『エクスタシー』

- 発行
- 1993年1月 集英社 258頁 1470円 購入
- 発行
- 1995年4月 集英社文庫 299頁 470円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- エクスタシー
- 評価
- ★★★★
ニューヨークであるホームレスに会って主人公の人生は狂い始める、ドラッグ小説。クスリによるセックスで彼らはどこにたどり着くのか。「運び屋」となるわけだが予定調和としてのラストシーンがまさにエクスタシー。
『フィジーの小人』

- 発行
- 1993年3月 角川書店 338頁 絶版 購入
- 発行
- 1996年4月 講談社文庫 413頁 絶版 購入
- 発行
- 1997年4月 角川文庫 389頁 品切 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- フィジーの小人
- 評価
- ★★★
道化師の小さな体から恥の概念がドロドロと流出する。勃起が終日続く両性具有者のようなグロテスクな世界。結局物語は終わろうとしない。「恥」を突き詰めて考えようとしたあまり拡散したまま戻ってこれなくなった。
『贅沢な失恋』

- 発行
- 1993年4月 角川書店 236頁 絶版 購入
- 発行
- 1996年12月 角川文庫 183頁 504円 購入
- 共著
- 共著:北方譲三/藤堂志津子/林真理子/村松友視/森瑤子/山川健一/山田詠美
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- マナハウス 村上龍 / 四歳の雌牛 林真理子 / チーズに合うワイン 北方謙三 (ほか)
- 評価
- ★★★
「恋愛」と同じメンバーによる短編コラボレーションで、こちらは「グルメと失恋」がテーマ。こういう「贅沢」に純真に憧れる人間がいるからこそなんだろうか。みなさん楽しげに書かれてはいるのでオーケーだけれど。
『368Y Par4 第2打』

- 発行
- 1993年5月 講談社 238頁 絶版 購入
- 発行
- 1996年6月 講談社文庫 343頁 580円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 368Y Par4 第2打
- 評価
- ★★★
「欲望を肯定して生きるのは難しい。」という長編。勝負の一手。決めるべきときに決めない男はダメだ。ゴルフだけではない。ゴルフがこんなにポピュラーな日本から強いプレイヤーが出てこないのは何故だ。もっとも。
『「普通の女の子」として存在したくないあなたへ。』

- 発行
- 1993年6月 マガジンハウス 212頁 1223円 購入
- 発行
- 1997年8月 幻冬舎文庫 276頁 520円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- セントラル・パークを見下ろす部屋から / ジョージア州・サヴァンナから / セント・オーガスティンから (ほか)
- 評価
- ★★★
エッセイ集。男がこのタイトルを読むのは勇気がいるけども。ニューヨーク、メキシコ、キューバから届けられる著者のそつない言葉に、女の子はときめいたりするものなのだろうか。自分は特別だと思いたいのだろうか。
『音楽の海岸』

- 発行
- 1993年7月 角川書店 359頁 絶版 購入
- 発行
- 1997年4月 講談社文庫 374頁 590円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第1章 音楽の起源 / 第2章 旋律 / 第3章 調和音 (ほか)
- 評価
- ★★★
中上健次の死にあって彼に捧げた長編。ケンジはただ立って現在を考えている。彼を素通りする人々。純文学的(?)に驚くべきことは何も起こらない。巨人が死んだ後の世界で生まれるものを聞き取ろうとする意志だけだ。
『神は細部に宿る』

- 発行
- 1994年1月 浪漫新社/ワニブックス 237頁 絶版 購入
- 共著
- 共著:椹木野衣
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第1章 “傷”を舐め合う若者たち / 第2章 限りなく進化に近いマイノリティ / 第3章 正義を根本原理に、アメリカ化していく世界 (ほか)
- 評価
- ★★★
美術評論家・椹木との対談集。国境を越えて、「意味」という病を越えて、日本人は行かなければならない、のに。この「のに」という静かな諦念を感じる。端から焚きつけようともしてないし。ブックデザインは美しい。
『五分後の世界』

- 発行
- 1994年3月 幻冬舎 255頁 品切 購入
- 発行
- 1997年4月 幻冬舎文庫 303頁 560円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第1章 兵士達 / 第2章 雑居房 / 第3章 矯正施設 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
五分だけ時のずれたパラレルワールド。日本はポツダム宣言を受諾せず、現在に至るまでゲリラ戦が続いている。日本軍は地下帝国を築き、世界一美しい軍隊と優れた文化を保持する。とにかく「うまい!」の力作。右翼?
『昭和歌謡大全集』

