吉田修一『春、バーニーズで』の舞台

表紙

…みんなが国宝の「ねむり猫」を見に行ったとき、なぜかしらふらっとその群れから離れた。ただ、ふらっと群れを離れて、単独行動をとったわけではなく、陽明門を出たところにあったベンチに座り、みんなが出てくるのを一人で待っていた。(文春文庫)

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表紙

[栃木][日光]

吉田修一『春、バーニーズで』

高校の修学旅行で日光東照宮へ行ったときのことを思い出しているシーン。みんなで国宝を見ましょう〜ってときにつまんなくてはみ出る人はいつの時代だっているわけですが(「ねむり猫」自体もお行儀よく列になって見るようなシロモノでもないわけですが)、それが巡って30代になってから、影を落とすこともあるのかもしれません。

作中ではこの場所に置き忘れてきた腕時計が、後年まで引っかかりを作ることになります。

ねむり猫はともかく、陽明門の造形は執念みたいなものを感じさせるすばらしい出来だと思うのです。高校生に「これをありがたがれ」と言っても届かない面もあるでしょう。ヘンに修学旅行で一度行っちゃった場所は大人になってから訪れにくくなったりするわけですが、日光はそう言わず再訪してほしいところです。

日光を含む旅行記「日光と温泉」(2002年・冬)。もちろん日光東照宮へも寄ってます。

>> 吉田修一の100字レビュー

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この記事は2006年10月01日のものです。