『昭和御前試合』

- 発行
- 1981年5月 ソニー・マガジンズ 243頁 絶版 購入
- 発行
- 1989年5月 光文社文庫 284頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 昭和御前試合 / 怪盗光小僧 / 逆らうな (ほか)
- 評価
- ★★★
作家として初の単行本になるSF小説集。どれも光るアイデアがパロディの面白味にコーティングされている。時代小説を遊んだ物など著者の原点を見ることができる。「快楽インフェルノ」も真面目に馬鹿馬鹿しくていい。
『グローイング・ダウン』

- 発行
- 1986年5月 光風社出版 273頁 絶版 購入
- 発行
- 1989年5月 講談社文庫 261頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- グローイング・ダウン / 黄昏の悪夢 / もれパス係長 (ほか)
- 評価
- ★★★
人の一生は墓場から始まり、母親の胎内にもぐりこむことで終わる。逆転した時間の中で人がどんどん若返る表題作などの短編集。シンプルな文体にはまだ彼の味は薄い。その分筒井康隆の影響が見えるという人もいるか。
『蕎麦ときしめん』

- 発行
- 1986年11月 講談社 221頁 絶版 購入
- 発行
- 1989年10月 講談社文庫 227頁 470円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 蕎麦ときしめん / 商道をゆく / 序文 (ほか)
- 評価
- ★★★★
パスティーシュという言葉も曖昧な初期の短編集。東京人による名古屋論を紹介する体裁の表題作、街道をゆくそのままに「商道をゆく」など、パロディ、模倣という手法そのものを楽しむ「これまでなかった!」衝撃作。
『国語入試問題必勝法』

- 発行
- 1987年10月 講談社 219頁 絶版 購入
- 発行
- 1990年10月 講談社文庫 250頁 470円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 猿蟹合戦とは何か / 国語入試問題必勝法 / 時代食堂の特別料理 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
例えば表題作には風刺が入っている。受験教育の愚。しかしこの場合ただ笑って読むのが正しい。アイデアの宝庫たる迷いのない短編集。ところで「猿蟹合戦とは何か」は文庫で解説してる丸谷才一のパロディなんですか?
『永遠のジャック&ベティ』

- 発行
- 1988年10月 講談社 244頁 絶版 購入
- 発行
- 1991年9月 講談社文庫 231頁 490円 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 永遠のジャック&ベティ / ワープロ爺さん / 冴子 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
英語教科書のジャックとベティが再会。あなたはジャックですか。はい。私はジャックです。重々しい「冴子」から馬鹿馬鹿しい「インパクトの瞬間」までバラエティ豊かな短編。どれも彼の味だがここでは軽妙さが絶妙。
『深夜の弁明』

- 発行
- 1988年12月 実業之日本社 275頁 絶版 購入
- 発行
- 1992年1月 講談社文庫 318頁 絶版 購入
- 発行
- 1999年9月 徳間文庫(1編を削除) 309頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 喋るな / 乱心ディスプレイ / 茶の間の声 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
パスティーシュの清水ここにあり! 新しい手法を模索し「こんなのはどうだ」と次々と提示していた頃の傑作短編集。スポーツ中継の解説者、新聞の投書欄などあらゆるものを料理してやるぞってなパワーに満ちている。
『学問ノススメ 挫折編』

- 発行
- 1989年4月 光文社カッパ・ノベルス 269頁 絶版 購入
- 発行
- 1992年7月 光文社文庫 274頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第一章 重い春 / 第二章 予備校生 / 第三章 偏差値 (ほか)
- 評価
- ★★★★
浪人生を描く青春小説。魅力的な周辺人物との友情、喜び哀しみ。予備校への入学から勝負の夏!恋の夏!まで。当然続編が出ることになる。偏差値って言葉にすでにノスタルジーを感じる年齢になってしまったのか僕も。
『金鯱の夢』

- 発行
- 1989年7月 集英社 293頁 品切 購入
- 発行
- 1992年7月 集英社文庫 311頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第一章 運命の子 / 第二章 大坂炎上 / 第三章 江戸夏の陣 (ほか)
- 評価
- ★★★★
秀吉の正嫡・秀正が関ヶ原を破り名古屋に幕府を開く。天下泰平の名古屋時代に花開く名古屋元禄文化。「if」の歴史小説で名古屋生まれの著者の面目躍如。ラストの仕掛けも抜かりなく、名古屋弁(標準語)も学べる良書。
『イエスタデイ』

- 発行
- 1989年7月 徳間書店 263頁 絶版 購入
- 発行
- 1992年6月 徳間文庫 248頁 絶版 購入
- 発行
- 1999年4月 講談社文庫 261頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- イエスタデイ / 続・イエスタデイ / タイムトンネルだよ、ピーナッツ! (ほか)
- 評価
- ★★★
自伝的要素を多く含んだ短編集。同人誌を作りながら、作家になる日を夢見ていた高校時代の表題作や、無邪気な小学生時代、当時の風俗を織り交ぜながら描かれている。郷愁を誘う、というフィクションではあるのだが。
『学問ノススメ 奮闘編』

- 発行
- 1989年8月 光文社カッパ・ノベルス 273頁 絶版 購入
- 発行
- 1992年11月 光文社文庫 277頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第一章 集中講義 / 第二章 入試改革 / 第三章 志望校 (ほか)
- 評価
- ★★★★
受験生物語続き。夏から勝負の冬まで。著者は教育大学を出ていることもあり問題の切り取り方が適切で、さらにはジュブナイルで鍛えた言葉のツヤがありすらすら読める。大道寺というおかま言葉のサブキャラが大活躍。
『「青春小説」』

