『限りなく透明に近いブルー』

- 発行
- 1976年7月 講談社 209頁 絶版 購入
- 発行
- 1978年12月 講談社文庫 162頁 370円 購入
- 発行
- 1983年11月 講談社(新装版) 209頁 1260円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 限りなく透明に近いブルー
- 評価
- ★★★★
芥川賞受賞のデビュー作。福生を舞台にしてセックスとドラッグの乱痴気騒ぎが繰り広げられるが、不思議にクールだ。冷たい沸点という感じか。視覚的な毒々しさも読みやすいようにコーティングされている印象がある。
『海の向こうで戦争が始まる』

- 発行
- 1977年6月 講談社 221頁 絶版 購入
- 発行
- 1980年11月 講談社文庫 186頁 390円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 海の向こうで戦争が始まる
- 評価
- ★★★★
バカンスの砂浜から一転、対岸で燻りだす戦争の火種を捕らえる視線。何かがここで勃発するという予感、その不快な蠕動。場面の切り替わる部分が映像として、また技術として美しい。大佐の長い独白はすでに彼の味だ。
『中上健次vs村上龍 俺達の舟は、動かぬ霧の中を、纜を解いて、―。』

- 発行
- 1977年6月 角川書店 198頁 絶版 購入
- 発行
- 1982年1月 角川文庫(『ジャズと爆弾』と改題) 170頁 絶版 購入
- 共著
- 共著:中上健次
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 対談 / 短篇小説 / 後記的エッセイ
- 評価
- ★★★
芥川賞を取ったばかりの村上と、その前年に受賞している中上の対談集。共通の教養としてのドラッグ体験やジャズ、文学の行方なんかを語っている。それぞれの立ち位置がはっきり分かる二人の短編小説も併録。若いね。
『真昼の映像・真夜中の言葉』

- 発行
- 1979年1月 講談社 228頁 絶版 購入
- NDC
- 778(演劇・映画>映画)
- 目次
- インタビュー 言語から映像へ / 撮影日誌 / シナリオ 限りなく透明に近いブルー
- 評価
- ★★★
映画「限りなく透明に近いブルー」シナリオと撮影日誌にインタビューを収録。初監督作品ということでまごつきながらも夢を叶えているという喜びが伝わってくる日誌がいい感じ。何というか若く初々しい監督ではある。
『コインロッカー・ベイビーズ』

- 発行
- 1980年10月 講談社(上) 257頁 絶版 購入
- 発行
- 1980年10月 講談社(下) 223頁 絶版 購入
- 発行
- 1984年1月 講談社文庫(上) 258頁 490円 購入
- 発行
- 1984年1月 講談社文庫(下) 247頁 490円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- コインロッカー・ベイビーズ
- 評価
- ★★★★★
徹底的な破壊衝動が全てを覆っている。コインロッカーに捨てられることで生まれたニ人の子供の「正しい社会憎悪マニュアル」。鮮烈な映像イメージが物語を誘導する。途中で降りることを許さないスピード感ある長編。
『ウォーク・ドント・ラン 村上龍vs村上春樹』

- 発行
- 1981年7月 講談社 154頁 絶版 購入
- 共著
- 共著:村上春樹
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 都会と田舎 / なぜ小説を書くのか / 新人賞の周辺 (ほか)
- 評価
- ★★★
全く異なる資質を持った二人による対談集。『コインロッカー〜』後『羊をめぐる〜』前という時期なので、やっぱり村上龍が格上の感。春樹の洗練、龍の衝動を自分にないものとして違いに憧れまた反発する若きW村上。
『だいじょうぶマイ・フレンド』

- 発行
- 1983年2月 集英社 254頁 絶版 購入
- 発行
- 1985年10月 集英社文庫 272頁 540円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- プロローグ / ゴンジー・トロイメライの出現 / ゴンジー・トロイメライの出生の秘密 (ほか)
- 評価
- ★★★
大絶賛された『コインロッカー〜』後の期待を見事に裏切るコミカルなお伽噺。地上に落ちたスーパーマン・ゴンジーの冒険を描く明るい哀しいSF冒険小説。楽しめる作品ではあるが「そりゃねぇだろう」とやっぱり思う。
『五人十色』

