『人の砂漠』

- 発行
- 1977年11月 新潮社 297頁 絶版 購入
- 発行
- 1980年12月 新潮文庫 439頁 740円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- おばあさんが死んだ / 棄てられた女たちのユートピア / 視えない共和国 (ほか)
- 評価
- ★★★★
人間の生き様死に様を追ったルポ八本。虐げられた人々、あるいはそれでも逞しく生きる人々…。著者は不用意な情を控えているけれど、情なんて必要としてこなかった人々の物語なわけだな。あるいは誇り高き人々のか。
『テロルの決算』

- 発行
- 1978年9月 文藝春秋 324頁 絶版 購入
- 発行
- 1982年9月 文春文庫 323頁 540円 購入
- NDC
- 916(日本文学>記録 手記 ルポルタージュ)
- 目次
- 序章 伝説 / 第一章 十月の朝 / 第二章 天子、剣をとる (ほか)
- 評価
- ★★★
社会党委員長を刺殺した17歳のテロリスト山口二矢をめぐるノンフィクション。若さゆえの性急な愛国心が煌めく様は読んでる方まで血が出そうなんだが、「殺される側の論理」までも立ち上がらせる筆力取材力はさすが。
『路上の視野 1972-1982』

- 発行
- 1982年1月 文藝春秋 507頁 絶版 購入
- 発行
- 1987年1月 文春文庫(第1部と第5部を収録、『紙のライオン 路上の視野I』として) 270頁 470円 購入
- 発行
- 1987年2月 文春文庫(第3部と第4部を収録、『ペーパーナイフ 路上の視野II』として) 350頁 500円 購入
- 発行
- 1987年3月 文春文庫(第2部と第6部を収録、『地図を燃やす 路上の視野III』として) 266頁 470円 購入
- 発行
- 1993年10月 文藝春秋(新装版) 509頁 絶版 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第1部 紙のライオン―方法 / 第2部 沈黙と喧噪―異国 / 第3部 職人衆の仕事―作家 (ほか)
- 所要
- 11時間10分
- 評価
- ★★★
多様なテーマのエッセイを強引にまとめたものだが、ルポとは何か、ジャーナリズムとは何かという問いに貫かれている。著者が「事実」を選び取る際のスタンスに信頼を置いている人には改めて、その力の源泉が見える。
『深夜特急 第一便 黄金宮殿』

- 発行
- 1986年5月 新潮社 314頁 1575円 購入
- 発行
- 1994年3月 新潮文庫(1 香港・マカオ) 238頁 420円 購入
- 発行
- 1994年3月 新潮文庫(2 マレー半島・シンガポール) 223頁 420円 購入
- NDC
- 915(日本文学>日記 書簡 紀行)
- 目次
- 第一章 朝の光 発端 / 第二章 黄金宮殿 香港 / 第三章 賽の踊り マカオ (ほか)
- 評価
- ★★★★★
バックパッカーのバイブル的ユーラシア大陸横断バス紀行。香港のエネルギーに圧倒され、マカオのカジノに熱中し、目的のない長い旅は序盤からきっぱりとアジアの風の中にある。この只事ではない高揚感はなんだろう。
『深夜特急 第二便 ペルシャの風』

- 発行
- 1986年5月 新潮社 297頁 1575円 購入
- 発行
- 1994年4月 新潮文庫(3 インド・ネパール) 226頁 420円 購入
- 発行
- 1994年4月 新潮文庫(4 シルクロード) 204頁 420円 購入
- NDC
- 915(日本文学>日記 書簡 紀行)
- 目次
- 第七章 神の子らの家 インドI / 第八章 雨が私を眠らせる カトマンズからの手紙 / 第九章 死の匂い インドII (ほか)
- 評価
- ★★★★
インド、ネパール、シルクロード。途中手紙調で描かれるカトマンズの風景、麻薬で死んだヒッピー、沈没する雨の部屋は、この種の旅の危険性を明確に示す。外界への、生への興味を徐々に失って行くオン・ザ・ロード。
『彼らの流儀』

- 発行
- 1991年12月 朝日新聞社 302頁 絶版 購入
- 発行
- 1996年4月 新潮文庫 310頁 540円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- ナチュラル / あめ、あめ、ふれ、ふれ / 風の学校 (ほか)
- 評価
- ★★★
「彼ら」たる魅力的な人物たちの決定的な人生を追うノンフィクションであるのだが、著者も言うように小説の匂いもあったり、ジャンル無用のコラムとなっている。書き手の我を見せない心意気が情景をクリアに見せる。
『深夜特急 第三便 飛光よ、飛光よ』

