鴻上尚史の100字レビュー(2003〜)

鴻上尚史書評ページ

『ドン・キホーテは眠らない ドン・キホーテのピアス8

表紙

発行
2003年1月 扶桑社 260頁 1400円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
相米監督の『翔んだカップル』は傑作である / 米国同時多発テロ事件の絶望について / 劇団の可能性と地獄について (ほか)
評価
★★★

今更という感もあるし著者としても力説してる章でもないのだが「昔、好きだった人をサーチしてみた」にはしみじみ、インターネット時代の妙を感じる。時間と距離を飛び越えて繋がれるように本当になったんだろうか?

『シンデレラストーリー』

表紙

発行
2003年7月 白水社 166頁 1680円 購入
NDC
912(日本文学>戯曲)
目次
シンデレラストーリー
評価
★★★

ミュージカル作品。真っ当に「シンデレラ」。ちゃんとハッピーエンド。そうなるとあとは細部の遊びということになるわけだが、目指した「子供と一緒に見られる芝居」として成功してるし、大人も笑える部分があるよ。

『言葉はいつも思いに足りない ドン・キホーテのピアス9

表紙

発行
2004年3月 扶桑社 263頁 1200円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
あなたも劇作家成金を目指さないか! / 『多重層理論』はスグレモノである / グラウンド・ゼロで売られる“お土産”にテロの本質を見る (ほか)
評価
★★★

イラク戦争含め社会問題にいつもどおり鋭い提言。用例の統一に関して「何」と「なに」は全く違う言い方だから揃えられないとか、子供の犯罪に対し「親は打ち首」への反論とか、当然のことを親切に絵解ける才能だね。

『ラブアンドセックス』

表紙

発行
2004年7月 角川書店 255頁 1470円 購入
NDC
598(家政学・生活科学>家庭衛生)
目次
SEXと頭痛 / SEXとテクニック / SEXと忘我 (ほか)
所要
2時間30分
評価
★★★

『恋愛王』で触れ残したけどセックスは大切な話、と。鴻上が語るというよりは、取り上げてる本のエネルギーがどれも格別なので、セックスを知るためのブックガイドという風。技術に民俗学に老人の性問題にまで広く。

『名セリフ!』

表紙

発行
2004年8月 文藝春秋 278頁 1575円 購入
NDC
770(演劇・映画>演劇)
目次
恋の名セリフ / 笑いの名セリフ / 哀しみの名セリフ (ほか)
所要
3時間10分
評価
★★★

シェイクスピア、ベケット、別役実、三谷幸喜。古今東西「声に出して読みたい」台詞集。その言葉が発せられるに至る状況や感情の読解が深いレベルなので、世界の劇作家紹介でもあり各代表作のダイジェストでもある。

『真実の言葉はいつも短い』

表紙

発行
2004年9月 光文社知恵の森文庫 361頁 780円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
第1章 演劇なんぞというものを / 第2章 恋愛なんぞというものを / 第3章 人生なんぞというものを
所要
3時間20分
評価
★★★

『冒険宣言』『楽園を追われる時に必要な物』『道楽王』『映画に走れ!』という絶版著書から、「時代に古びれない」エッセイをセレクト。手に入れられずに困ってた人には朗報。全部既読って人は長めのあとがきを。

『ハルシオン・デイズ』

表紙

発行
2004年11月 白水社 163頁 1680円 購入
NDC
912(日本文学>戯曲)
目次
ハルシオン・デイズ
所要
2時間
評価
★★★★

自殺系サイトで出逢った三人の今を生きる理由。『トランス』の主題を再変換した戯曲。寄り道なく結末へ走る分かりやすさ。笑えるオカマの分かりやすさ。月から帰ってくる光に照らされて、それが自分の光だと知る日。

『鴻上尚史のごあいさつ 1981-2004』

表紙

発行
2004年11月 角川書店 269頁 1575円 購入
NDC
770(演劇・映画>演劇)
目次
朝日のような夕日をつれて―はじまりにあたって / 宇宙で眠るための方法について―名もなき夜のために / プラスチックの白夜に踊れば―空とぶ赤いクジラ (ほか)
所要
2時間50分
評価
★★★

公演で配られる、戯曲とは関係なさそうで微妙に関係する文章「ごあいさつ」をまとめたもの。各ごあいさつに書き下ろしのコメントが付いてるので(これがまた深いんだ)全部知ってるよという人でも読む価値はあります。

