中原昌也の100字レビュー(すべて)

中原昌也書評ページ

『ソドムの映画市 あるいは、グレートハンティング的(反)批評闘争

表紙

発行
1996年11月 洋泉社 222頁 1470円 購入
NDC
778(演劇・映画>映画)
目次
八百万の死にざま 「007」シリーズにはじまるアクション映画の虐殺エンタテインメントについて考える / コフィン・ジョーが映画の殿堂入りを約束されるまで / なしくずしの惨劇〜映画監督ハーシェル・ゴードン・ルイス (ほか)
評価
★★★

映画評論集。文章はかなり投げやりだし、文意よりも取り上げてる映画のラインナップに唸るべきものなんだろう。B級でフリーキーで悪食な著者の趣味全開。「そして希望に満ちたニューライフをどん底から始めよう!」

『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』

表紙

発行
1998年9月 河出書房新社 125頁 1260円 購入
発行
2000年10月 河出文庫 136頁 473円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
路傍の墓石 / 血で描かれた野獣の自画像 / ソーシャルワーカーの誕生 (ほか)
評価
★★★★

ナンセンスな短編集。暴力的なまでに無思想で、脈絡なく紆余曲折するスピード感。およそ文学的でない言葉に時折嵐のような瞬間風速がある。彼が虐殺したのは「文学」だった。などと良くあるレトリックで逃げてみる。

『子猫が読む乱暴者日記』

表紙

発行
2000年1月 河出書房新社 111頁 1260円 購入
発行
2006年2月 河出文庫 144頁 494円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
子猫が読む乱暴者日記 / 十代のプレイボーイ・カメラマン かっこいい奴、うらやましいあいつ / デーモニッシュ・キャンドルズ (ほか)
評価
★★★

どうしてこうも乱暴者なの? ストーリーはどこにもなくてどす黒い感情だけで書き進む。小説を書くのが嫌なんだろう、投げやりな短編断章集。だのに言葉の端々に蹴つまづいているうちに楽しめてたりするのは不思議。

『あらゆる場所に花束が……』

表紙

発行
2001年6月 新潮社 152頁 絶版 購入
発行
2005年5月 新潮文庫 185頁 380円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
あらゆる場所に花束が……
評価
★★

これまでの短編集で見せた破壊力そのままに領土拡大した長編。不意に漂う文学臭でさえ悪意そのもので怖すぎるんですけど。こんな風に言葉を足蹴にしてよいものだろうか? 三島賞に宮本輝が抵抗したってのも分かる。

『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!』

表紙

発行
2004年6月 リトルモア 255頁 1575円 購入
共著
共著:青山真治阿部和重
NDC
778(演劇・映画>映画)
目次
ジョン・カーペンター『ゴースト・オブ・マーズ』 / モンテ・ヘルマン『コックファイター』 / デヴィッド・クローネンバーグ『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』 (ほか)
所要
1時間50分
評価
★★★

映画を巡る鼎談集。中原のB級趣味全開な暴走と、阿部の愛のあるボケ突っ込みと、青山の映画人としての強い主張。後半は総当たり対談になるんだけど、こちらのほうは文学的な議論もあったりして興味深いものはある。

『待望の短篇集は忘却の彼方に』

表紙

発行
2004年7月 河出書房新社 139頁 1365円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
待望の短篇は忘却の彼方に / 血牡蛎事件覚書 / お金をあげるからもう書かないで、と言われればよろこんで (ほか)
所要
1時間10分
評価
★★★

文学なんか書きたくないと言い続ける私(?)小説群。特に「凶暴な放浪者」での長口上「文学的才能もないのに三島賞なんてもらう悲劇」は小説にもジョークにもなってない。リアクションに困るよって無責任に笑う読者。

『名もなき孤児たちの墓』

表紙

発行
2006年2月 新潮社 256頁 1575円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
私の『パソコンタイムズ』顛末記 / 彼女たちの事情など知ったことか / 女たちのやさしさについて考えた (ほか)
所要
3時間40分
評価
★★★

自分には文章を書く才能がないという誠実な態度でいつもどおり暴走。芥川賞候補作「点滅……」も入っているのだが、これで賞が取れるはずがない。「小説のようにも見える」初めての中原作品には違いないのだけれど。

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