『少年カフカ』

- 発行
- 2003年6月 新潮社 495頁 品切 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 編集長から / ドキュメント『海辺のカフカ』公式ホームページと単行本発売までの全記録 / こんなメールがありました (ほか)
- 評価
- ★★★
『海辺のカフカ』を巡りサイト上でやりとりされた膨大なメール。大変な労力。回答を全部合わせたらひとつの自作解説になるという、露出過少の作家の貴重な声ではある。装幀没案だとか、ファンなら見とけって豊富に。
『サリンジャー戦記 翻訳夜話2』

- 発行
- 2003年7月 文春新書 247頁 777円 購入
- 共著
- 共著:柴田元幸
- NDC
- 933(英米文学>小説 物語)
- 目次
- ライ麦畑の翻訳者たち―まえがきにかえて(村上春樹) / 対話1 ホールデンはサリンジャーなのか? / 対話2 『キャッチャー』は謎に満ちている (ほか)
- 評価
- ★★★
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」翻訳をめぐる対談。これまでの呪縛からホールデンを、そしてサリンジャーを解き放つような詳細な読解がある。「キャッチャー」に付記するのを拒絶された「訳者解説」掲出が目玉か。
『アフターダーク』

- 発行
- 2004年9月 講談社 288頁 1470円 購入
- 発行
- 2006年9月 講談社文庫 294頁 540円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- アフターダーク
- 所要
- 2時間40分
- 評価
- ★★
眠り続ける姉、膜の向こうの闇に無音の暴力。いかにも春樹的な装置は自己模倣なのか、次回作へ向けての主題整頓と文体修練か。この種の作品が春樹にとって必要なものだということを僕たちは知っている。でもねって。
『地球のはぐれ方 東京するめクラブ』

- 発行
- 2004年11月 文藝春秋 382頁 2100円 購入
- 発行
- 2008年5月 文春文庫 524頁 1050円 購入
- 共著
- 共著:吉本由美/都築響一
- NDC
- 290(地理・地誌・紀行>地理 地誌 紀行)
- 目次
- 魔都、名古屋に挑む / 62万ドルの夜景もまた楽し―熱海 / このゆるさがとってもたまらない―ハワイ (ほか)
- 所要
- 4時間40分
- 評価
- ★★★
名古屋・熱海・ハワイ・江の島・サハリン・清里。訪問地を見るだけでいかに奇抜な旅かが瞭然。特に都築的趣味全開の熱海がいいね。座談会ではこの町が何故ダメなのか的確に指摘されてるので、観光開発関係者は必読。
『ふしぎな図書館』

- 発行
- 2005年1月 講談社 92頁 1500円 購入
- 発行
- 2008年1月 講談社文庫 94頁 540円 購入
- 共著
- 共著:佐々木マキ
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ふしぎな図書館
- 所要
- 0時間30分
- 評価
- ★★
『カンガルー日和』に入ってる「図書館奇譚」の微妙なバージョン違い。初期春樹のラブリーな想像力がイキイキとあるけど、先の本を読んでいるなら敢えて買いなおす必要はない。より明るい文体だし贈り物にいいかも。
『象の消滅 短篇選集1980―1991』

- 発行
- 2005年3月 新潮社 426頁 1365円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ねじまき鳥と火曜日の女たち / パン屋再襲撃 / カンガルー通信 (ほか)
- 所要
- 6時間20分
- 評価
- ★★★
海外で出版された短編集の日本語版。珍しいのは逆輸入和訳した「レーダーホーゼン」くらいだが短篇ベストセレクトには違いない。だって「パン屋」も「スロウ・ボート」も「納屋を焼く」もこの一冊で読めるんだから。
『東京奇譚集』

- 発行
- 2005年9月 新潮社 210頁 1470円 購入
- 発行
- 2007年11月 新潮文庫 246頁 420円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 偶然の旅人 / ハナレイ・ベイ / どこであれそれが見つかりそうな場所で (ほか)
- 所要
- 2時間20分
- 評価
- ★★★
すでに失くしてしまったものを時間をかけて諦めるような短編集。静かな文章。鋳型に嵌めることを企図したかのような平易さがあるのだが、長編のためのモチーフ研磨と理解しておく。腎臓石に揺さぶられて出ずる感傷。
『意味がなければスイングはない』

