町田康の100字レビュー(2005〜)

町田康書評ページ

『告白』

表紙

発行
2005年3月 中央公論新社 676頁 1995円 購入
発行
2007年2月 中公文庫 850頁 1200円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
告白
所要
9時間30分
評価
★★★

「河内十人斬り」を題材に、隣人を惨殺して自害に至る男の生涯を描く。出口のない言葉が発酵して突き上げてくる羞恥の痛みに、ふるふる身を震わせながら奇声を上げるのは君だけじゃない。笑える細部含めて自信漲る。

『浄土』

表紙

発行
2005年6月 講談社 244頁 1680円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
犬死 / どぶさらえ / あぱぱ踊り (ほか)
所要
3時間
評価
★★★

あー、こいつ殴りたい。と思うような人物だらけなのはいつもどおりだとしても、殴ったら負けってんでストレス溜めまくりの短編集。ビバカッパを踊る程度で晴れるようなやるせなさでもねぇだろ? 本音の街ですらも。

『東京飄然』

表紙

発行
2005年10月 中央公論新社 365頁 1890円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
自宅 / 早稲田へ / 穴八幡 (ほか)
所要
3時間10分
評価
★★★★

飄然と旅に出ると言いながらちまちました散歩。江ノ島、銀座、高円寺などを町田的偏屈さでいじり倒す。串カツも満足に貰えない怒りのパワーには笑える。というか串カツ求めて新橋を彷徨う男のどこに飄然を感じろと。

『正直じゃいけん』

表紙

発行
2006年1月 角川春樹事務所 271頁 1575円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
随筆ひとり漫才 / アナーキー・イン・ザ・3K / 愛の炸裂 (ほか)
所要
4時間20分
評価
★★★

正直者がばかを見る世界のばかっぷり。世の善悪突き詰めては、生き苦しいって喉掻きむしる病だ。ゆるいまま密度を上げつつある文体がいいリズムで。それはともかく「ししゃも好き」であることは分かった。吽。って。

『人生を歩け!』

表紙

発行
2006年3月 毎日新聞社 283頁 1470円 購入
共著
共著:いしいしんじ
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
成増 / 武蔵関・上石神井 / 浅草 (ほか)
所要
2時間40分
評価
★★★

大阪から出てきて暮らした「東京」を再訪。下町がその匂いを消してゆく過程というか、変わったものと変わらないものを確かめながらウォーク&トーク。「人生のおける魚介」とか無理やり人生論なんだけどゆるゆるで。

『テースト・オブ・苦虫2』

表紙

発行
2006年5月 中央公論新社 225頁 1785円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
「ロッカーの随筆」 / 地球救う前におのれ救え、どあほ。 / 「天下の男(志望者)」 (ほか)
所要
2時間40分
評価
★★★

きょきょーん。って軽快な口ぶりだけれども、ネタ探しに苦しみ悶絶してるような様も見え隠れする随筆集。苦虫ってそういう意味のビターさで迫り来るのか? 悶絶が職人芸だから、ま、いいんですけどね。てなパンク。

『真実真正日記』

表紙

発行
2006年11月 講談社 254頁 1575円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
日記の書きはじめ/比々さん/交差点の騒動 / 新店コンドル/矢村の素晴らしい文学/暴動の予感 / 猿の不安/執筆の停滞/鈍くさい店でスカタン (ほか)
所要
2時間40分
評価
★★★

真実だけを語る日記と言いながら初手から大嘘だって定型ネタ小説。主人公がギターを弾く「犬とチャーハンのすきま」ってバンド名や、阿修羅化する江美の神々しさなど、出鱈目にかっこいいパーツが累々と横たわって。

『テースト・オブ・苦虫3』

表紙

発行
2006年11月 中央公論新社 228頁 1785円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
手書きの入魂の滅裂 / 顔二種 / 実るほど頭が反り返るあほんだらかな (ほか)
所要
2時間40分
評価
★★★

シリーズ第三弾。って言わずとも町田随筆の匂いはみな共通でもう苦虫すら噛んでなかったりするのだが、今回も重箱の隅に泥詰めてどろどろ。「下積みのチンジャオ」とか破格の語彙に目が覚める気がしながら読むべし。

『テースト・オブ・苦虫4』

表紙

発行
2007年5月 中央公論新社 232頁 1785円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
気養いの随筆 / 言い訳すな嘘つくな /近況を随筆風に (ほか)
所要
2時間
評価
★★

どうでもいい日常にグダグダ言うのが芸だと、いくら意図的でもユルすぎないか。内容はあまり問題じゃないシリーズとして恥辱でゴーゴーゴーなの? 消耗しそうで心配ではあるが、本人が楽しいんだったら文句はない。

『猫のあしあと』

表紙

発行
2007年10月 講談社 230頁 1680円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
仕事場の猫たち / ニゴとトラ / ケージの引っ越し (ほか)
所要
2時間20分
評価
★★★★

動物が逝ったりする話が苦手な人にはおすすめできない猫エッセイ。どんどん飼い猫が増える不思議な仕事場で、猫たちの成長と死が描かれる。語り口はいつも以上にまっすぐで「ワクチンの無念」なんてもうね、心痛い。

『おそれずにたちむかえ テースト・オブ・苦虫 5

表紙

発行
2007年11月 中央公論新社 229頁 1680円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
やってみたら百難千苦だったよ / こんなことにいち早く気がついたオレは偉い / 集中しろ。にやにや笑うな (ほか)
所要
2時間10分
評価
★★★

ブックデザインから言って四巻で終了と思ってたシリーズの続刊。相変わらずのぐだぐだぶりに思わず酢蛸を丸呑みするのであるが、町田の自然な随想と自然な文体がコレである、という事実を甘んじて受け入れたいとも。

『フォトグラフール』

表紙

発行
2008年2月 講談社 227頁 1575円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
弁明相撲 / 悲しい夜 / 応援団 (ほか)
所要
1時間30分
評価
★★★

写真をネタにしてストーリーを妄想する。写真だけで笑えるってときには無意識に背景を想像してるものだけれど、町田のイキ方との落差を楽しむ本だ。構成的には文章読んで写真想像しながらページめくる楽しみだけど。

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