椎名誠の100字レビュー(2002〜03)

『ハリセンボンの逆襲』

表紙

発行
2002年1月 文藝春秋 244頁 絶版 購入
発行
2005年1月 文春文庫 255頁 490円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
うどんとうなどん / パンツを脱ぐように / 馬とサクラ (ほか)
評価
★★★

13冊目の新宿赤マントエッセイ。もう特記する事はなにもなく版元も苦労してると思われ、帯に「全身トゲ丸浮上作戦を甘くみてはいけない!」って書いてある。ハリセンボンなんて文中に出てこないのに。そんな日常事。

『風まかせ写真館』

表紙

発行
2002年3月 朝日新聞社 365頁 絶版 購入
発行
2005年8月 朝日文庫 350頁 861円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
まあるい空気 / ヨロコビの時間 / 最上川の筏下り (ほか)
所要
1時間40分
評価
★★★

モノクロの写真とエッセイという馴染みの形態ではあるが、遊ぶ子供や職人の目線など表情の捉え方が上手くてやはり引き込まれる。写真を撮るうえでのスタンスをまじめに語ってる巻末インタビューが新鮮でいいですね。

『太っ腹対談』

表紙

発行
2002年5月 講談社 220頁 絶版 購入
共著
共著:東海林さだお
NDC
596(家政学・生活科学>食品 料理)
目次
第1回 ヒトゲノムって何 / 第2回 新五輪種目はこれだ / 第3回 早食いの奥義とは (ほか)
所要
2時間
評価
★★★

だらだら度がどんどん上がるような気がするな、この対談シリーズ。ゲストに目覚しいものもないので(失礼)、純粋にそのだらだらを楽しむしかない。そんな時に威力あるのはやっぱり食べ物の話。さぬきうどんにカレー。

『風のかなたのひみつ島』

表紙

発行
2002年7月 新潮社 237頁 絶版 購入
発行
2005年6月 新潮文庫 253頁 540円 購入
NDC
915(日本文学>日記 書簡 紀行)
目次
すまぬすまぬと贅沢島―答志島 / どわめきの猫島―網地島 / クジラ島の夏―粟島 (ほか)
評価
★★★

島旅。純朴な子供達、海に生きる男達、なんてレポートはともかく、夕焼けが美しい!ビールがうめえ!言うて生きていける椎名の生活をこそ、僕らはありがたがって読むのでありましょうな。ドワメキ崎でドワメキたい。

『ぶっかけめしの午後』

表紙

発行
2002年10月 文藝春秋 249頁 絶版 購入
発行
2005年12月 文春文庫 263頁 490円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
テーゲー主義 / よそんちの庭 / 舞台裏 (ほか)
所要
3時間
評価
★★★

新宿赤マント第14弾。いつもどおり可もなく不可もないエッセイではある。モンゴルにタイに大東島と国内外を飛び歩くさまも相変わらずうらやましいかぎり。特にスコットランドで飲む本場スコッチはいいね、いいねぇ。

『ニューヨークからきた猫たち』

表紙

発行
2002年11月 朝日新聞社 233頁 1365円 購入
発行
2006年9月 朝日文庫 234頁 504円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
ふゆのかぜ / 桜の木の下で / ニューヨークからきた猫たち (ほか)
所要
2時間
評価
★★★

私小説系短編集として洗練された形。母の死を予感したり、新幹線で冒険王に捕まったりしても、ちょっとやそっとじゃ揺るがない静かな生活。家族への信頼がゆえ。泣きが入る寸前で話しは終わるので、余韻だけが鳴く。

『新これもおとこのじんせいだ!』

表紙

発行
2003年2月 本の雑誌社 236頁 1680円 購入
共著
共著:沢野ひとし木村晋介/中村征夫/かなざわいっせい/太田篤哉/目黒考二
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
「好きな場所」について / 「恐怖」または「恐怖症」について / 「得意な料理」について (ほか)
所要
3時間
評価
★★★

おとこ達がテーマごとに語らうリレーエッセイ。「叶わなかった夢」なんて哀愁系テーマが寄る年波を感じさせて。起承転結のはっきりした文章見本のような目黒考二に、勢いで押すかなざわいっせいとか個性派テクスト。

『モヤシ』

表紙

発行
2003年4月 講談社 206頁 絶版 購入
発行
2006年4月 講談社文庫 220頁 460円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
モヤシ / モズク
所要
2時間
評価
★★★

私小説、いや「私モヤシ小説」とのことだがエッセイだろうなこれは。プリン体を控えて居酒屋でしょんぼりしつつ、モヤシに光を見出す。でもモヤシ(カイワレ)を連れて旅をする男ってのはちょっといいね。親ごころが。

『かえっていく場所』

表紙

発行
2003年4月 集英社 256頁 1470円 購入
発行
2006年4月 集英社文庫 299頁 520円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
桜の木が枯れました。 / 高曇りの下のユーウツ / 窓のむこうの洗濯物 (ほか)
所要
3時間30分
評価
★★★

娘に息子はアメリカ暮らし、一方母はチベット行脚、そして父・椎名誠は世界中を駆け巡る。流動する家族とその絆を描く私小説。お得意の紀行エッセイがベースだったりするのだが、微妙に涙腺つつくあたりが小説風味?

