舞城王太郎の100字レビュー(すべて)

舞城王太郎書評ページ

『煙か土か食い物』

表紙

発行
2001年3月 講談社ノベルス 365頁 1050円 購入
発行
2004年12月 講談社文庫 342頁 580円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
煙か土か食い物
所要
4時間20分
評価
★★★★

名医にして名探偵の俺が連続主婦生き埋め事件をズバッと解決! 飛躍や投げ捨てが多くて何でもアリ(ドラえもん?)を爆走する謎解きも、母親が二郎に包丁を向けるシーンだけで許せる。暴力耐性ないとキツイとは思う。

『世界は密室でできている。』

表紙

発行
2002年4月 講談社ノベルス 211頁 798円 購入
発行
2005年4月 講談社文庫 244頁 470円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
世界は密室でできている。
所要
3時間10分
評価
★★★

名探偵ルンババの密室殺人解決ゲーム。ふざけたトリックとくだけた文体と壊れたキャラクターのエンタメ。泣かせどころもちゃんと強引にある。漫画まであるし。盛り沢山が全部バラバラなんでその都度驚くことになる。

『熊の場所』

表紙

発行
2002年10月 講談社 205頁 1680円 購入
発行
2004年12月 講談社ノベルス 161頁 819円 購入
発行
2006年2月 講談社文庫 185頁 420円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
熊の場所 / バット男 / ピコーン!
所要
2時間10分
評価
★★★

猫殺しの表題作にしても弱者叩きの「バット男」にしても病んだ現代社会への主張が明確で、紋切り型をグロさで幻惑してる作品であってもこの意志は評価したい。血の染みたバットに責任がもてるかどうかが問題だがね。

『阿修羅ガール』

表紙

発行
2003年1月 新潮社 284頁 絶版 購入
発行
2005年5月 新潮文庫(1編を追加) 367頁 580円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
第一部 アルマゲドン / 第二部 三門 / 第三部 JUMPSTART MY HEART (ほか)
所要
4時間20分
評価
★★★★★

混沌の街を粟立てる俺らが祭。恋する乙女を地で逝くアイコの精神の煉獄で、シャピーンて炸裂する寓意。真人間になれるように祈ろうじゃないか。終盤の辻褄合わせは稚拙ながら、前半の狂騒を掻き消す静寂が染み透る。

『九十九十九』

表紙

発行
2003年4月 講談社ノベルス 598頁 1575円 購入
発行
2007年1月 講談社文庫 611頁 880円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
九十九十九
所要
4時間30分
評価
★★

やりたい放題無法地帯の探偵推理モノ。前章がフィクションとして次章に埋め込まれるメタ構造がイキすぎてて、黙示録の見立てだぜってズバズバ解き明かしても清涼感はない。誰もついて来てないなと確認して笑うよな。

『山ん中の獅見朋成雄』

表紙

発行
2003年10月 講談社 261頁 1575円 購入
発行
2005年12月 講談社ノベルス 218頁 840円 購入
発行
2007年3月 講談社文庫 230頁 470円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
山ん中の獅見朋成雄
所要
2時間20分
評価
★★★

人間と獣は何が違うのか、がテーマだととらえると関係なさそうなストーリー展開。カニバリズムな「人盆」が強烈な印象を残すわりには静けさが支配する後半、背中を剃る音が延々と続く。不必要に凛としてて困惑する。

『好き好き大好き超愛してる。』

表紙

発行
2004年8月 講談社 274頁 1575円 購入
発行
2006年8月 講談社ノベルス 269頁 945円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
好き好き大好き超愛してる。 / ドリルホール・イン・マイ・ブレイン
所要
4時間20分
評価
★★★★

愛は祈りだ。不治の病で逝く恋人の物語から神と闘うSFのエピソードにぶっ飛んでっても、溢れる祈りで成立してる。泣けることで評判の巷の恋愛小説を「メタ化」しつくし、舞城流の小説論にもなっててうなづく部分多。

『みんな元気。』

表紙

発行
2004年10月 新潮社 285頁 1470円 購入
発行
2007年5月 新潮文庫(3編を収録) 216頁 420円 購入
発行
2007年6月 新潮文庫(2編+書き下ろし1編を収録、『スクールアタック・シンドローム』として) 251頁 420円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
みんな元気。 / Dead for Good / 我が家のトトロ (ほか)
所要
4時間30分
評価
★★★★

愛とは何か?を探求し続ける舞城がひとつの形として示した「家族愛」。ぐいーんって空飛んだり猫がトトロになったり学校襲われたりするわけだが、それで立ち現れてくる愛が胸に迫るね。迎合しない態度は相変わらず。

『SPEEDBOY!』

表紙

発行
2006年11月 講談社BOX 208頁 1260円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
壁と枷 / 石、女、涙 / 御蔵島 (ほか)
所要
1時間50分
評価
★★★

音速を超えるランナー成雄が新しい景色を見せてくれる。倫理という思考放棄や人が思い込む「限界」を突破した向こう側、光の世界へ。突拍子もないモチーフのなかに重たい主題を埋め込む手法には、いつも唸らされる。

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