村上龍の100字レビュー(2003〜)

『どこにでもある場所とどこにもいないわたし』

表紙

発行
2003年4月 文藝春秋 186頁 1260円 購入
発行
2005年5月 文春文庫(『空港にて』と改題) 183頁 420円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
コンビニ / 居酒屋 / 公園 (ほか)
評価
★★★★

「普通の人は、一生こういうワインは飲めない」なんて小説中に書けるのは龍くらいなもの。それでも希望を描きたいという著者の想いはちゃんと表れてるし、揺さぶられて海外に希望を見出せる人もいるかもしれないね。

『置き去りにされる人びと すべての男は消耗品である。Vol.7

表紙

発行
2003年6月 ベストセラーズ 217頁 1418円 購入
発行
2007年10月 幻冬舎文庫 197頁 520円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
勝ち組と負け組という嘘 / 富の再配分ができなくなった権力は滅ぶ / 日本、日本人という主語の限界 (ほか)
所要
2時間10分
評価
★★★★

格差社会の進行によって「置き去りにされる」層が存在するにもかかわらず、明確なアナウンスメントがない。日本社会と政治について一貫した物言いが気持ちいい。啓蒙の意志はまったくない著者だがちゃんと伝わって。

『2days 4girls 2日間で4人の女とセックスする方法

表紙

発行
2003年8月 集英社 329頁 1995円 購入
発行
2006年5月 集英社文庫 330頁 560円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
2days 4girls
所要
3時間10分
評価
★★

「救済という嘘」って答えがオビにも書いてあるけど、壊れた女達をオーバーホールする幻想。『イビサ』の頃に通ずる内臓的な欠落感を煽る作品で、終盤に反転するんだが、救う・救われるが危険なことには変わりない。

『半島を出よ』

表紙

発行
2005年3月 幻冬舎(上) 430頁 1890円 購入
発行
2005年3月 幻冬舎(下) 496頁 1995円 購入
発行
2007年8月 幻冬舎文庫(上) 509頁 760円 購入
発行
2007年8月 幻冬舎文庫(上) 591頁 800円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
2010年12月14日 川崎 ブーメランの少年 / 2011年 3月21日 平壌 朝鮮労働党三号庁舎・第一映写室 / 2011年 3月 3日 見逃された兆候 (ほか)
所要
17時間50分
評価
★★★★★

北朝鮮のコマンドが福岡を占拠する。政府の場当たり対応やメディアの狼狽に兵士の心情を絡めながら、国家として何が最優先事項なのかと問う。爆風ひるがえる映像美と瓦礫にきらめく希望が、この国の限界を押上げる。

『ハバナ・モード』

表紙

発行
2005年6月 ベストセラーズ 211頁 1575円 購入
発行
2008年4月 幻冬舎文庫 174頁 480円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
ハバナ・モード / 小国スロヴェニアの智恵 / 犠牲と支配 (ほか)
所要
3時間20分
評価
★★★

消耗品シリーズ8。発表順とは逆に並べられてて、『半島を出よ』脱稿に始まり書き始めてない時期まで時間を遡ることになる。世界情勢・経済状況の話が多いが、世界が「平和になっていく」章立てだとしたらやりすぎ。