『ここではないどこかへ 鴻上尚史の世界』

- 発行
- 1994年3月 角川書店 269頁 絶版 購入
- NDC
- 775(演劇・映画>各種の演劇)
- 目次
- ここではないどこかへ / 素直な「俳優」であり続けるための二つのこと / 心地よい混乱 村松友視 (ほか)
- 評価
- ★★★★
名作との呼び声高い戯曲『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』に、エッセイや著者自身による全作品解説などを収録した鴻上尚史入門書。彼の戯曲へのこだわりがよくわかる。初めての人はこれから入るといい。
『トランス』

- 発行
- 1994年6月 白水社 154頁 絶版 購入
- 発行
- 2005年11月 白水社(新装版) 157頁 1680円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- トランス
- 評価
- ★★★★★
難解だと言われる彼の戯曲の中では非常にわかりやすい一冊。精神科医、患者、ゲイの三人で成り立っている。自分が天皇であるという妄想をもった男を巡り人生の真実がさらりと語られる。現代社会はこんなにも哀しい。
『映画に走れ! メイキング・オブ青空に一番近い場所』

- 発行
- 1994年9月 光文社 245頁 絶版 購入
- NDC
- 778(演劇・映画>映画)
- 目次
- 映画はこうして撮られた! / シナリオ 青空に一番近い場所 / 絶対に映画を撮るための10ヶ条
- 所要
- 3時間10分
- 評価
- ★★★
興行的には失敗だけど評判は悪くない鴻上監督作品「青空に一番近い場所」のシナリオとメイキング。金策に奔走し少ない日数に焦りながらもよく撮れたね。「屋上に原っぱがありひまわりが咲く」絵柄のこだわりだとか。
『スナフキンの手紙』

- 発行
- 1995年3月 白水社 185頁 1575円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- スナフキンの手紙
- 評価
- ★★★★
敵も味方も分からない日本政府軍と反乱分子の闘いの中、スナフキンの手紙という皆を魅了する不思議な文章がネット上を流れる。サイバースペース、サイコSFとなり畳み掛ける終盤のスピード感がいい。岸田戯曲賞受賞。
『パレード旅団』

- 発行
- 1996年1月 白水社 185頁 1575円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- パレード旅団
- 評価
- ★★★★★
『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』を発展改訂した物。いじめられっ子のコミュニティーと解散する家族、二つの世界が同時展開する。コミュニケーションの欠落、役割を演じる社会を扱った意欲作。壮絶だ。
『ドン・キホーテのピアス』

- 発行
- 1996年8月 扶桑社 223頁 1325円 購入
- 発行
- 1998年12月 扶桑社文庫 334頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 女子高生のミニスカートにしみじみした / 日本映画の明日はどっちだ! / 100人が見てる中、君は立ちションできるか? (ほか)
- 評価
- ★★★★
「SPA!」に連載されたシリーズエッセイ第一弾。神戸にオウムにゲームソフトと時事を深い洞察とともに語る。特に宗教に依存する精神性を問い詰める部分がいい。真実に至ろうとする(あるいは至ってしまった)男の述懐。
『ドン・キホーテのペディキュア ドン・キホーテのピアス2』

- 発行
- 1997年1月 扶桑社 219頁 1325円 購入
- 発行
- 2000年4月 扶桑社文庫 231頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 『表現でメシを食う』ということ / 『表現でメシを食う』ために必要なこと / 『ソフィーの世界』と、正しい入門書について (ほか)
- 評価
- ★★★★★
連載エッセイ第二弾。表現するということの意味、そしてマスコミの愚が輝かしくも挙げられている。欧米文化にあこがれて自国の文化を恥ずかしいと思ってきた日本から亡命するために、いま僕達ができることはなにか。
『リレイヤーIII』

- 発行
- 1997年2月 小学館 190頁 1533円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- リレイヤーIII
- 評価
- ★★★★
「劇団」をテーマにした戯曲。分裂してしまった劇団員達がいろいろな想いを清算しきれないまま再び戻ってくる。芝居の中に芝居があって芝居がある構成で、演じる者達をさらりと演じている。場面転換の妙味はさすが。
『ドン・キホーテのリボン ドン・キホーテのピアス3』

- 発行
- 1997年12月 扶桑社 271頁 品切 購入
- 発行
- 2000年8月 扶桑社文庫 280頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 突然、国際電話の請求書が送られて来た / ことばがひらかれるとき / 『精神に障害のある人』という表現 (ほか)
- 評価
- ★★★★
厳しい人生論であり現代論であるドン・キホーテシリーズ第三弾。中川いさみのイラストもますます冴える。雑誌連載時、旅に関する論考を深夜のコンビニで読みながら自分が恥ずかしくなりまた感動していたものでした。
『ドン・キホーテのロンドン ドン・キホーテのピアス4』

- 発行
- 1998年10月 扶桑社 247頁 品切 購入
- 発行
- 2001年8月 扶桑社文庫 258頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- イギリス留学の前に / そんなわけで1年間イギリスに行ってきます / ロンドンと日本の英語教育 (ほか)
- 評価
- ★★★★
やはり彼はエッセイがうまい。断定口調でぐいぐい引っ張る。これは「演劇の勉強」のためにロンドンに渡った著者による演劇論であると同時に比較文化論でもある。なんて大上段に構えることなく笑いの要素もたっぷり。
『ドン・キホーテのキッス ドン・キホーテのピアス5』