『“祖国なき独立戦争”を楽しむために ドン・キホーテのピアス10

表紙

発行
2005年6月 扶桑社 270頁 1365円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
踊りのうまい女性に、僕は弱い / 音楽がいいとミュージカルは楽しいのだ / 言葉と音楽の関係について
所要
3時間10分
評価
★★★

公演中につきミュージカルの話題が多めのシリーズエッセイ10冊目。一方で「世の中には、簡単にコメントできないこともある」なんて冴えた言説も相変わらずだから、この社会の息苦しさを緩く理解するキーワード集に。

『リンダ リンダ』

表紙

発行
2005年7月 白水社 214頁 1890円 購入
NDC
912(日本文学>戯曲)
目次
リンダ リンダ
所要
1時間50分
評価
★★★

ブルーハーツの曲を全編に使ったミュージカル。バンドやろうぜ、音楽やろうぜって青春劇なのに、いつのまにか爆弾作ってる全共闘。夢はいつだって美しく、追いかければ逃げ去るけど、それでも歌わざるをえない熱さ。

『表現力のレッスン』

表紙

発行
2005年10月 講談社 238頁 1470円 購入
NDC
361(社会>社会学)
目次
体の緊張を自覚する / 体と出会う / 体で遊ぶ (ほか)
所要
2時間50分
評価
★★★

大学の講義として行ってきた表現レッスンを伝授。自分の体や声と出会う体験はこれまでの著書でも触れられてきたこと。でも今回強調されてるのは感情が表現になるのではなく「表現が感情になる」瞬間。これは感動的。

『ヘルメットをかぶった君に会いたい』

表紙

発行
2006年5月 集英社 301頁 1785円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
ヘルメットをかぶった君に会いたい
所要
3時間50分
評価
★★★

初の小説作品とはいえ事実に基づいてる。学生運動中の微笑みに「青春」を見る遅れてきた世代の憧憬は、簡単に危険な領域に飛び出てしまう。共産趣味者は怖いね。戯曲『リンダリンダ』の責任を取った作品とも言える。

『俳優になりたいあなたへ』

表紙

発行
2006年5月 ちくまプリマー新書 175頁 798円 購入
NDC
771(演劇・映画>劇場 演出 演技)
目次
序章 それは東北新幹線の中で始まった / 第1章 俳優ってなんだろう? / 第2章 演技ってなんだろう? (ほか)
所要
2時間
評価
★★★

演劇部の高校生に新幹線でつかまって演劇論を乞われるという設定で、俳優に求められる考え方やデビューの方法まで平易にトーク。「動機」ではなく「目的」を演じるのだとか、最小限の言葉で本質に迫る意志が印象的。

『生きのびるために笑う ドン・キホーテのピアス11

表紙

発行
2006年6月 扶桑社 270頁 1365円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
生命力と色気はつながっている / セックスに「究極の正解」はない / 死は突然に訪れる (ほか)
所要
2時間20分
評価
★★★

『リンダリンダ』『キッチン』のレポートから政治問題まで語るシリーズエッセイ。弁舌爽やかないつもの味。「劇評」に対する眩暈するような抗議よりも、「あたしが欲しかったら日本語でしゃべって」の逸話が衝撃的。

『孤独と不安のレッスン』

表紙

発行
2006年6月 大和書房 240頁 1470円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
「ニセモノの孤独」を知る / 「本当の孤独」を知る / 恥ずかしくない孤独を体験してみる (ほか)
所要
1時間
評価
★★★

一人でいることがみじめだとか不安だとか思ったりするのはなんでだ? 心の平静を得るために考え方を変えてみようという教本。孤独と仲良くなることで、人との距離の取り方が上手くなる。これで救われる人も多そう。

『醒めて踊れ ドン・キホーテのピアス12

表紙

発行
2007年8月 扶桑社 267頁 1365円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
『トランス』について / 自己責任とラテン大阪 / 「竹の子ニョッキ」に人生の本質を見た (ほか)
所要
3時間10分
評価
★★★

時事ネタエッセイの12冊目。共謀罪とか著作権延長の話とかライブドアとか、社会問題への切れ味鋭い言説はいつも通り。新年の目標「ヌーブラに出会う」とかとぼけ味もいつも通り。そういういつも通りを楽しむもので。

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