横尾忠則の100字レビュー(すべて)

横尾忠則書評ページ

『未完への脱走』

表紙

発行
1970年11月 講談社 347頁 絶版 購入
発行
1978年1月 講談社文庫 256頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
原点から幻点へ / 未完成交遊録 / 休業日記
評価
★★

初期のエッセイ集。「死亡告知」前後の自伝的内容。グラフィックデザインで美術界を蹴散らして進む、自信と確信が気持いい。模写から始まったイミテーションという力と功績。サイケ、ハレンチ、アングラな「時代」。

『なぜぼくはここにいるのか』

表紙

発行
1976年7月 講談社 272頁 絶版 購入
発行
1980年11月 講談社文庫 252頁 絶版 購入
発行
2000年1月 講談社文庫(新装版) 252頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
仕事 / 批評 / 故郷 (ほか)
所要
3時間20分
評価
★★★

インドと精神世界がなだれ込んできた頃のエッセイ。芸術へ繋がるインスピレーションの一側面として大事に育てようとしている風だ。文中に挟まるラフスケッチや初体験の座禅風景を見ても、変わりつつある道の絵だし。

『インドへ』

表紙

発行
1977年6月 文藝春秋 196頁 絶版 購入
発行
1983年1月 文春文庫 203頁 580円 購入
NDC
292(地理・地誌・紀行>アジア)
目次
ナギン湖 / 静止した時間 / クリシュナ神のブロマイド (ほか)
評価
★★★★★

ヒッピー、サイケデリック、そしてビートルズの影響でやってきたインド。生死がそのまま転がされていて魂を直接引き出されるような旅。当然神秘主義的なことが語られるのだが、インドへ行きたくもなるし怖くもなる。

『方舟から一羽の鳩が』

表紙

発行
1977年11月 講談社 254頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
楽園十選 / 宇宙の果てから / 反芸術入門 (ほか)
評価
★★★

インナートリップのエッセイ集。霊感とともにある画家が、超越的な力、内在する神に意識的になるのはごく自然なことだと思うな。その宗教的な匂いが嫌いな人はビートルズやピンク・フロイドなどロック論で楽しんで。

『我が坐禅修行記』

表紙

発行
1978年5月 講談社 212頁 絶版 購入
発行
1985年11月 講談社文庫(『わが坐禅修行記』と改題) 208頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
参禅の旅 / 日常・自然としての坐禅
評価
★★★

禅寺をめぐり坐禅体験をした一年間の記録。悟ろうという煩悩もなくただ自然に身を任せることは今生では可能なのか? 老師との対談などもあるのだが(一見)著者のほうが深いことを言ってたりする。ニューエイジ風に。

『彼岸に往ける者よ』

表紙

発行
1978年10月 文藝春秋 273頁 絶版 購入
発行
1986年3月 文春文庫(『地球の果てまでつれてって』と改題) 250頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
サルバドール・ダリを見た日の事 / ”釈迦の霊泉”で禿治療の事 / 霊体となってドアを通り抜けた事 (ほか)
評価
★★★

エッセイ集。ダリに会った話などまとまった長文と、瑣末な日記からなる。輪廻やカルマ、UFOなど著者の関心事はずっと霊的なことにあることが分かる。世界を旅するのと同じ方法で自己を見つめている。それが日常事。

『宇宙瞑想』

表紙

発行
1980年3月 平河出版社 285頁 絶版 購入
発行
1998年4月 光文社知恵の森文庫(『今、生きる秘訣 横尾忠則対話集』と改題) 276頁 500円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
二十一世紀の芸術・岡本太郎 / 目に見えない世界・今西錦司 / 病いは心のアンバランス・木村裕昭 (ほか)
評価
★★★

人類学者に陶芸家、仏教医学者、果ては岡本太郎に手塚治虫まで奇抜なセレクションの対談集。メディテーションを糧に生きる人々から聞き手である著者がうまく一冊の本として統一感ある話題を引き出した物だと言える。

