小さな商店が歩道に面して建ち並んでいる一角で車を捨て、いよいよソーホーに降り立った私は、芸術の熱い息吹を感じようとして、鳩のように胸を反らし、鳩のように首を上下させ、鳩のように丸い目をして、ででぽっぽ、ソーホーの様子を窺った、鳩のように胸を反らしたお陰で、ソーホーの空気がふんだんに肺臓へ。
「紐育外道の小島」より。
wikipediaでは「21世紀の今日、世間に広まったイメージに反してソーホーには芸術家はほとんど住んでおらず、金持ち相手のギャラリーやブティック、高いレストラン、若い高給ビジネスマンの住まいが中心の地区となった。」とありました。
なんだ、芸術の町じゃなくなってしまっているのですね。紐育(ニューヨーク)の熱い息吹を感じようつって編集者にむりむり連れてこられたんだけど、あんまり感慨のない町田です。
掲載日:2012-08-01