昭和四十年に淀橋浄水場の操業が停止し、三年後に、ここ、京王プラザホテルが、最初の超高層ビルとして着工された。わたしはそれよりもはるか以前からこの場所に存在し、すべてを見ていた。
新宿にある京プラの地下深くに隠された図書館に、閉じ込められる主人公。その図書館の主である「バックベアード」の台詞です。
この西新宿にかつて浄水場が存在したという話が、この小説のテーマたる文学史にどう絡むの?と思ってると、その答えは鮮烈なイメージとともに解き明かされます。それはまぁ読んでみてということで。
京王プラザ地下には(おそらく)図書館はありませんが、その近くには新宿区立角筈図書館があります。西新宿の古い地名ですね、角筈(つのはず)。再開発で街が様変わりしても地名は残ります。
関連サイト:京王プラザホテル
掲載日:2007-08-19