鴻上尚史『キフシャム国の冒険』

新刊・近刊情報

鴻上尚史『キフシャム国の冒険』データ

2013年09月21日 白水社 1995円

ISBN:9784560083307

ポスト3.11の「希望」の物語
いつか未来、再び、大地は揺れ、津波が原子力発電所を襲い、大切な人を亡くした......哀しむ主人公は、さまよい、不思議な国・キフシャムに導かれる。そこでは王を亡くした王子が、もう一度王と再会するための旅を共にする相手を求めていた。キフシャム国を救える呪文を知る者は、亡くなった王だけ。主人公と王子そして忠実な部下の三人は、懐かしい人に会う冥界への旅に立つ──。
ポスト3.11の「希望」を伝えるファンタジーとして書かれたこの作品は、〈癒せぬものを癒し、慰められぬものを慰めるために旅立った人達の冒険の物語〉である。東日本大震災のあと、福島を訪れ、津波に襲われた風景を見て絶句したという著者みずからの、「被災した人びとの哀しみを休ませることができれば」という切実な思いから執筆されている。
また、本書「あとがきにかえて」において〈宮田俊哉さんは見事にイリマ王子を演じ切りました。アイドルとして語られることが多い宮田さんですが、俳優としてじつに将来が楽しみです。宮田さんの存在が、この作品をファンタジーでありながらリアルなものにしたのです〉とあるとおり、話題の舞台のオリジナル台本として、もう一度、現実と向き合うためのエネルギーをくれる作品だ。

このページへのコメント