刊・近刊情報

小川洋子『おとぎ話の忘れ物』

小川洋子『おとぎ話の忘れ物』

2012年04月02日 ポプラ文庫 714円 ISBN:9784591129159

『忘れ物図書館』には世界中の不思議なおとぎ話が収められていた。画家・樋上久実子のイラストをモチーフに作家・小川洋子が紡ぎだし

宮沢章夫『素晴らしきテクの世界』

宮沢章夫『素晴らしきテクの世界』

2012年04月05日 筑摩書房 1575円 ISBN:9784480815088

金魚の飼い方から、リコーダーの吹き方、改造カー、そして旅や墓づくりまで。日常生活の細部から死生観まで、すべては「テク」が握っている。笑えるエッセイ。

田中慎弥『田中慎弥の掌劇場』

田中慎弥『田中慎弥の掌劇場』

2012年04月05日 毎日新聞社 1260円 ISBN:9784620107790

見えているものははたして現実だろうか。怖ろしく、あり得なく、あまりにも美しい37編の掌編集。芥川賞作家、待望の最新作。

円城塔『バナナ剥きには最適の日々』

円城塔『バナナ剥きには最適の日々』

2012年04月06日 早川書房 1575円 ISBN:9784152092908

「はやぶさ」風味の無人探査機がバナナ型宇宙人を夢想するともいえる表題作、旅人 が林檎を求めて無限に拡がる時計の街を往く「エデン逆行」など、SFから幻想小説、ホラーまで十篇を収録する。

高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』

高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』

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2012年04月06日 朝日文庫 924円 ISBN:9784022646613

ほんとうに「自分の文章」を書けるようになりますか?「まかせて!」といったタカハシ先生の伝説の名講義、ついに活字化。オバマの演説を聴きながら、谷川俊太郎の詩を読みながら、斎藤茂吉のラヴレターにドキドキしながら、カフカの『変身』と「日本国憲法」を比較しながら、サザエさんになったり詩人になったり幽霊になったりしながら、生徒たちはタカハシ先生に文章を提出した。

白石一文『この世の全部を敵に回して』

白石一文『この世の全部を敵に回して』

2012年04月06日 小学館文庫 460円 ISBN:9784094087079

白石一文が問う、00年代「人間失格」の書
人間は、どこから来て、どこに向かうのか--。生きがたい思いを漫然と抱く
すべての人に、作者から突き付けられた八万文字分の言葉の爆弾。

伊藤比呂美『たどたどしく声に出して読む歎異抄』

伊藤比呂美『たどたどしく声に出して読む歎異抄』

2012年04月06日 ぷねうま舎 1680円 ISBN:9784906791002

伊藤比呂美『たどたどしく声に出して読む歎異抄』発売情報。

虚淵玄/円城塔/辻村深月ほか『神林長平トリビュート』

虚淵玄/円城塔/辻村深月ほか『神林長平トリビュート』

2012年04月06日 ハヤカワ文庫 798円 ISBN:9784150310639

神林長平の影響を受けた新世代作 家による傑作アンソロジー。
人な らぬ知性体の葛藤を描くシリーズ の外伝的短篇――虚淵玄「敵は海 賊」、
子供とだけ言葉を交わす不 思議な猫と、大人になりつつある 少女の交流を綴る感動作――辻村 深月「七胴落とし」、
人工死の確 立された世界で生と死の境界を思 索する――円城塔「死して咲く花、 実のある夢」など、
神林SFを代 表する長短篇を独自に解釈し、自 由に想像力を広げた全8篇を収録

伊坂幸太郎/中山七里/柚月祐子ほか『しあわせなミステリー』

伊坂幸太郎/中山七里/柚月祐子ほか『しあわせなミステリー』

2012年04月09日 宝島社 1400円 ISBN:9784796697903

伊坂幸太郎(第5回本屋大賞受賞/第21回山本周五郎賞受賞)、中山七里(第8回『このミス』大賞受賞)、柚月裕子(第7回『このミス』大賞受賞)、吉川英梨(第3回日本ラブストーリー大賞特別賞受賞)ら大人気作家が、"人の死なない"幸せなミステリーをお届けします。伊坂節全開、決して期待を裏切らない超絶人気作家の書き下ろし短篇「Bee」。ラストで想定外の巧妙な仕掛けが炸裂する中山七里の新境地「二百十日の風」、新たな高みに到達した検事・佐方シリーズ、感動の新作「心を掬う」。ドラマ化の女性秘匿捜査官・原麻希シリーズからは子供探偵・原菜月(6歳)が大活躍の「18番テーブルの幽霊」。以上四篇を収録。