『美藝公』

表紙

発行
1981年2月 文藝春秋 88頁 絶版 購入
発行
1985年5月 文春文庫 197頁 絶版 購入
発行
1995年11月 ミリオン出版/大洋図書 154頁 絶版 購入
共著
共著:筒井康隆
NDC
913(日本文学>小説 物語)
目次
美藝公
所要
2時間
評価
★★★★

終盤の現代文化批判のためだけに前半の映画立国ユートピアは用意されてる。「最低共通文化」も筒井風の洒落でありながら本気の哀号だしね。81年発行の予言書。架空の映画ポスターを描くのは横尾がまさに適任だろう。

『導かれて、旅』

表紙

発行
1992年4月 JTBパブリッシング 229頁 絶版 購入
発行
1995年7月 文春文庫(1編を追加) 286頁 絶版 購入
NDC
291(地理・地誌・紀行>日本)
目次
異界への懸け橋 / 炎と化した那智の竜神 / 大江山 酒呑童子奇談 (ほか)
評価
★★★★

出羽三山や那智など国内のパワースポット的な場所を訪ね、大いなる自然の神秘に霊性を見る。ちょうど滝に凝っていた時期だけにその感応力はすごい。「もしかしたら弥勒菩薩はUFOかもしれない」。言わばその種の旅。

『見えるものと観えないもの 横尾忠則対話録

表紙

発行
1992年6月 筑摩書房 277頁 絶版 購入
発行
1997年1月 ちくま文庫 315頁 861円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
生と死と芸術と−淀川長治 / 想いはエネルギーです−吉本ばなな / 宇宙の愛−中沢新一 (ほか)
評価
★★★

芸術と狂気の対談集。異世界な対話をするのは淀川長治に荒俣宏、島田雅彦など多彩な顔ぶれだ。芸術家ってのは霊性を日常と同レベルで語れるんだな。個人的には草間彌生との全く噛み合わない対話が人間らしくて好き。

『芸術は恋愛だ』

表紙

発行
1992年12月 PHP研究所 185頁 絶版 購入
発行
1998年7月 光文社知恵の森文庫(『ぼくは閃きを味方に生きてきた』と改題) 237頁 460円 購入
NDC
704(芸術・美術>論文集 全集 選集)
目次
六〇年代 / 偶然という必然 / 宇宙と内的衝動 (ほか)
評価
★★★★

ここまで来れば完全にオカルト本だ。これまでも精神世界については多くを語ってきた著者だがある種未整理だった。それがこのエッセイ集では真理を伝道する境地まで達している。そうだそうだ、直観を信じて生きよう。

『天と地は相似形』

表紙

発行
1994年2月 日本放送出版協会 196頁 絶版 購入
発行
1997年9月 文春文庫(『私と直観と宇宙人』と改題) 219頁 絶版 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
第一話−ワシ(滝の夢を想う) / 第二話−彼(自己を想う) / 第三話−わたし(宇宙人を想う)
評価
★★★★

章ごとに階段を登るように言葉が純化してゆく天上的な書き下ろしエッセイ。特異な位置にある芸術家の創作の源泉がここにある。後書に収録されている天使(宇宙人)との対話は自己の客体化、天との同一化の最たるもの。

『二人でヨの字 淀川長治・横尾忠則連続対話

表紙

発行
1994年4月 講談社 301頁 絶版 購入
発行
1999年5月 ちくま文庫(『淀川さんと横尾さん』と改題) 335頁 品切 購入
共著
共著:淀川長治
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
一番会いたかったひと / やっぱり似たもの同士 / 天狗と小僧のぐしゃぐしゃ対談
評価
★★★

映画、絵画の話を中心にじっくり。横尾が繰り出す霊的な話題に、深い理解と完璧な拒絶を選り分ける淀川の言動は謎。共に口調がちゃんと再現されているので声が聞こえるのだが、対話が噛み合っているのかどうかは謎。

