ソーホー - 町田康『実録・外道の条件』

物語の舞台 - ソーホー(アメリカ ニューヨーク州)

小さな商店が歩道に面して建ち並んでいる一角で車を捨て、いよいよソーホーに降り立った私は、芸術の熱い息吹を感じようとして、鳩のように胸を反らし、鳩のように首を上下させ、鳩のように丸い目をして、ででぽっぽ、ソーホーの様子を窺った、鳩のように胸を反らしたお陰で、ソーホーの空気がふんだんに肺臓へ。

「紐育外道の小島」より。

wikipediaでは「21世紀の今日、世間に広まったイメージに反してソーホーには芸術家はほとんど住んでおらず、金持ち相手のギャラリーやブティック、高いレストラン、若い高給ビジネスマンの住まいが中心の地区となった。」とありました。

なんだ、芸術の町じゃなくなってしまっているのですね。紐育(ニューヨーク)の熱い息吹を感じようつって編集者にむりむり連れてこられたんだけど、あんまり感慨のない町田です。

掲載日:2012-08-01
ソーホーイメージ
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

ソーホーについて

ソーホー (SoHo) は、ニューヨーク市マンハッタン区ダウンタウンにある地域である。


[概要]

ソーホーという地名は芸術家の町として盛り上がった1970年代ごろに登場したもので、語源は、ハウストン通りの南South of Houston Street、ヒューストンとは発音しない)という意味であり、より早くから繁華街として有名だったロンドンのソーホーも意識している。

かつては芸術家やデザイナーが多く住む町として知られていたが、近年は高感度な高級ブティックやレストラン街となっている、多くの買い物客で賑わうエリアである。

ソーホーには世界で最も多く

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