田中慎弥『神様のいない日本シリーズ』

田中慎弥『神様のいない日本シリーズ』

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2012年04月10日 文春文庫 500円 ISBN:9784167835019

一九八六年。日本シリーズで3連敗4連勝という奇跡が起きた。失踪した野球好きの父親の帰還を願う少年にも、奇跡は訪れるのか?

角田光代/穂村弘『異性』

角田光代/穂村弘『異性』

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2012年04月10日 河出書房新社 1470円 ISBN:9784309021041

好きだから許せる? 好きだけど許せない? 男と女は互いにひかれあいながら、どうしてわかりあえないのか。カクちゃん&ほむほむが、男と女についてとことん考えた、恋愛考察エッセイ。

高橋源一郎『ニッポンの小説』

高橋源一郎『ニッポンの小説』

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2012年04月10日 ちくま文庫 1155円 ISBN:9784480429285

今、ニッポンの小説が元気だ! 変幻自在、巧みな仕組みと語り口で現代日本の言葉・文学・小説の可能性を喝破した驚異の評論

堀江敏幸『目ざめて腕時計をみると』

堀江敏幸『目ざめて腕時計をみると』

2012年04月10日 サンクチュアリ出版 2520円 ISBN:9784861138775

堀江敏幸『目ざめて腕時計をみると』発売情報。

東野圭吾『聖女の救済』

東野圭吾『聖女の救済』

2012年04月10日 文春文庫 710円 ISBN:9784167110147

男が自宅で毒殺されたとき、動機のある妻には鉄壁のアリバイがあった。湯川学が導き出した結論は虚数解。驚くべき事件の真相とは?

筒井康隆『壊れかた指南』

筒井康隆『壊れかた指南』

2012年04月10日 文春文庫 630円 ISBN:9784167181161

猫が、タヌキが、妻が、編集者が壊れ続ける! ラストが絶対読めない、天才作家の悪魔的なストーリーテリングが堪能できる短篇集。

いしいしんじ『四とそれ以上の国』

いしいしんじ『四とそれ以上の国』

2012年04月10日 文春文庫 560円 ISBN:9784167801885

屋島の塩、人形浄瑠璃、特急しまんと、それぞれの巡礼路、鳴門の渦、阿波の藍染......。四国を舞台に紡がれる摩訶不思議な物語世界。

円城塔『オブ・ザ・ベースボール』

円城塔『オブ・ザ・ベースボール』

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2012年04月10日 文春文庫 520円 ISBN:9784167834012

人が降ることで有名で、誰もがみんな知っている町、ファウルズ。そんな町に送られてきたレスキュー・チーム=町の英雄たちの物語。

佐川光晴『おかえり、Mr.バットマン』

佐川光晴『おかえり、Mr.バットマン』

2012年04月11日 河出書房新社 1575円 ISBN:9784309021058

山名順一・48歳・「主夫」兼「翻訳家」。結婚20年目にして「離婚」という一大決心をした彼の家へ突如ホームステイすることになったのは、世界的ベストセラー作家の娘だった!? 佐川光晴の新境地!!

