『感情教育』

- 発行
- 2000年1月 朝日出版社 115頁 1050円 購入
- 共著
- 写真:稲越功一
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 退屈って病気なの? / 頼りになる友達いるんですか / 二度とあんたとは踊らない (ほか)
- 評価
- ★★★
女子中学生に中年男が教えを説く。退屈な社会で生き残るための術、淡くて脆い恋心の対処法。思春期と言ってしまえばそれまでの不安定な年頃、現代的な問題を取り上げながらも結局は全時代共通。学外の危い教師ぶり。
『ひなびたごちそう 島田雅彦の料理』

- 発行
- 2000年11月 朝日新聞社 123頁 絶版 購入
- NDC
- 596(家政学・生活科学>食品 料理)
- 目次
- 初級編 / 中級編 / 上級編 (ほか)
- 評価
- ★★★
料理することの喜びを高らかにうたう男のレシピ集。フランスパンにサバを挟んだサバサンドの悪食博士ぶりから、数種の塩を使い分ける涼やかさもあり。食べたいものを食べる生活が「体の欲求に忠実」であることの証。
『彗星の住人』

- 発行
- 2000年11月 新潮社 381頁 2100円 購入
- 発行
- 2006年12月 新潮文庫 505頁 700円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 彗星の住人
- 評価
- ★★★★★
4代100年に渡って繰り広げられる恋物語。駐留米兵の子を身ごもった蝶々夫人、マッカーサーの愛人を寝取った蔵人、恋が歴史を作る。絡まった糸を丸ごと描写する、珍しくも本気の著者。時間の越えかたも素晴らしくて。
『フランシスコ・X』

- 発行
- 2002年4月 講談社 238頁 絶版 購入
- 発行
- 2007年3月 講談社文庫 309頁 600円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- フランシスコ・X
- 評価
- ★★★
フランシスコ・ザビエルの伝記か。歴史に忠実に(かどうか知らないが)皮肉もなく淡々と綴る。もしや島田風には「あなたが命を賭して駆けた日本という国は、こんなにチャチな21世紀を迎えていますよ」と言いたいのか?
『自由人の祈り 島田雅彦詩集』

- 発行
- 2002年6月 思潮社 157頁 1575円 購入
- NDC
- 911(日本文学>詩歌)
- 目次
- またあした / 吉良上野介の遺言 / 自由人の祈り (ほか)
- 所要
- 1時間30分
- 評価
- ★★★
「詩のボクシング」チャンピオンによる初の詩集。発表年に幅があるのかトーンがどんどん変わる。小説の部品を使わずともどれも島田的な毒に覆われていて分かりやすい。半分はエッセイだけど散文詩と読んでおこうか。
『楽しいナショナリズム』

- 発行
- 2003年4月 毎日新聞社 231頁 1470円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- ナショナリスト宣言 / 現在をどう生きるか / 教育とナショナリズム (ほか)
- 評価
- ★★★★
米の武力による世界支配と、親米という無政策に否というための新しいナショナリズムを。一貫した強い主張も「過激」に映らないくらいには世論の準備もできてきてる感じだね。日本人の誇りを考え直しましょうかねぇ。
『美しい魂』

- 発行
- 2003年9月 新潮社 349頁 1890円 購入
- 発行
- 2007年1月 新潮文庫 462頁 660円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 美しい魂
- 評価
- ★★★★
『彗星の住人』に続く「無限カノン」第二部。皆でびびるほどヤバくはない。恋敵が皇太子でロイヤル臭溢れるというだけの話。それでも裏声で想いを語るカヲルの生き急ぎ方で、恋愛小説として稀に見る力強さを備える。
『エトロフの恋』

- 発行
- 2003年9月 新潮社 205頁 1575円 購入
- 発行
- 2007年2月 新潮文庫 242頁 420円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- エトロフの恋
- 評価
- ★★★
無限カノン三部作完結編。日本でない日本、天皇の影響外にある択捉でカヲルは不二子の影を雪に埋める生活を送る。恋を異界から蘇らせようとするようなカヲルの修練、老成して「島田雅彦」になっちゃったような言動。
『無敵の一般教養』

- 発行
- 2003年11月 メタローグ 249頁 絶版 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 惑星物理学―すべては衝突から始まる / 考古学―地域から日本がみえる / 数学―数学を語るものは証明を語る (ほか)
- 所要
- 4時間
- 評価
- ★★★
大学でもっと講義聞いておくべきだったなと思わされる、いろんな分野の教授陣とのパンキョー対談。関心ない層にも興味深い事象に話題を絞っているのでとっつきやすい。逆に言えば浅いが、このへぇって感覚だけでも。
『食いものの恨み』

- 発行
- 2003年12月 講談社 253頁 絶版 購入
- 発行
- 2007年10月 講談社文庫 263頁 620円 購入
- NDC
- 596(家政学・生活科学>食品 料理)
- 目次
- 痛快グルメ日誌 食いものの恨み / 舌楽園食単 / 南方の舌 (ほか)
- 所要
- 3時間40分
- 評価
- ★★★
上海蟹に唸ったりもするがカップラーメンを試したり泡盛を語ったり、味わうよりは楽しむ食のエッセイ。散弾入りの猪肉なんてのも泣けますな。B級好きも満足のラインナップだ。普通じゃないオリジナルレシピも収録。
『溺れる市民』

- 発行
- 2004年10月 河出書房新社 193頁 1470円 購入
- 発行
- 2006年12月 河出文庫 208頁 567円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 苛酷な感覚 / 美脚に捧ぐ / 夢のレコード (ほか)
- 所要
- 2時間20分
- 評価
- ★★★
欲望と誘惑が結託したこの街での日常的な転落を描く連作。人肌の水の中、このまま溺れてよいものかと背中を冷たくする必要ももうない。初級編から上級編まで後半になるごとに難度が上がるが僕らは易々と飛び越える。
『快楽急行』

- 発行
- 2005年6月 朝日新聞社 225頁 1575円 購入
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 毒か薬か / 禁煙の快楽 / 歯応えの愉しみ (ほか)
- 所要
- 2時間30分
- 評価
- ★★★
煩悩の数だけ並べられた、生きる喜び論考。「健康よりも快楽が大事」なのは同意だが、挙げられる快楽は語学だったり光通信だったり「オペラ練習してます」だったりで、日常エッセイじゃん。いや日常こそコレ快楽か。
『退廃姉妹』

- 発行
- 2005年8月 文藝春秋 294頁 1450円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 退廃姉妹
- 所要
- 3時間30分
- 評価
- ★★★★
舞台は戦後、米兵たちの体と心を占領する女たちの逞しい生き方。慰安所と闇市と生命力と。現代へ連なる退廃の歴史を描きながら、大ドラマ的な恋の物語でもある。無限カノンの裏側のような、女が歌う希望のロマンだ。
『一度死んでみますか? 漫談・メメントモリ』

- 発行
- 2006年1月 PHP新書 230頁 756円 購入
- 共著
- 共著:しりあがり寿
- NDC
- 914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
- 目次
- 第1章 生と死のちょっと真面目なアンサンブル / 第2章 愛と子育てとプチ・ファンタジーな日々 / 第3章 この際、自分たちの生き方を考えてみると
- 所要
- 2時間30分
- 評価
- ★★★
死を見つめることで生を考えるというテーマがあるのかどうなのか、完全に雑談だ。いろんな媒体で出たものを集めたからか。でもこの二人のネガティブな楽観とも言うべき会話がだらだら続くのは悪いものじゃないかな。