九月のあたまにダブリンに降り立ち、自転車を用意し、一般道と国道でウィックロウを通過し、ニューロスを過ぎ、ときおり海沿いを走りながら、タイタニック号が最後に寄港したというコーブ港のあたりで、季節は本格的な冬を迎え、これはもう無理だと判断した。
アイルランド南部、コーク州にあるコーブ。かつて「クイーンズ・タウン」と呼ばれた大西洋への玄関であり、タイタニック号最後の寄港地ともなった港町です。
小説中では主人公の女の子が、自転車でアイルランド一周したい、と突然思い立って恋人?を日本において一人飛び出していきます。行動の突飛さということもあるし、小説中としての展開の意味合いみたいなところも含めて、なんだかポカンとしてしまうエピソードです。
掲載日:2009-01-18