金井美恵子『ページをめくる指』

金井美恵子『ページをめくる指』

2012年04月12日 平凡社ライブラリー 1365円 ISBN:9784582767612

金井美恵子『ページをめくる指』発売情報。

渡辺浩弐/ざいん『死ぬのがこわくなくなる話』

渡辺浩弐/ざいん『死ぬのがこわくなくなる話』

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2012年04月13日 星海社FICTIONS 1418円 ISBN:9784061388260

twitterを舞台に虚構(フィクション)と現実(ノンフィクション)の狭間を渡辺浩弐が描き切る。10年代のリアルがここに―。

江國香織/井上荒野/角田光代ほか『彼の女たち』

江國香織/井上荒野/角田光代ほか『彼の女たち』

2012年04月13日 講談社文庫 580円 ISBN:9784062772433

私たちは、確実に生きてきた――まりん、ノンコ、伊香、緑、マッキー。彼女たちがであったのは、18年前のライブハウス。ガーゼ・スキン・ノイローゼというバンドのボーカル、J(ジェイ)は、彼女たちの人生を変えた。強烈な出会いは、彼女たちになにを残したのか。江國香織、角田光代、井上荒野、嶽本野ばら、唯野未歩子という超豪華メンバーが、それぞれの作風でありながら、一つの小説を生み出した奇跡の連作小説。

山田詠美『新装版 ハーレムワールド』

山田詠美『新装版 ハーレムワールド』

2012年04月13日 講談社文庫 470円 ISBN:9784062772372

彼女は気が向くとティエンの部屋に姿を現しては、性的な関係を結びたがって駄々をこねる--デビュー直後の書下ろし長編が新装版に!

重松清『かあちゃん』

重松清『かあちゃん』

2012年04月13日 講談社文庫 790円 ISBN:9784062772303

昭和の母から平成の母、強い母からどこまでも優しい母―。重松清が満を持して挑んだ胸揺さぶる"長編母親小説"を、遂に文庫化!

中原昌也『悲惨すぎる家なき子の死』

中原昌也『悲惨すぎる家なき子の死』

2012年04月14日 河出書房新社 1575円 ISBN:9784309021065

絶筆から4年――『ニートピア2010』を最後に文芸誌から姿を消した中原昌也、待望の小説集がついに刊行! これぞアンチノベルの最前線。絶望と狂気溢れる「狂喜の世界」へようこそ。

長嶋有『フキンシンちゃん』

長嶋有『フキンシンちゃん』

2012年04月14日 マッグガーデン 1260円 ISBN:9784861279874

芥川賞・大江健三郎賞作家の長嶋 有が初のマンガ連載に挑んだ話題作。大幅な加筆・修正と描き下ろしを加え、ついに単行本化!

田中慎弥『これからもそうだ。』

田中慎弥『これからもそうだ。』

2012年04月18日 西日本新聞社 1365円 ISBN:9784816708497

「死にたくなければ一流の小説を書くしかない。そしてそれは、私にとって死ぬほど難しい行為なのだ。」
芥川賞受賞作家、初のエッセイ集。

よしもとばなな/潮千穂『ゆめみるハワイ』

よしもとばなな/潮千穂『ゆめみるハワイ』

2012年04月18日 世界文化社 1365円 ISBN:9784418125043

ハワイへのオマージュ、フラのある生活、息子さんとの微笑ましいやりとり、よしもとばななさんの日常がいっぱいつまった、あったかくてときどき切ないエッセイ。

保坂和志『カフカ式練習帳』

保坂和志『カフカ式練習帳』

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2012年04月18日 文藝春秋 1785円 ISBN:9784163813301

傑作『カンバセイション・ピース』以来9年ぶりとなる待望の長篇。文豪カフカにならいノートに記される「断片からなる長篇」。まだ誰も体験したことのない、新しい小説世界へ!

西村賢太『西村賢太対話集』

西村賢太『西村賢太対話集』

2012年04月19日 新潮社 1575円 ISBN:9784103032342

小説家であり続けること、私小説のこと、生き方について──芥川賞受賞から一年、著者が心情を吐露し、本音を語った貴重な対話九篇。

西村賢太『苦役列車』

西村賢太『苦役列車』

2012年04月19日 新潮文庫 420円 ISBN:9784101312842

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫での日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代に伝統的私小説の復権を示した、第144回芥川賞受賞作。ほかに後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた短篇を併録。

