『水滴』

- 発行
- 1997年9月 文藝春秋 188頁 絶版 購入
- 発行
- 2000年10月 文春文庫 181頁 品切 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 水滴 / 風音 / オキナワン・ブック・レヴュー
- 評価
- ★★★★
足先から水滴が落ちる奇病。それを夜毎飲みに集う兵士の残影。沖縄作家の責任感だと言い捨てるのを戸惑うような、鮮烈なイメージに寒気が来る。でも突如パスティーシュな「オキナワン・ブック・レヴュー」は何なの。
『魂込め (まぶいぐみ)』

- 発行
- 1999年8月 朝日新聞社 224頁 1470円 購入
- 発行
- 2002年11月 朝日文庫 218頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 魂込め / ブラジルおじいの酒 / 赤い椰子の葉 (ほか)
- 評価
- ★★★★
現在よりもクリアに立つ沖縄戦の幻影。海亀が掘り出すイメージの色鮮やかさはもちろん、喉に入ったヤドカリの自在な寓話性が著者の強みだな。ラストが類型的であるにも関わらず息が詰まる「面影と連れて」もいい味。
『群蝶の木』

- 発行
- 2001年3月 朝日新聞社 227頁 品切 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 帰郷 / 剥離 / 署名 (ほか)
- 所要
- 3時間40分
- 評価
- ★★★★
オカシイのは私なのか?と「剥離」「署名」でじんわり染む平衡感覚の狂いは、生きる気力を失わせる不快度。猫好きにも辛いけど拍手すべき執拗さだ。ラストの表題作が救いなのかと思ったらこちらもダウナーで眩暈が。
『風音 The Crying Wind』

- 発行
- 2004年6月 リトルモア 205頁 1365円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 風音
- 所要
- 1時間50分
- 評価
- ★★★
初期作品を映画化後にリライトした長編。「泣き御頭」と呼ばれる特攻隊委員の頭蓋骨が鳴らす風音に、戦後沖縄の記憶を託す。小説的な事件を起こす必要はなくて、ただその泣き声に耳をすましているだけでもいいのに。