中上紀の100字レビュー(すべて)

中上紀書評ページ

『彼女のプレンカ』

表紙

発行
2000年1月 集英社 202頁 1365円 購入
発行
2006年5月 集英社文庫 233頁 520円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
彼女のプレンカ / 八月のベーダ
評価
★★★

タイへの卒業旅行に出る女性二人。それぞれが体現する自分にとってのアジアがしんみりとすれ違って、人の数だけある現実の描出で読ませる。少数民族が青空に向かって蹴り上げるプレンカ(ブランコ)のイメージもよい。

『パラダイス』

表紙

発行
2001年4月 恒文社21/恒文社 197頁 1680円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
湖 / 光 / 絵 (ほか)
評価
★★★

楽園はどこにあるのか。鍵のかかった小屋、土俗的な祭のなか、アジアンリゾートな湖の底にか? 長編小説としてはやや体力不足の感だが、人数分だけの結論を求めてしまう性急さも非楽園的でなかなか意味深ではある。

『悪霊 アジア・ノワール

表紙

発行
2002年8月 毎日新聞社 222頁 1500円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
悪霊
所要
2時間40分
評価
★★★

大音量のガムランとバリの熱気のなか、悪霊に憑かれた者、神に魅入られた者たちが踊る。著者は、スタイルじゃなくアジアの湧気が本当に好きなんだなと思わせる。日本とバリを往復するストーリーも緩急があってよい。

『いつか物語になるまで』

表紙

発行
2004年6月 晶文社 213頁 1680円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
優しい嘘からはじまること / パスポートの来た道 / 旅の部屋から
所要
2時間30分
評価
★★★

旅の話や家族の話などを淡白に語るエッセイ集。ウェブ連載ということもあってか肩張らないムードだが、国際文芸プログラム招聘によるアイオワ滞在だったり、マンゴー花粉症だったり、そんな種類の一風変った日常か。

『夢の船旅 父中上健次と熊野

表紙

発行
2004年7月 河出書房新社 151頁 1365円 購入
NDC
910(日本文学>日本文学)
目次
私の原風景「国道四二号線」 / 父の残映 / 熊野の胎動 (ほか)
所要
1時間30分
評価
★★★

「父と熊野」に本腰入れて向かい合った初めての書。血族の業を描いた健次がその娘によって描きなおされるとき、また新たな熊野が現れる。社に祭りに蝉の声、なんて深い森の国か。『鳳仙花』ほかの読解も充実してる。

『水の宴』

表紙

発行
2005年7月 集英社 285頁 1995円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
フェイドアウト / 銀色の魚 / ラライェの夕日 (ほか)
所要
3時間20分
評価
★★★

旅の短編集。物語としての起承転結よりも、バンコク、カウアイ島、シンガポール、チェンマイ、それぞれの気温や湿度の再現に気が配られてる。海中出産なんて変った題材をもってきながら「ハワイの海」に重点がとか。

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