椎名誠『月の夜のわらい猫 超常小説ベストセレクション1』

椎名誠『月の夜のわらい猫 超常小説ベストセレクション1』

2012年04月20日 柏艪舎 1680円 ISBN:9784434166341

SFやファンタジーの枠に入りきらない、 かなり風変わりな、 不思議世界のヘンな話― それを椎名さんは「超常小説」と呼びます。著者自らが選んだ「ねじのかいてん」、「いそしぎ」、「突進」など傑作短編小説17編(1巻:9編、2巻:8編)を加筆修正して収録。各巻末に著者による書き下ろし「自著解説」がついています。

椎名誠『水の上で火が踊る 超常小説ベストセレクション2』

椎名誠『水の上で火が踊る 超常小説ベストセレクション2』

2012年04月20日 柏艪舎 1680円 ISBN:9784434166358

SFやファンタジーの枠に入りきらない、 かなり風変わりな、 不思議世界のヘンな話― それを椎名さんは「超常小説」と呼びます。著者自らが選んだ「ねじのかいてん」、「いそしぎ」、「突進」など傑作短編小説17編(1巻:9編、2巻:8編)を加筆修正して収録。各巻末に著者による書き下ろし「自著解説」がついています。

多和田葉子『雲をつかむ話』

多和田葉子『雲をつかむ話』

2012年04月21日 講談社 1680円 ISBN:9784062176309

人は一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう――。
わたしの二ヵ国語詩集を買いたいと、若い男がエルベ川のほとりに建つ家をたずねてきた。彼女へのプレゼントにしたいので、日本的な模様の紙に包んで、リボンをかけてほしいという。わたしが包装紙を捜しているうちに、男は消えてしまった。
それから一年が過ぎ、わたしは一通の手紙を受け取る。
それがこの物語の始まりだった。

村上龍『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 人が活きる会社』

村上龍『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 人が活きる会社』

2012年04月21日 日本経済新聞出版社 1680円 ISBN:9784532168308

「今日の"最善"を疑え!」(細谷英二・りそなホールディングス会長)、「現状不満足集団であれ」(荻田伍・アサヒビール社長)――逆境にあっても信念を貫き通す経済人たち。作家・村上龍がその人間的魅力に迫る。

伊藤比呂美『比呂美の万事OK』

伊藤比呂美『比呂美の万事OK』

2012年04月23日 西日本新聞社 1365円 ISBN:9784816708503

西日本新聞で長期連載中の人気コーナーが待望の本になりました!
夫の浮気、引きこもりの息子、セクハラ上司、ママ友トラブル・・・人生のゴタゴタをすっきり解消! 酸いも甘いもみ分ける詩人・伊藤比呂美が尽きることない女の悩みをまるっと引き受けます。

谷川俊太郎/清川あさみ『かみさまはいる いない?』

谷川俊太郎/清川あさみ『かみさまはいる いない?』

2012年04月24日 クレヨンハウス 1260円 ISBN:9784861012204

「かみさまがにんげんをつくったのか それとも にんげんがかみさまをつくったのか」......詩人・谷川俊太郎さんのことばと、人気アーティスト・清川あさみさんの刺繍が出会い、美しく哲学的な世界を織りなします。

田口ランディ『パピヨン 死と看取りへの旅』

田口ランディ『パピヨン 死と看取りへの旅』

2012年04月25日 角川文庫 700円 ISBN:9784044003074

死にゆく人は、ほんとうに大切なものを教えてくれる。
生涯を「死と死に逝くこと」の研究に捧げたエリザベス・キューブラー・ロス。ロスが残した「蝶」の謎を追う作家に訪れた、父親のがん発覚という現実。生と死、看取りに向きあう、衝撃のノンフィクション。

吉田修一『太陽は動かない』

吉田修一『太陽は動かない』

2012年04月25日 幻冬舎 1680円 ISBN:9784344021686

この世で最も価値あるものは情報だ。情報は、宝――。
宝探しに秀でた者だけが、世界を制する。
金、性愛、名誉、幸福......狂おしいまでの「生命の欲求」に喘ぐ、しなやかで艶やかな男女たちを描いた、超弩級のエンターテイメント長篇!