- 発行
- 1994年3月 集英社 230頁 品切 購入
- 発行
- 1997年1月 集英社文庫 220頁 400円 購入
- 発行
- 2001年6月 幻冬舎文庫 245頁 440円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第一章 恋の季節 / 第二章 星の流れに / 第三章 チャンチキおけさ (ほか)
- 評価
- ★★★
社会とコミットできない孤独な若者達は冴えないパーティーを開き、道行くオバサンの喉にナイフを突き立てる。団結するオバサン達との激しい攻防戦が繰り広げられる長編。社会問題を笑ってしまうのも接近法ではある。
『贅沢な恋人たち』

- 発行
- 1994年4月 幻冬舎 237頁 品切 購入
- 発行
- 1997年4月 幻冬舎文庫 213頁 480円 購入
- 共著
- 共著:北方譲三/藤堂志津子/林真理子/村松友視/森瑤子/山川健一/山田詠美
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 天国の右の手 山田詠美 / 白鳥 村上龍 / 眺望の密室 林真理子 (ほか)
- 評価
- ★★★
シリーズ最終刊となる。テーマは「セックス」だろう。三冊分の短編は村上龍は『白鳥』、山川健一は『窓の外を眺めながら、部屋のなかに座っている。』で、自身の短編集としてまとめなおしている(他作家は知らない)。
『ピアッシング』

- 発行
- 1994年12月 幻冬舎 194頁 品切 購入
- 発行
- 1997年6月 幻冬舎文庫 174頁 440円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ピアッシング
- 評価
- ★★★★
殺人衝動をもつ男と自殺志願の女。トラウマに決定的に支配されている人物を、徹底的な心理描写で浮き出している。これは心理学者の観察眼だ。想像が恐怖だ、実際になされてしまえば恐怖は消える、という自罰的長編。
『「超能力」から「能力」へ 宇宙的な未知の力を、身近なソフトウェアに』

- 発行
- 1995年5月 講談社 221頁 絶版 購入
- 発行
- 1997年5月 講談社文庫 270頁 540円 購入
- 共著
- 共著:山岸隆
- NDC
- 147(心理学>超心理学 心霊研究)
- 目次
- 序章 村上龍の特殊エネルギー体験 / 第一章 私の能力 / 第二章 対談「超能力」から「能力」へ (ほか)
- 評価
- ★★★
超能力を科学に応用し、例えばCDを聞くだけで肩こりが治る、といった開発を進める山岸との対談集。半信半疑の状態から、実際に自分が体験して、皆にも勧めたいという流れは明確にオカルト本的だけれど、それもあり。
『村上龍映画小説集』

- 発行
- 1995年6月 講談社 221頁 絶版 購入
- 発行
- 1998年4月 講談社文庫 267頁 490円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 甘い生活 / ラスト・ショー / 地獄に堕ちた勇者ども (ほか)
- 評価
- ★★★
エッセイのようだが「小説集」なので自伝的短編集というところか。佐世保から東京へ出てきた頃の、基地と美術学校と映画のある生活。表現欲求を糧とした男は小説家として世に出たがまず映画であってもよかったのだ。
『すべての男は消耗品である。Vol.4』

- 発行
- 1995年9月 ベストセラーズ 284頁 1439円 購入
- 発行
- 1999年8月 幻冬舎文庫(『1死なないこと 2楽しむこと 3世界を知ること』と改題) 247頁 560円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- その国の「ソフト」がその国を語る。 / 「どうしてそんなに元気なんだ?」キューバ人は答えた。「人間だからだ」 / 自分の家族がカンボジアへ行く、という想像力がないと、PKOの是非は問えない。 (ほか)
- 評価
- ★★
この国には「ソフト」がない、美しいものを必要としていない、など硬派な物言いと、「キューバ、キューバ!」と新しいおもちゃを買ってもらった子供のような喜びが混在する第四弾。文庫版タイトルはちょっとスゴイ。
『KYOKO キョウコ』

- 発行
- 1995年11月 集英社 213頁 品切 購入
- 発行
- 1998年12月 集英社文庫 270頁 500円 購入
- 発行
- 2000年2月 幻冬舎文庫 218頁 480円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 序章 モノローグ・キョウコ / 第一章 ラルフ・ビッグス / 第二章 ホルヘ・ディアス (ほか)
- 評価
- ★★★★
エイズを正面から扱いながらも明るい長編。映画が先で小説化したもの。ダンサーを夢見る少女のアメリカ縦断、これまでのドロドロと濡れた作風とは違い爽やかだ。もっとも、以後の作はやっぱりドロドロなのだけれど。
『世紀末を一人歩きするために』

- 発行
- 1995年12月 講談社 283頁 絶版 購入
- NDC
- 917(日本文学>蔵言 アフォリズム 寸言)
- 目次
- 世紀末を一人歩きするために
- 評価
- ★★
これまでの著作からアフォリズム的な文章を分野別に編集した一冊。つまり著作ではないのだが。確かにこの種の人生誘導的言葉の多い作家ではある。これを胸に刻んで世紀末を一人歩きしよう。ほら、歩いてみろってば。