- 発行
- 1992年10月 新潮社 341頁 1680円 購入
- 発行
- 1994年6月 新潮文庫(5 トルコ・ギリシャ・地中海) 247頁 460円 購入
- 発行
- 1994年6月 新潮文庫(6 南ヨーロッパ・ロンドン) 243頁 460円 購入
- NDC
- 915(日本文学>日記 書簡 紀行)
- 目次
- 第十三章 使者として トルコ / 第十四章 客人志願 ギリシャ / 第十五章 絹と酒 地中海からの手紙 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
ついに冬のヨーロッパへ、完結編。自分はどこへ向おうとしているのかと激しく問うことで、この旅の句点を求め始める。果たしてロンドン中央郵便局から「ワレ成功セリ」の電報は打てるのか。絶対旅に出たくなる名文。
『象が空を 1982〜1992』

- 発行
- 1993年10月 文藝春秋 507頁 絶版 購入
- 発行
- 2000年1月 文春文庫(第一部と第三部を収録、『夕陽が眼にしみる 象が空をI』として) 316頁 500円 購入
- 発行
- 2000年2月 文春文庫(第二部と第五部を収録、『不思議の果実 象が空をII』として) 317頁 500円 購入
- 発行
- 2000年3月 文春文庫(第四部と第六部を収録、『勉強はそれからだ 象が空をIII』として) 278頁 470円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第一部 夕陽が眼にしみる*歩く / 第二部 水路をつなぐ*会う / 第三部 苦い報酬*読む (ほか)
- 評価
- ★★★
ノンフィクションという仕事について、旅について、ぎっしりと詰まった分厚いエッセイ集。「異国への視線」と題された小田実・吉行淳之介論には著者の紀行文学へのスタンスが見えて面白い。文庫はなぜか奇妙な分冊。
『檀』

- 発行
- 1995年10月 新潮社 257頁 1680円 購入
- 発行
- 2000年8月 新潮文庫 284頁 500円 購入
- NDC
- 910(日本文学>日本文学)
- 目次
- 檀
- 評価
- ★★★
檀一雄未亡人になりきったまま書かれたノンフィクション小説。「檀」の破天荒な生き様を描出するわけだが、愛人宅に入り浸る「火宅の人」を許す、あるいは信じるとか、そういうことじゃないんだよな。それが人だと。
『天涯 第一 鳥は舞い光は流れ』

- 発行
- 1997年10月 スイッチ・パブリッシング 381頁 絶版 購入
- 発行
- 2001年1月 集英社文庫(前半を『天涯1』として) 253頁 780円 購入
- 発行
- 2001年1月 集英社文庫(後半を『天涯2』として) 285頁 880円 購入
- NDC
- 748(写真・印刷>写真集)
- 目次
- 鳥は舞い / 光は流れ / 水は囁き (ほか)
- 評価
- ★★★
特に気負いもなく撮りはじめた旅の写真。ちょっとしたキャプションにも旅への思想が詰まっている。ブラしたカットが多すぎる気もしないでないが、撮りたかったことはちゃんと伝わる。海外の路地裏とかがメインです。
『天涯 第二 花は揺れ闇は輝き』

- 発行
- 1999年12月 スイッチ・パブリッシング 383頁 3360円 購入
- 発行
- 2002年5月 集英社文庫(前半を『天涯3』として) 253頁 820円 購入
- 発行
- 2004年6月 集英社文庫(後半を『天涯4』として) 269頁 880円 購入
- NDC
- 748(写真・印刷>写真集)
- 目次
- 花は揺れ / 闇は輝き / 砂は誘い (ほか)
- 所要
- 0時間30分
- 評価
- ★★★
自身による写真+文章の第二弾。ポルトガル、モロッコ、マカオ等を歩き、生活に寄ったカットが収められている。やはり写真は安易にブラしてほしくないのだがどうなのか。旅に関する古今東西のテキストは雰囲気よし。
『血の味』

- 発行
- 2000年10月 新潮社 249頁 1680円 購入
- 発行
- 2003年3月 新潮文庫 300頁 500円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 血の味
- 評価
- ★★★
隠蔽して暮らしてきた記憶がふいに蘇る、中学校の頃に人を殺した記憶が。「もう跳べない」という少年のどんづまり感がよく伝わる。そりゃナイフも持つ。終局のアクロバティックな転向には著者の意図通りにヤラれた。
『天涯 第三 風は踊り星は燃え』

- 発行
- 2003年12月 スイッチパブリッシング 391頁 3360円 購入
- 発行
- 2006年10月 集英社文庫(前半を『天涯5』として) 237頁 1050円 購入
- 発行
- 2006年11月 集英社文庫(後半を『天涯6』として) 237頁 1050円 購入
- NDC
- 748(写真・印刷>写真集)
- 目次
- 風は踊り / 星は燃え / 雲は急ぎ (ほか)
- 所要
- 0時間40分
- 評価
- ★★★
フランス、中国、ベトナム、ブラジルなど旅の写真集。シリーズ完結。水面に映る光とか瞼に残る写真は少なくないが、添えられた文章はやや半端な印象か。文庫特別エッセイには猿岩石の話も入ってて当時の騒ぎが蘇る。