- 発行
- 1984年6月 フィクション・インク 253頁 絶版
- 共著
- 共著:金井美恵子/橋本治/村上春樹/山川健一
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 橋本治 / 村上春樹 / 村上龍 (ほか)
- 評価
- ★★★
金井美恵子、橋本治、村上春樹、村上龍、山川健一へのインタビュー集成。それぞれ勢いのある時期で、自信を固めつつある言葉が頼もしい。人選が僕好みだし。田中康夫などパートIIもあるそうだがそっちは読んでない。
『悲しき熱帯』

- 発行
- 1984年9月 角川文庫 201頁 品切 購入
- 発行
- 1988年8月 角川書店(『Summer in the city』と改題) 199頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- フィリピン / ハワイアン・ラプソディ / スリーピー・ラグーン (ほか)
- 評価
- ★★★★
ハワイやグァム、南の島の短編集。旅行者の視線と土着の物語が、思考を鈍らせるような温度と湿度の中で描かれている。したたる果汁や魚のぬめりはまだ瑞々しい感性の内に留まっている。文庫出てから単行本って順序?
『テニスボーイの憂鬱』

- 発行
- 1985年3月 集英社 445頁 品切 購入
- 発行
- 1987年10月 集英社文庫(上) 276頁 540円 購入
- 発行
- 1987年10月 集英社文庫(下) 267頁 520円 購入
- 発行
- 1997年12月 幻冬舎文庫 605頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- テニスボーイの憂鬱
- 評価
- ★★
長編。ファッションとしてのテニスとグルメで笑う以外何もない俗物。80年代の「モテなきゃ」文化を体現していてもうダメ。評価が低いのは個人的にこの主人公が嫌いだからであって小説に罪はないのだがやっぱりダメ。
『アメリカン★ドリーム』

- 発行
- 1985年10月 講談社文庫 238頁 440円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 基地の街に生まれて / ニューヨーク日記 / アメリカン★ドリーム (ほか)
- 評価
- ★★★
基地の街で見てきた占領統治下の現代日本文化。ナショナリズムとポップの境界で生きるために、アメリカを考えなきゃならないというエッセイ。対話形式の部分もあり読みやすい。映画の「失敗」の苛立ちもよく分かる。
『EV.Cafe’ 超進化論』

- 発行
- 1985年11月 講談社 366頁 絶版 購入
- 発行
- 1989年1月 講談社文庫 396頁 700円 購入
- 共著
- 共著:坂本龍一
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- Stage0 快感 / Stage1 表現 吉本隆明 / Stage2 生物 河合雅雄 (ほか)
- 評価
- ★★★★
村上龍と坂本龍一がホストとなって、各回1人ずつ招いて語る鼎談集。鼎談の相手は吉本隆明など思想界の大御所という非常に贅沢な1冊。「知性」をラグビーボールみたいにパスしながら遊んでいるという感じの知的遊戯。
『Post. ポップアートのある部屋』

- 発行
- 1986年3月 講談社 207頁 絶版 購入
- 発行
- 1989年3月 講談社文庫(『ポップアートのある部屋』と改題) 207頁 730円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 左腕だけは君のもの / Kの画廊 / タキシードの老人 (ほか)
- 評価
- ★★★
ウォーホルにリキテンシュタイン、ジャスパー・ジョーンズなどのポップアートをモチーフにした短編集。アメリカンなムードで押しきるブック・デザインはなかなか楽しい。ポップなポストカードがたくさん付いてくる。
『走れ! タカハシ』

- 発行
- 1986年5月 講談社 245頁 絶版 購入
- 発行
- 1989年5月 講談社文庫 257頁 520円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- おまえ、いいな巨人戦も観れるんだろ? / まったく一体どうなっているんだろう? / 海へ行って陽焼けをしてきただけではだめで、ただ女をモノにできなかったということだけでオレだけどうしてこう差別されなければならないのだろうか? (ほか)
- 評価
- ★★★★
広島カープのタカハシヨシヒコが走れるかどうかで決定してしまう僕の人生。文字通り神のような彼と、観客席側の不随意に運命づけられる者たちの短編集。珍しくもコミカル。PART4のハッピーエンドぶりが清々しいね。
『ニューヨーク・シティ・マラソン』

