『蝶の皮膚の下』

- 発行
- 1997年3月 河出書房新社 173頁 1575円 購入
- 発行
- 1999年5月 河出文庫 184頁 546円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 蝶の皮膚の下
- 評価
- ★★★
脳に障害を抱えた元ボクサーと、彼を救いたいと走るジャンキー女。互いの自意識の質を確かめ合うような長編。ストーリーは単純なのに、伸縮自在の描写の襞にからまって迷子にさせられる。それが心地よければ勝ちだ。
『ヴァニーユ』

- 発行
- 1999年3月 新潮社 171頁 絶版 購入
- 発行
- 2004年1月 講談社文庫(『ヴォイセズ/ヴァニーユ』と改題) 203頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ヴァニーユ / 白い脂の果実 / ヴォイセズ
- 評価
- ★★★
傷口を剥いて全身をくるんじゃったような表題作ほか二編。ないはずの腕に感応し、機能しない目に見られるなら、異物としてある自分はどこへ向かえばいい? 声という言葉以前にひっぱってった「ヴォイセズ」はいい。
『コーリング』

- 発行
- 1999年6月 河出書房新社 142頁 1260円 購入
- 発行
- 2004年11月 講談社文庫 185頁 490円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- コーリング / 最大幅七ミリ / 起爆者 (ほか)
- 所要
- 1時間30分
- 評価
- ★★★
デビュー作を含む初期短編集。勢いだけで書いてる荒さが目に付くが、この勢いが在り得ない文脈を曳いてきて不思議な光り方をする。「自傷系」で血だらけなんだけれども、立ち止まってよく見ると真っ白だったりする。
『ヴァイブレータ』

- 発行
- 1999年10月 講談社 177頁 絶版 購入
- 発行
- 2003年1月 講談社文庫 184頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ヴァイブレータ
- 評価
- ★★★★★
自分の中で振動する不可知の領域を抉じ開けるのは吐き気と体温。肌に浮き出てくる前の、奥にある温度。言葉がバラバラに解けてしまって表層的なものは何も要らなくて、コンビニで会った男と旅するしかなくなるのだ。
『ミューズ』

- 発行
- 2000年2月 文藝春秋 147頁 1200円 購入
- 発行
- 2005年6月 講談社文庫 185頁 490円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ミューズ
- 所要
- 1時間20分
- 評価
- ★★
矯正歯科医に迫る女子高生の、嗅覚を触媒にしたエロス。高台と崖下の階級対比という構図が敷かれてるものの分かりにくく、レディコミ風の官能だけが温くまとわりつくよう。タイトルの重奏にもう少し効果があればな。