『イッセー尾形の人生カタログ』

- 発行
- 1991年3月 朝日新聞社 176頁 絶版 購入
- 発行
- 1994年5月 朝日文庫 246頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 大きなエゴ / 騒音 / 恋をする用意 (ほか)
- 評価
- ★★★
短編集というより断片集。ネタ帳のように日常生活を淡々と書きとめている。もちろん視点はイッセー流の面白く哀しい人間模様だ。タイトル通り、アガスティアの葉のようにこの中から自分の人生を探し出すのも一興か。
『イッセー尾形の都市生活カタログ』

- 発行
- 1991年3月 早川書房 219頁 絶版 購入
- 発行
- 1995年6月 ハヤカワ文庫(『ヘイ、タクシー』と改題) 245頁 品切 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 駐車場 / 半分ハンガー / スケベ教師 (ほか)
- 評価
- ★★★
初の一人芝居作品集。バーテンはバーテンらしく振舞い、父は「父」を演じている。社会が人に強いる行動様式を笑い飛ばすってやつだ。現実と同じくらい不条理な舞台。使い込みがばれた男の下世話な「一億円」が好き。
『イッセー尾形の都市生活カタログ PART2』

- 発行
- 1992年11月 早川書房 222頁 品切 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 中華屋 / ボルボ / 福岡支社長 (ほか)
- 所要
- 1時間20分
- 評価
- ★★★
微妙に嫌な奴を微妙なまま活写する十五篇。この描写力こそが人類愛だろ。『引越し』での破れかぶれな父に乾杯。『ノープロブレム』での問題の上乗せ方に胃潰瘍。皆の「その後」をさえも許せるものとして想像させる。
『いつでもやりたい』

- 発行
- 1993年4月 廣済堂出版 257頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第一章 とにかく同棲したい / 第二章 マスクの上からキスをした / 第三章 眠れない夜の中で愛を届けたい (ほか)
- 評価
- ★★
70年代の風俗を描く長編小説。ギターが弾けて髪が長くてちょっとだけヒッピー風がかっこよかった時代考証。へなちょこの文章が描く人物達はみな純情な照れ屋だが、考えてみるまでもなく主人公はただの社会不適応だ。
『お察しください』

- 発行
- 1993年10月 文芸ネスコ/文藝春秋 190頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- レントゲン / お察しください / ういろうなやつ (ほか)
- 評価
- ★★★
営業マンの営業マン的な生き方を、晴れ晴れとした笑みとともに描く。細部への想いの込め方が80年代的にしてこの人らしい。焦がれる恋は狂気すれすれなんだけどそれも淡い色調になってて、じんわりと暖まるんだよな。
『本人の希望』

- 発行
- 1994年11月 早川書房 198頁 1470円 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 本人の希望 / タクシー運転手 / 身の程なし (ほか)
- 評価
- ★★★★
戯曲集。小学館文庫にまとめられたものに比べると、若干シュール度が高い。「脳コントロールバンド」なんてSFだし。分かる分かる、でなく「そんなことあるかよ」という笑いだったりする。どちらにしても幸せな一冊。
『イッセー尾形の遊泳生活』

- 発行
- 1995年1月 角川書店 206頁 絶版 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 遊泳生活 / 気になる人々 / 修業時代 (ほか)
- 評価
- ★★★
初のエッセイ集。昔テレビでインタビューされてるのを見たときに「素のイッセー尾形を演じてる」ような錯覚を受けたのだが、これも同様に。「娘の成長にとまどう父」という役柄なのかとか。いや、純朴なんだろうね。
『イッセー尾形のよその国 I'm JAPONICUS, am I ?』

- 発行
- 1995年12月 二玄社 140頁 1835円 購入
- 共著
- 編集:森田オフィス/写真:ニキ美和
- NDC
- 772(演劇・映画>演劇史 各国の演劇)
- 目次
- ISS´E inよその国 / ISS´E inニューヨーク(ハート・ララビー) / ISS´E inパリ(パトリス・ルロワ) (ほか)
- 所要
- 0時間50分
- 評価
- ★★★
ニューヨーク、パリ、ミュンヘンでの講演を巡る写真集&対談集。日本語の妙と各国の伝わり方を探す対談部分もよいが、さまざまなタイプの「日本人」を街にたたずませた写真がいいね。海外だからなおくっきり日本人。
『イッセー尾形のここだけの話 イッセー尾形となかまたち』

- 発行
- 1997年6月 キッズコーポレーション 223頁 品切 購入
- 共著
- 共著:森田オフィスの全員
- NDC
- 772(演劇・映画>演劇史 各国の演劇)
- 目次
- イッセー・ワールド / 一人芝居、4人語り / イッセー尾形の聞かなかったことにしよう。 (ほか)
- 所要
- 1時間50分
- 評価
- ★★
「なかまたち」による小説や座談、ラジオドラマ、エッセイがとっ散らかる。山藤章二夫妻と森田・尾形での座談は「笑い」とは何か?を考えるテキストとして興味深くはある。CD-ROM付きだけどXPでは起動しないっぽい。
『イッセー尾形のナマ本(巻壱) 深夜生活編』