高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』

高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』

2012年04月27日 新潮社 1470円 ISBN:9784104508020

お話の中には、いつも、ぼくのいる場所があるような気がする──子供たちの物語をめぐる新しい冒険。死なないものたちの物語。

古川日出男『ドッグマザー』

古川日出男『ドッグマザー』

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2012年04月27日 新潮社 1785円 ISBN:9784103060741

僕はここ京都で聖家族を作る。大震災後のひびが入った世界で。謎めいた「教団」の闇の中で。新たな想像力が爆発する圧倒的小説世界!

梨木香歩『雪と珊瑚と』

梨木香歩『雪と珊瑚と』

2012年04月27日 角川書店 1575円 ISBN:9784041101438

強くたくましく人生を切り開いていくシングルマザーのビルドゥングロマン!
珊瑚、21歳。生まれたばかりの赤ちゃん雪を抱え、途方に暮れていたところ、様々な人との出逢いや助けに支えられ、心にも体にもやさしい、惣菜カフェをオープンさせることになる......。

村上春樹『1Q84 BOOK2 前編』

村上春樹『1Q84 BOOK2 前編』

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2012年04月27日 新潮文庫 620円 ISBN:9784101001616

心から一歩も外に出ないものごとなんて、この世界には存在しない――君たち二人の運命が、ただの成り行きによってここで邂逅したわけではない。君たちは入るべくしてこの世界に足を踏み入れたのだ。この1Q84年に。......雷鳴とどろく夜、青豆はさきがけのリーダーから秘密を明かされる。天吾と父親の宿命的な再会、そして猫の町。二人が迷いこんだ世界の謎はまだ消えない。

村上春樹『1Q84 BOOK2 後編』

村上春樹『1Q84 BOOK2 後編』

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2012年04月27日 新潮文庫 578円 ISBN:9784101001623

青豆に言わなくてはならないことがいくつもあった。しかし今ここで天吾にできるのは、ただ名前を口にすることだけだ。青豆、と彼は呼びかけた。それから思い切って手を伸ばし、空気さなぎの中に横たわっている少女の手に触れた。......天吾と青豆、二つの月が浮かぶ1Q84年の世界で、二人はもう一度めぐり逢えるのか。深い森の中へ分け入るように、物語は続いて行く――。

辻仁成『ダリア』

辻仁成『ダリア』

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2012年04月27日 新潮文庫 389円 ISBN:9784101361321

その男が家にやってきた日から、妻のスープの味が濃くなった。野蛮さとまがまがしさを瞳に宿す、褐色の肌の青年ダリア。彼はすれ違いの一瞬で、平凡な人妻の心を奪い、冒涜の愉楽へと誘い出す。やがてその矛先は家族にも向かっていくが......。果たしてダリアとは何者か。美と悪徳が明滅する官能的な筆致から、もうひとつの現実世界への扉を開く衝撃作。作家生活20周年記念作品。

小野正嗣『文学 (ヒューマニティーズ)』

小野正嗣『文学 (ヒューマニティーズ)』

2012年04月27日 岩波書店 1365円 ISBN:9784000283311

文学は人間存在の始まりから、その傍らに、つねに在った。言葉が発せられ、書きつけられるとき、それが他者にむけて、その心に働きかけようとするとき、文学は生まれる。想像力と共感の力を涵養し、「いま、ここ」にはいない者たちと私たちを結びつけ、人々の新たな関係性と社会、世界との結びつきを書き換えてゆく文学の可能性を、根源から問い直す。

田中慎弥『図書準備室』

田中慎弥『図書準備室』

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2012年04月27日 新潮文庫 483円 ISBN:9784101334820

なぜ30歳を過ぎても、私は働かず母の金で酒を飲んでいるのか。それはあの目に出会してしまったから。中学の古参教師に告白させた生涯の罪を、虚無的に冷笑しつつ、不敵な価値転倒を企てる野心的表題作。級友たちの生け贄として凄惨ないじめの標的にされた少年が、独自の「論理」を通じて生存の暗部に迫る、新潮新人賞受賞作「冷たい水の羊」を併録。気鋭の小説家のデビュー作品集。

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