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デビュー前、発表のあてもなく止まれぬ衝動から書き続けられた青い詩集。『二十億光年の孤独』の時期で当然同じような宇宙観がある。まだ甘さはあるけれど、それもよし。沢野のイラストレーションが淡い郷愁を誘う。
「私はただかっこいい言葉の蝶々を追っかけただけの/世間知らずの子ども」。詩を書いてここまで生きてきた自身への諦観と、その孤独が見え隠れする。言葉が全て掌にあるということの溜息、だ。自分を知っていても。
「モーツァルトを聴きながら年をとった/ぼくには人の苦しみに共感する能力が欠けていた/一所懸命生きて自分勝手に幸せだった」。全体を音楽と死のイメージが浮遊する詩集。自作朗読のCDが付いたバージョンもある。
これが60代で書く詩か。技巧はとうの昔に完成してしまった。自分も探し終わった。もはや何の欲望もない。(そんなことはありえないが)そんな地点に立ちながらまだ終わらない詩世界で。生涯詩人であり続けるのだろう。
写真詩集。アラーキー的裸体と異物の描出に、肌の内側で鳴る詩がぶつかるコラボレーション。官能には流さないという詩人の意気が時を止める。やさしさのぬるま湯の中で、女は愛を問い、男は「裸であること」を思う。