- 発行
- 1998年1月 小学館文庫 217頁 460円 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 真夏編 / 友人来店編 / 劇画版バーテン/開店前編 (ほか)
- 評価
- ★★★
文庫オリジナルのコント集。一人芝居という分野を完成させた著者ら独自の世界。名キャラクター・バーテンの怪しい挙動が読むだけで見える。よくある平凡な会話がこれだけ面白いってことに、アンテナが伸び縮みする。
『イッセー尾形のナマ本(巻弐) サラリーマン編』

- 発行
- 1998年5月 小学館文庫 220頁 品切 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 野球応援 / 小説「出張」 / マキエダ (ほか)
- 評価
- ★★★★★
サラリーマンという身近な題材だけに分かりやすい。そのリアルさが心地よい。どれも声が聞えるようだ。「マキエダ」がいい。電車で読んでたらニヤニヤしてしまって大変だ。イッセーによる漫画もいい味を出している。
『イッセー尾形のナマ本(巻参) 幸せ家族編』

- 発行
- 1998年10月 小学館文庫 221頁 品切 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- こっ、こーんな。『大工』 / どおか信じていただきたい。『悪徳商法』 / あ〜かゆい!『ホームレス』 (ほか)
- 評価
- ★★★★
一人芝居のコント集。今回は家族に注目。人間の本質的な哀しみをすくいあげたら全部喜劇になってしまうという悲劇。やっぱりウマイよね、人間描写が。「ハワイ編」の、家族のためだと必死に走りまわるオヤジには涙。
『空の穴』

- 発行
- 1999年2月 徳間書店 296頁 絶版 購入
- 発行
- 2002年7月 文春文庫 309頁 630円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 三十センチの肩幅ごしに景色は変わる / 誠実なカラス / 僕の中の西と東 (ほか)
- 評価
- ★★★★
完成度よりも「バスに乗り遅れた者達の馴れ合い的幸福感」という空気が素敵な短編集。「空洞のケヤキ」に見える心を閉ざしたコミュニケーションの肯定がこの時代を楽しむ術を教えてくれる。馴染まなくてもいいって。
『イッセー尾形のナマ本(巻四) 建築現場編』

- 発行
- 1999年4月 小学館文庫 221頁 460円 購入
- 共著
- 共著:森田雄三
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 土方の昼休み / 小説「シンエー鉄工さん」 / 医者の新築 (ほか)
- 評価
- ★★★
原点とも言える建築現場。実際に現場で働き観察してきた眼で表現した演劇コレクション第四弾。しかし見所は伝説の自費出版小説「シンエー鉄工さん」だ。「観察眼」と言えば全て終ってしまう小説だが、どこか温かい。
『いつか、スパゲティ』

- 発行
- 1999年8月 新潮社 251頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 最高級裏地あります / 小手先の虹 / 猫の病い (ほか)
- 評価
- ★★★
生活臭だけで書き進む短編集。地方営業のフォーク歌手、時間に間に合わないピアノ調律師、彗星を探す警備員。埃まみれの古い写真のような世界観。ルーズソックスで時代を判別できる作品でさえ70年代の空気があって。
『とりあえずの愛』

- 発行
- 2001年6月 朝日新聞社 281頁 1680円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 百番目の湖 / 山田太郎がやって来た / 花とカルピスの君 (ほか)
- 所要
- 2時間40分
- 評価
- ★★★★
短編小説集。「百番目の湖」の完成度にはびっくりした。夜の湖で泳ぐ女、などある種の形式に従順ながらもイメージ喚起力は良質。「なにげない日常」でも「不条理」でもなくて小説として正統派なものも書けるのかと。
『月の砂』

- 発行
- 2001年7月 徳間書店 304頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- モノクロ・ドリーム / 闇に咲く花、語る十字星 / 東京近道地図 (ほか)
- 所要
- 3時間10分
- 評価
- ★★★★
かつての自分に拘泥する小さなプライドは哀しいよね。そこから微妙にずれてしまった今の姿を、同胞として描き出す。温かな揶揄。短編集としての完成度もランクアップし、ストンと切り落とす余韻が哀しさを煽ってる。
『正解ご無用』

- 発行
- 2003年8月 中央公論新社 253頁 1890円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 仏像破壊 / 丸投げ / 公示地価下落 (ほか)
- 所要
- 3時間40分
- 評価
- ★★★
タリバンとか失業率とかニュースをフックにして、こんなことを思ったと書くブログ型の文章。答えはないんだけれども「人」に関心があるんだよねって掘り方で、微笑みを誘うエピソードがいろいろ。全編イラスト付き。