- 発行
- 2005年11月 文藝春秋 289頁 1400円 購入
- NDC
- 760(音楽・舞踊>音楽)
- 目次
- シダー・ウォルトン 強靭な文体を持ったマイナー・ポエト / ブライアン・ウィルソン 南カリフォルニア神話の喪失と再生 / シューベルト「ピアノ・ソナタ第十七番ニ長調」D850 ソフトな混沌の今日性 (ほか)
- 所要
- 3時間50分
- 評価
- ★★★
シューベルトからスガシカオまで幅広いジャンルを取り上げた音楽評論集。長尺が多く充実。ビーチ・ボーイズだとかも「聴いた事ないけど作中でよく出てくるので知っている」から「ちゃんと聴いてみたい」に変わるね。
『「これだけは、村上さんに言っておこう」 と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』

- 発行
- 2006年3月 朝日新聞社 205頁 品切 購入
- NDC
- 910(日本文学>日本文学)
- 目次
- 日本の読者から / 台湾の読者から / 韓国の読者から
- 所要
- 4時間40分
- 評価
- ★★★
サイトで交わした往復メールを詰め込みで。この読者との丁寧な交流は作家としてすごいことだなと改めて思う。CD-ROM版村上朝日堂からの再録(1996〜99年分)が多いのだが、台湾・韓国からの質問部分は新しいんだよね?
『「ひとつ、村上さんでやってみるか」 と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』

- 発行
- 2006年11月 朝日新聞社 393頁 1470円 購入
- NDC
- 910(日本文学>日本文学)
- 目次
- 「ひとつ、村上さんでやってみるか」
- 所要
- 4時間20分
- 評価
- ★★★
短期復活「村上朝日堂」サイトでのやりとりメールを収録。自筆原稿流出の問題に触れた質問がいくつかあったりして、いつもより真摯な言葉が多い印象。ダンキンドーナツとか全裸家事主婦とかお気楽モードももちろん。
『うさぎおいしーフランス人 村上かるた』

- 発行
- 2007年3月 文藝春秋 264頁 1600円 購入
- 共著
- 絵:安西水丸
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- アリの世界はなんでもありだ / いくら否認しても、妊娠八ヶ月なの / うさぎおいしーフランス人 (ほか)
- 所要
- 1時間30分
- 評価
- ★★
「かるた」は後付けで、小咄をやりたかっただけか。脱力系の笑いで『またたび浴びたタマ』系だけど回文という仕掛けすらないのでユルさも倍増してる。春樹じゃなかったら買ってないという意味で評価は高くできない。
『走ることについて語るときに僕の語ること』

- 発行
- 2007年10月 文藝春秋 248頁 1500円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 選択事項としての苦しみ / 誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう? / 人はどのようにして走る小説家になるのか (ほか)
- 所要
- 2時間40分
- 評価
- ★★★
マラソンにトライアスロンにと走ることが何を与えてきたか。必要な筋力や心肺能力を語ることが小説を語ることと同じスタンスになる稀有な作家のエッセイだ。タイムが縮まらなくなるのを宿命的に受け入れることでも。
『村上ソングズ』

- 発行
- 2007年12月 中央公論新社 179頁 2310円 購入
- 共著
- 共著:和田誠
- NDC
- 931(英米文学>詩)
- 目次
- 神さましか知らない / 幸福とはジョーという名の男 / 人生のイミテーション (ほか)
- 所要
- 1時間
- 評価
- ★★★
『ポートレイト・イン・ジャズ』に似た造りで、好きな曲についてのリラックスした語りをイラストとともに楽しむ本。訳詞もなんのひねりもないストレートさ。掲載の曲を聴きながら幸せな気分で読める人はそうすべき。