『横尾忠則自伝 「私」という物語一九六〇―一九八四

表紙

発行
1995年11月 文藝春秋 480頁 絶版 購入
発行
1998年11月 文春文庫(『波乱へ!!』と改題) 506頁 絶版 購入
NDC
726(絵画・書道>漫画 挿絵 童画)
目次
上京、日本デザインセンター入社 / 胎動の日々 / 表現の可能性を求めて (ほか)
評価
★★★

60年代から80年代へと至る色彩が匂い立つような自伝。寺山修司、三島由紀夫、ジョン・レノンら「時代」と交わりながらグラフィックデザイナーとして確固たる地位を築いてゆく過程。もちろん神秘体験の話もたっぷり。

『名画感応術 神の贈り物を歓ぶ

表紙

発行
1997年6月 光文社知恵の森文庫 247頁 880円 購入
NDC
720(絵画・書道>絵画)
目次
ゴッホの模写 / ヴァトーの魔術的表現力 / レンブラントの天才的描写 (ほか)
評価
★★★

絵は知識や思想で分析するものではない。ただ感じるだけでいいのだ。天上の美を地上に現出する芸術家達を楽しむための鑑賞手引書。ゴッホ、モネ、モディリアーニ、ピカソ、ロートレック、レンブラントなどいろいろ。

『東京見おさめレクイエム』

表紙

発行
1997年10月 朝日新聞社 238頁 絶版 購入
発行
2000年6月 光文社知恵の森文庫 242頁 520円 購入
NDC
291(地理・地誌・紀行>日本)
目次
江戸川乱歩「青銅の魔人」の銀座 / ラフカディオ・ハーン「むじな」の紀伊国坂 / 宇野浩二「思ひ川」の本郷菊坂 (ほか)
評価
★★

江戸川乱歩や泉鏡花が描いた異界。亡霊となってふいに口を開ける、小説や映画の中の東京を鎮めて歩く旅。東京に住んでいる人には身近なエリアが新鮮に映る。テーマがすごく面白いだけに踏み込みの足りなさは残念だ。

『異路倫 (ケロリン)

表紙

発行
1998年12月 作品社 409頁 2520円 購入
NDC
914(日本文学>評論 エッセイ 随筆)
目次
芸術の領域、現実の領域 / 波動の洗礼 / (Y+T)×人 (ほか)
評価
★★★

芸術と人生全般がテーマ、ってったら何でもアリになるけども美術も含めて異世界への憧憬を著すような厚めのエッセイ。「死後の生き方」という思想が血肉となっている感がある。すげえ偏読な書評なんかも収録してる。

『コブナ少年 十代の物語

表紙

発行
2001年3月 文藝春秋 245頁 絶版 購入
発行
2004年2月 文春文庫(『コブナ少年 横尾忠則十代の自伝』と改題) 313頁 590円 購入
NDC
726(絵画・書道>漫画 挿絵 童画)
目次
遠い記憶 / 少年の日々 / 青銅の魔人 (ほか)
評価
★★★

兵庫の西脇に生まれ東京へ向かうまでの10代の自伝。画家への夢と未熟な性春が訥々と語られる。「年上の女性に迫られてうろたえる僕」という絵が何度も繰り返されて、この臆病さこそが文学的な読み方を許容している。

『名画裸婦感応術』

表紙

発行
2001年6月 光文社知恵の森文庫 242頁 880円 購入
NDC
720(絵画・書道>絵画)
目次
今でも新鮮な作品の秘密 / 激しく愛し合った二人の女 / 乳房の不思議な位置 (ほか)
評価
★★★

裸婦を取り上げ、キャンバスに塗りこめられた画家たちの情念を読み解く。リアリズムからポップアート、抽象画まであり、「これって裸婦?」と思うものもあるのだが。裸体を、あるいは性を、崇める僕たちのサガとは?

横尾忠則書評ページ