谷川俊太郎の100字レビュー(1993〜)

谷川俊太郎書評ページ

『十八歳』

表紙

発行
1993年4月 東京書籍 160頁 絶版 購入
発行
1997年3月 集英社文庫 156頁 400円 購入
共著
絵:沢野ひとし
NDC
911(日本文学>詩歌)
目次
日々 / 雲 / ある世界 (ほか)
評価
★★★

デビュー前、発表のあてもなく止まれぬ衝動から書き続けられた青い詩集。『二十億光年の孤独』の時期で当然同じような宇宙観がある。まだ甘さはあるけれど、それもよし。沢野のイラストレーションが淡い郷愁を誘う。

『世間知ラズ』

表紙

発行
1993年5月 思潮社 95頁 1631円 購入
NDC
911(日本文学>詩歌)
目次
父の死 / 世間知ラズ / マサカリ (ほか)
評価
★★★★

「私はただかっこいい言葉の蝶々を追っかけただけの/世間知らずの子ども」。詩を書いてここまで生きてきた自身への諦観と、その孤独が見え隠れする。言葉が全て掌にあるということの溜息、だ。自分を知っていても。

『モーツァルトを聴く人』

表紙

発行
1995年1月 小学館 61頁 1223円 購入
NDC
911(日本文学>詩歌)
目次
そよかぜ 墓場 ダルシマー / つまりきみは / どけよ猫 (ほか)
評価
★★★

「モーツァルトを聴きながら年をとった/ぼくには人の苦しみに共感する能力が欠けていた/一所懸命生きて自分勝手に幸せだった」。全体を音楽と死のイメージが浮遊する詩集。自作朗読のCDが付いたバージョンもある。

『真っ白でいるよりも』

表紙

発行
1995年5月 集英社 125頁 1785円 購入
NDC
911(日本文学>詩歌)
目次
足し算と引き算 / 海の比喩 / 真っ白でいるよりも (ほか)
評価
★★★

これが60代で書く詩か。技巧はとうの昔に完成してしまった。自分も探し終わった。もはや何の欲望もない。(そんなことはありえないが)そんな地点に立ちながらまだ終わらない詩世界で。生涯詩人であり続けるのだろう。

『やさしさは愛じゃない』

表紙

発行
1996年7月 幻冬舎 104頁 品切 購入
共著
写真:荒木経惟
NDC
911(日本文学>詩歌)
目次
やさしさは愛じゃない
評価
★★★★

写真詩集。アラーキー的裸体と異物の描出に、肌の内側で鳴る詩がぶつかるコラボレーション。官能には流さないという詩人の意気が時を止める。やさしさのぬるま湯の中で、女は愛を問い、男は「裸であること」を思う。

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