『牛への道』

- 発行
- 1994年5月 新潮社 238頁 絶版 購入
- 発行
- 1997年5月 新潮文庫 268頁 460円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第一章 犬見る人生 / 第二章 朝、戸口でごとんと音がした / 第三章 耳と砂漠 (ほか)
- 評価
- ★★★
日常をずらして遊ぶエッセイ集。小ネタ集。明らかに狙っているな、と思うところで策略どおりに笑ってしまうのだが、事象よりもまず口調の小気味良さがある。「夕飯、合鴨にするよ」な耳で毎日を過ごせりゃ幸せだな。
『考える水、その他の石』

- 発行
- 1995年1月 同文書院 251頁 絶版 購入
- 発行
- 2006年10月 白水社 274頁 2100円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第一章 曖昧な場所と名づけえぬもの / 第二章 観ることのノート、または荒くれ / 第三章 考える水、その他の石
- 評価
- ★★★
演劇論や観劇記が中心となったエッセイ集。目次を見るとかなり硬そうに見えるのだが、本文はもう少し柔らかい。もちろん硬い事象を柔らかく捉えるところにこそ著者の力があるのだろうが。竹中直人論なんてのも秀逸。
『わからなくなってきました』

- 発行
- 1997年5月 新潮社 270頁 絶版 購入
- 発行
- 2000年1月 新潮文庫 327頁 500円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第1章 天の猿 地の牛 / 第2章 はじめに賢いものござる / 第3章 読む人は幸いだ (ほか)
- 評価
- ★★★
胴上げ、投げキッス、世の中は奇妙なものだらけだが、表層をより奇妙に塗り付けて笑ってしまおうとするエッセイ集。随所にあざといけれど、そのあざとささえもが味になっている。肩の力を抜いて生きたい人はどうぞ。
『14歳の国』

- 発行
- 1998年10月 白水社 172頁 1680円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 14歳の国
- 評価
- ★★★
生徒不在の教室で持ち物検査をする教師たち。化粧品やナイフが出てくることより「立派なこと」をこそこそやる教師のなんたる不条理。14歳の心は分からずとも「14歳の心が分からない」大人の心は伝わる、そんな戯曲。
『百年目の青空』

- 発行
- 1999年4月 マガジンハウス 252頁 1365円 購入
- 発行
- 2002年9月 新潮文庫(『よくわからないねじ』と改題) 297頁 500円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第一章 青空とスイカ / 第二章 夜と目薬 / 第三章 ぼうはからだとともにおどる
- 評価
- ★★★★
言葉をつついて出てきた埃を高らかに差し上げるいつものノリなのだが、そのチマチマ感を読者は期待し、著者は目論んでるのだろうか。気が緩んだところにするっと入ってきちゃうのだよな。確信犯だけど癖になるよね。
『茫然とする技術』

- 発行
- 1999年8月 筑摩書房 283頁 品切 購入
- 発行
- 2003年4月 ちくま文庫 324頁 714円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- カタカナの方法 / 茫然とする技術 / 蹄を打ち鳴らす音よ! (ほか)
- 評価
- ★★★
この手の脱力エッセイが彼の本域なのだとようやく気づいてきた。とすると『サーチエンジン〜』で感動した僕の気持ちはどこへ持ち帰ればいいのか。ネットの初期時代を体感してる一連の文章が救いになることは確かだ。
『サーチエンジン・システムクラッシュ』

- 発行
- 2000年3月 文藝春秋 156頁 絶版 購入
- 発行
- 2005年1月 文春文庫(1編を追加) 263頁 550円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- サーチエンジン・システムクラッシュ
- 評価
- ★★★★
赤いチョークの線を追ってやってきた池袋。虚学ゼミ教授の言葉がフラッシュバックする中、騙し絵のような街で迷子になる長編。傾いた現実をこれほどクールに語れるのはすごい。人はこの曖昧さに耐えうるものなのか?
『月の教室』

- 発行
- 2001年11月 白水社 182頁 1890円 購入
- NDC
- 912(日本文学>戯曲)
- 目次
- 月の教室 / 新しい演劇の作り方
- 所要
- 1時間
- 評価
- ★★
ワークショップのなかで皆で作った舞台。「女子高生のだべり」に力点を置きすぎて戯曲としてのバランスは悪いんだけれども、流れる空気は自然。「ほっとくと高校生は歌う」って真理も笑える。遠州弁を学べるCD付き。
『牛乳の作法』

- 発行
- 2002年12月 筑摩書房 268頁 1470円 購入
- 発行
- 2005年12月 ちくま文庫 313頁 714円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 歩く / 恐れる / 読む (ほか)
- 所要
- 2時間40分
- 評価
- ★★★
「牛乳を振って飲む男たち」とか着目点としても売られ方としても彼の他の「笑えるエッセイ」に属するものなのだが、それも演劇論の一部であったり、真面目な土台を強めに出してる。結果的に笑えないがそれはそれで。
『不在』

- 発行
- 2005年1月 文藝春秋 201頁 1500円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 不在
- 所要
- 2時間
- 評価
- ★★★★
利根川に浮かんだ少女の死を巡って謎が謎を呼ぶ長編。シェイクスピア悲劇を敷いて、業の一族や浮浪する詩人が物語を語る。視点と時間の転向が速くて読者置き去りでも気にしない風ながら終盤畳み掛けの見せ場は圧巻。