- 発行
- 1986年10月 集英社 237頁 品切 購入
- 発行
- 1989年9月 集英社文庫 251頁 460円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ニューヨーク・シティ・マラソン / リオ・デ・ジャネイロ・ゲシュタルト・バイブレイション / 蝶乱舞的夜総会 (ほか)
- 評価
- ★★★
汚れた街を走る娼婦の表題作ほか八編。男娼やダンサーやサギ師がドラッグをやったり右往左往したり死んだりする都会。体液を撒き散らしながらも涼しげなのは初期の文体のせいか。ニューヨークやリオや香港の熱い夜。
『愛と幻想のファシズム』

- 発行
- 1987年8月 講談社(上) 415頁 絶版 購入
- 発行
- 1987年8月 講談社(下) 446頁 絶版 購入
- 発行
- 1990年8月 講談社文庫(上) 503頁 770円 購入
- 発行
- 1990年8月 講談社文庫(下) 541頁 770円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 愛と幻想のファシズム
- 評価
- ★★★★★
近未来を舞台にした重厚な政治経済小説。強い奴だけが生き残る適者生存という理念を抱え巨大化する政治結社・狩猟社。トウジの圧倒的カリスマがとにかくすごい。小説世界を越えて読者まで惹きつける暴力的な魅力だ。
『すべての男は消耗品である』

- 発行
- 1987年8月 ベストセラーズ 277頁 1386円 購入
- 発行
- 1990年11月 角川文庫 279頁 504円 購入
- 発行
- 1993年9月 集英社文庫 282頁 480円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- かわいい女とかわいくない女 / 堕ちていきたいのよ、と女優は言った / 美醜、生まれ、育ち、運命、それらはすべて才能の一部だ (ほか)
- 評価
- ★★★★
自立しない男とブスな女を徹底的に叩きつつ無目的に人をぐったりさせるエッセイ集。生き方指南ではなく全くの放言だが読み物としてはいい。その趣旨に賛同するかどうかは別として一刀両断の物言いは気持ちいいから。
『69 sixty nine』

- 発行
- 1987年8月 集英社 230頁 品切 購入
- 発行
- 1990年9月 集英社文庫 244頁 460円 購入
- 発行
- 2004年4月 集英社(新装版) 141頁 1000円 購入
- 発行
- 2007年8月 文春文庫 246頁 480円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- アルチュール・ランボー / アイアン・バタフライ / レディ・ジェーン (ほか)
- 評価
- ★★★
造反有理、バリケード封鎖。退屈しのぎの真似事だとしても、それが一番楽しいことだったのだ。佐世保の少年時代を描いた自伝的(?)長編。「こんなに楽しい小説を書くことはこの先もうないだろう」という楽しい69年。
『トパーズ』

- 発行
- 1988年10月 角川書店 213頁 絶版 購入
- 発行
- 1991年11月 角川文庫 222頁 441円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- トパーズ / 公園 / 受話器 (ほか)
- 評価
- ★★★★
著者自身が映画化もした中期の代表作。官能分野のひとつの頂点でもある。風俗嬢の一人称で描かれた文体はぬめり、拡散する。セクシャルな哀しみを湛えた世界に、やり場のない怒りに似た感情に襲われる。衝撃の12編。
『村上龍料理小説集』

- 発行
- 1988年10月 集英社 276頁 品切 購入
- 発行
- 1991年10月 集英社文庫 296頁 490円 購入
- 発行
- 1998年1月 講談社文庫 301頁 540円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 村上龍料理小説集
- 評価
- ★★★
料理を題材にしたショートストーリーズ。いわゆるショートショートのアイデアとオチのようなものはなく状況描写に徹する。各回の文章が少なすぎ入りこめないうちに料理の匂いも嗅がないうちに終わる印象なのが辛い。