『いっぽん海ヘビトンボ漂読記』

表紙

発行
2003年4月 本の雑誌社 235頁 1680円 購入
NDC
019(図書館・図書館学>読書 読書法)
目次
そこで気になる世の不思議珍妙 / どんな夜でも酒と本
所要
3時間20分
評価
★★★

オマケ的な「締切直前緊急対談」が一番おもろいっていかがなものかと思うが、旅と食い物の話のほかにも怪しげな本の紹介が豊富でそそる。ちなみに「いっぽん・海ヘビ・トンボ」ではなく「いっぽん海・ヘビトンボ」。

『活字の海に寝ころんで』

表紙

発行
2003年7月 岩波新書 230頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
チベットとアマゾンの日常食 / 大ねずみとナツメヤシ / ヘビ食い (ほか)
所要
2時間40分
評価
★★★

岩波三冊目の食と旅エッセイ。漂流者の食べ物研究は壮絶の一言で、これ読んでおけばいざというとき生存率上がるかも。電子レンジの使い方を今頃覚えてたりいかがなものか状態だが、追求系の話が多くてへぇとは思う。

『地球の裏のマヨネーズ』

表紙

発行
2003年8月 文藝春秋 243頁 1300円 購入
発行
2006年8月 文春文庫 255頁 470円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
馬の背負い投げ / 雪が降る。本しかない。 / 少年の夢はバタバタだった (ほか)
所要
2時間10分
評価
★★★

15冊目の赤マント。タイトルになってるチリの「マヨネーズのCMソングが流行ってる」エピソードはちょっと面白い。旅の臨場感ってこういうものかも。しかしチベットに奥アマゾン、いつでも旅だらけだね。落ち着けと。

『秘密のミャンマー』

表紙

発行
2003年9月 小学館 227頁 1470円 購入
発行
2006年9月 小学館文庫 320頁 670円 購入
共著
写真:山本皓一
NDC
915(日本文学>日記 書簡 紀行)
目次
いざ、ミステリアスの国へ / 目玉がくらくら / ごろ寝の仏さま (ほか)
所要
2時間40分
評価
★★★

ミャンマー各地をガイドに連れられてパゴダに市場に屋台メシ、観光客的な感想を一歩たりとも出ない潔さでどうだ!と言われましても。軍事政権の闇にはもちろん触れずに、「仏教国」なんだなという感慨で民衆に賛辞。

『くじら雲追跡編 にっぽん・海風魚旅2

表紙

発行
2003年10月 講談社 309頁 1890円 購入
発行
2007年2月 講談社文庫 346頁 840円 購入
NDC
915(日本文学>日記 書簡 紀行)
目次
宮古島のニシキヘビ / 南紀逆上鰹鮪鯨かじかじ日記 / ニッポン式南海の楽園 (ほか)
所要
4時間40分
評価
★★★

海辺ずりずり紀行第二弾。宮古島に南紀に三陸と、とれたての海の幸に三角ベースと困ったときの工場見学。このシリーズの椎名は遊んで笑ってるだけ、いいなぁ。男鹿半島のしょんぼり寂れ方も逆に行きたい気をソソる。

『風のまつり』

表紙

発行
2003年11月 講談社 276頁 絶版 購入
発行
2007年6月 講談社文庫 346頁 620円 購入
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
不思議ホテル / ハマボウフウ / さよならチビガメ (ほか)
所要
3時間10分
評価
★★★★

撮影のため島へやってきた写真家が、町長選挙と利権に絡む事件に巻き込まれてゆく長編。島の閉鎖性・排他性がどんよりとリアル。その分、気になる女と島の祭りの涼やかさの抜けがよい。文字どおりに嵐の後の青空で。

『笑う風 ねむい雲』

表紙

発行
2003年12月 晶文社 220頁 2730円 購入
NDC
915(日本文学>日記 書簡 紀行)
目次
旅の窓から見ていたあわいの空やころがっていく風のことなど…。 / アマゾンの老漁師の家にはベンジャミンという名のワニが棲みついていた。 / チベットの怖い目をした仏さまにまた会いに行きました。 (ほか)
所要
1時間20分
評価
★★★★

『風の道 雲の旅』の系譜の写真文集。チベット、モンゴル、沖縄、スコットランド、あちこちの旅での小エピソードが並んでてそう深くは掘り下がらないのだが、珍しく真面目な紀行文ですんなりと土地の匂いを嗅げる。