- 発行
- 2000年1月 扶桑社 263頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 「年をとると涙もろくなる理由」を理解した日 / 時差ぼけと睡眠の秘密 / 日本は不景気なのか? (ほか)
- 評価
- ★★★
シリーズエッセイ第五弾。イギリス留学から帰り、表現者として次のステージへ。役者までやることになった新しい舞台への意気込みからか、言葉も先走りぎみ。演劇論とも関係ありげな「カエルは旅に出た」はいい話だ。
『ものがたり降る夜』

- 発行
- 2000年1月 白水社 181頁 1680円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- ものがたり降る夜
- 評価
- ★★★★★
セックスに正面から向き合った戯曲。現代の問題を考える上での立脚点としていくらか民俗学的手法を選び取っている。物語り物語られながら静かに降り積もるセックスの真理。愛なんて甘いことを言ってる場合ではない。
『ロンドン・デイズ』

- 発行
- 2000年3月 小学館 287頁 品切 購入
- NDC
- 770(演劇・映画>演劇)
- 目次
- 1章 そんなわけでロンドンに来た / 2章 ショウと呼んで下さい / 3章 マッサージキング (ほか)
- 評価
- ★★★
ギルドホールで理論的体系的演劇を学ぶ生徒となったロンドン留学日記。イギリス英語に苦しみながら、マッサージ王国の一日を演じたりミアキャットになりきったりする。レイモンドほかいきいきした生徒達にも注目を。
『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』

- 発行
- 2000年11月 講談社 230頁 絶版 購入
- 発行
- 2003年11月 講談社文庫 217頁 470円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 感情のヒント / 声のヒント / 体のヒント (ほか)
- 評価
- ★★★★
感情や声、言葉に気を遣って魅力を身につけ、よりよい人生を行きようという指南書。過分に理論的だが俳優養成術をより一般化したような内容で、目からウロコだらけ。「感情との距離を知る」なんて非常に有効だろう。
『プロパガンダ・デイドリーム』

- 発行
- 2000年12月 白水社 182頁 1680円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- プロパガンダ・デイドリーム
- 評価
- ★★★
戯曲。マスコミが作り出す「世間」と、世間様に顔向けができなくなった者達のコミュニティー。スキャンダルで「有名」になったら何が変わるのだ? 武装戦線無意味派の無意味な言動を待たずともそこに悪意は宿って。
『ドン・キホーテのステップ ドン・キホーテのピアス6』

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- 2001年2月 扶桑社 263頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 接待する側が嬉しそうな接待の沖縄 / 『ドラえもん』でアジアと欧米の文化を考えた / 『買ってはいけない』と飼いならされている私 (ほか)
- 評価
- ★★★
舞台初日を挟んでとっ散らかったりしてる連載エッセイ。「主流型」になってしまった文化とか、現状分析とその具体的打開策の歯切れの良さは相変わらず。『あなたの魅力を〜』にまとめた「声の教養」のサワリもある。
『恋愛戯曲』

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- 2001年9月 白水社 176頁 絶版 購入
- 発行
- 2006年6月 白水社(新版として) 181頁 1890円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 恋愛戯曲
- 評価
- ★★★
女性脚本家が最高の台本を書き上げるためプロデューサーに恋を仕掛ける。恋が生まれるということの奇跡よりも、お得意の「物語内物語」という構造のほうに目を奪われちゃったりして。明確に戯曲を指向してるからね。
『ドン・キホーテの休日 ドン・キホーテのピアス7』

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- 2001年12月 扶桑社 263頁 品切 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- テーゲー主義とサミット / 『愛のコリーダ2000』に圧倒された / 『トリック』に出演した (ほか)
- 評価
- ★★★
好評エッセイの第七弾。シェイクスピアを演出する話も含めて割と軽めの話題が多い気がするが、温泉の朝問題はその通りで、これ読んで改めて欲しいところ。いつもながら中川いさみのイラストがいい。アンジェリーナ。
『発声と身体のレッスン 魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために』

- 発行
- 2002年4月 白水社 288頁 1785円 購入
- NDC
- 767(音楽・舞踊>声楽)
- 目次
- 「こえ」のレッスン / 「からだ」のレッスン
- 評価
- ★★★
実用書、ってジャンルなのかも。演劇を志す人はもちろんのこと、専門的ながら「声を発する人」全てに役立つ実践の手引き。ちゃんと腹式呼吸してるか観察し合うようなところから順に段階踏んでるのであなたもどうぞ。
『ファントム・ペイン』

- 発行
- 2002年5月 白水社 192頁 1680円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- ファントム・ペイン
- 評価
- ★★★
20周年記念公演にして10年間の第三舞台封印。事実上最終公演?の作品。総決算というよりは「かぶりもの女優」とかファン感謝デー的気楽な匂い。『スナフキンの手紙』なり過去作品を追ってきた人なら細部を楽しめる。