ティム・オブライエンの100字レビュー(すべて)

ティム・オブライエン書評ページ

『ニュークリア・エイジ』The Nuclear Age

表紙

発行
1989年10月 文藝春秋(上) 302頁 絶版 購入
発行
1989年10月 文藝春秋(下) 371頁 絶版 購入
発行
1994年5月 文春文庫 655頁 900円 購入
共著
訳:村上春樹
NDC
933(英米文学>小説 物語)
目次
核分裂 / 融合 / 臨界質量
評価
★★★★★

核戦争に備えて庭に穴を掘る男。この時代にあって危機感をもつ「正常さ」を問う大長編。ヴェトナム戦争と「運動」、その挫折を思い出しながら穴を掘るのだが、物語全体が深い穴の底から語られるように薄暗くクール。

『僕が戦場で死んだら』If I Die in a Combat Zone

表紙

発行
1990年6月 白水社 254頁 絶版 購入
発行
1994年9月 白水Uブックス 255頁 1019円 購入
共著
訳:中野圭二
NDC
933(英米文学>小説 物語)
目次
日中 / 祖国のために / 発端 (ほか)
所要
4時間40分
評価
★★★

ヴェトナム。地雷にマシンガンの中でただ事実の壁を見上げるデビュー作。まだ物語に昇華できない正義感と懐疑が生のままの形で提示されている。戦争を望んでる奴はここには誰もいないのに、それでも歩兵は行軍する。

『本当の戦争の話をしよう』The Things They Carried

表紙

発行
1990年10月 文藝春秋 388頁 絶版 購入
発行
1998年2月 文春文庫 395頁 610円 購入
共著
訳:村上春樹
NDC
933(英米文学>小説 物語)
目次
兵士たちの荷物 / 愛 / スピン (ほか)
評価
★★★★

短編集であるが、綿密に練られた構成で長編の味。ヴェトナムの話だが別の戦争でも構わない。戦場でなくっても構わない。「本当の戦争」を語るために犬歯を軋ませながら「お話」を書いた。その分岐する宇宙に祝福を。

『カチアートを追跡して』Going After Cacciato

表紙

発行
1992年3月 国書刊行会(1) 282頁 絶版 購入
発行
1992年3月 国書刊行会(2) 262頁 1835円 購入
発行
1997年2月 新潮文庫 549頁 絶版 購入
共著
訳:生井英考
NDC
933(英米文学>小説 物語)
目次
カチアートを追って / 哨戒地点 / パリへの道 (ほか)
評価
★★★

ベトナムから逃げ出した兵士を追ってパリを目指す分隊。目の前で何人もの仲間が死んでいるのにもかかわらず、またはだからこそ、夢見がちなムードで。視線の先を走る逃亡兵の姿が泥の闘いでの救いなのかもしれない。

『世界のすべての七月』July, July

表紙

発行
2004年3月 文藝春秋 477頁 2200円 購入
共著
訳:村上春樹
NDC
933(英米文学>小説 物語)
目次
1969年度卒業生 / 1969年7月 / 1969年度卒業生 (ほか)
所要
6時間50分
評価
★★★

過去のある地点での強烈な悔恨と、あり得べき未来像を抱えて、集う壮年の同窓会。エピソード群は独立しあって整合性はほとんど取ってない。それでも彼らから何がしかの共振を得るとすれば、それこそが僕らの老いだ。

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