- 発行
- 1989年9月 講談社 258頁 絶版 購入
- 発行
- 1992年6月 講談社文庫 234頁 絶版 購入
- 発行
- 2003年9月 中公文庫 237頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 三億の郷愁 / 灰色のノートからI / 灰色のノートからII
- 評価
- ★★★★
三億円事件が起こる直前にタイムスリップしてしまった男達が犯人から金を横取りする。だって手口は全部知ってるんだから。という「三億の郷愁」が冴える。ほか作家になりたいと上京した当時を描いた自伝的小説ニ編。
『アキレスと亀』

- 発行
- 1989年11月 廣済堂出版 257頁 絶版 購入
- 発行
- 1992年6月 角川文庫 279頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 決裂 / 偏向放送 / パーティ (ほか)
- 評価
- ★★★★
短編集。雑誌に載っている対談、実際はこんなに違うんですよ、な「超現実対談」が楽しい。スポーツ中継のアナウンサーが外国選手をこき下ろし日本ガンバレ!と言う「偏向放送」もいい。これはまぁ現実もそうですが。
『学問ノススメ 自立編』

- 発行
- 1990年3月 光文社カッパ・ノベルス 277頁 絶版 購入
- 発行
- 1993年1月 光文社文庫 284頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 第一章 二浪 / 第二章 足切り / 第三章 青春 (ほか)
- 評価
- ★★★★
受験生物語、ニ浪目に突入しての完結編。塩田丸男氏の「受験地獄のどこが悪い」という「暴論」に対して、著者清水が反論してしまう物語の逸脱が奇妙な味わい。鬱状態の中で届けられる大道寺からの手紙を読んで泣け。
『動物ワンダーランド―ヒト特集』

- 発行
- 1990年3月 実業之日本社 217頁 絶版 購入
- 発行
- 1993年6月 文春文庫 253頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 動物ワンダーランド−ヒト特集 / 表と裏 / アネモネ化粧品・春のキャンペーン (ほか)
- 評価
- ★★★★
「急転直下のオチ」の多い短編集。この時期さらに芸風を広げた感のある傑作群。「鉄板社文庫・解説目録」なんてめちゃくちゃなのだが彼を信奉する人間はこれを短編小説として読んでしまうのだ。恐ろしいものである。
『ビビンパ』

- 発行
- 1990年4月 講談社 211頁 絶版 購入
- 発行
- 1993年6月 講談社文庫 213頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- ビビンパ / 御両家 / 謹賀新年 (ほか)
- 評価
- ★★★
パソコン通信時代にチャットを小説にしてしまった『瞼のチャット』は実際あってもおかしくないから感動的。表題作はビビンパを食べる家族風景を正確に模写しただけのものでパスティーシュの字義拡大の一つの契機だ。
『秘湯中の秘湯』

- 発行
- 1990年4月 大陸書房 269頁 絶版 購入
- 発行
- 1993年4月 新潮文庫 268頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 秘湯中の秘湯 / 非常識テスト / 痩せる方法 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
とにかくアイデア豊富な笑うしかない短編集。「取扱説明書」が大好き。架空のメカの取扱説明書で、パスティーシュの笑いという模範。表題作も架空の秘湯を紹介するガイドの形態をとっていて、著者の魅力全開の傑作。
『虚構市立不条理中学校』

- 発行
- 1990年5月 徳間書店 282頁 絶版 購入
- 発行
- 1994年10月 徳間文庫(続編と合本『虚構市立不条理中学校(全)』として) 510頁 絶版 購入
- 発行
- 1998年12月 講談社文庫(続編と合本『虚構市立不条理中学校』として) 565頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 序章 / 第一章 国語科 / 第二章 数学科 (ほか)
- 評価
- ★★★★★
教育の問題に取り組んだ長編。PTAから戻らない妻と息子を心配し主人公は中学校へ向かうが、そこは異常な教師達の国。各教科への「素朴な疑問」から彼もまた危険に巻き込まれて行く。という1冊全て序論。続編へ続く。
『ことばの国』

- 発行
- 1990年9月 集英社 254頁 絶版 購入
- 発行
- 1993年9月 集英社文庫 281頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 徹底討論 / 廃語辞典 / 手垢のついた言いまわし (ほか)
- 評価
- ★★★
討論、廃語、手紙、ことわざなど言葉の面白さに照準を当てた短編集。言葉が好きだからいろんな部分を突ついてみたりする。「ファクシミリ大作戦」のマヌケなやり取り。あとがきが追加で笑わせてくれるのもお買い得。
『河馬の夢』

- 発行
- 1990年12月 祥伝社 250頁 絶版 購入
- 発行
- 1993年1月 祥伝社ノン・ポシェット 265頁 540円 購入
- 発行
- 1994年10月 新潮文庫 241頁 絶版 購入
- NDC
- 913(日本文学>小説 物語)
- 目次
- 世界の国からこんにちは / こだま電話相談室 / 帰国子女京都観光ガイド (ほか)
- 評価
- ★★★
なんというか、平均的なのである。「大胆不敵東京案内」での東京知識が他県の者にとって平均的なものであるゆえに、じわりと「効く」のだが、やはり全体に平均的なのだ。読んで楽しい短編集には違いないのだがねぇ。