
柳川
すっかり気軽な銭湯代わりに使っている二日市温泉へ。おっさんに「焼けてるねー」と言われた。そう言われれば腕と顔だけが他の部位より明らかに黒い。旅行中だと言うと「博多の屋台には行った?」とおやじ。「いや、屋台は行ってないですね」「だめだよ、屋台で酒のまなきゃ、博多のよさはわからんもん」。そうかもしれない。でも金がないんだよなぁ。コインランドリ−で洗濯し、柳川へ。
柳川はなんだか涼やかで好印象。柳に水路・・・。川下りこそしなかったものの、のんびりと歩いた。道に迷いながら。とりあえずウナギも食べた。
久留米へ向かおうと大牟田へ出ると、脱線事故とかで鹿児島本線上り下りとも大幅に遅れている。なんとか久留米へ着いて、街を見て回って、二日市へ行こうと(またかい)すると列車のダイヤの乱れは最高潮に達している。ホームで30分くらい待って、列車で1時間半もかかった。ほとんどの銭湯は閉まっていて、民宿の湯になんとか飛びこむ。そうそう、久留米はチェッカーズの出身地だが、チェッカーズの曲を大音量で流している家があった。家族か?
夜は鳥栖に行って、バス停ベンチで眠る。

湯布院
日田へ。疲れているのでだらだらと歩く。「古い町並み」ってのもありきたりだな。大原八幡宮、広瀬史料館、月隈公園と見て歩く。事務的だ。次の森は列車待ちで下車。ゲーセンで過ごす。で、湯布院へ。
湯布院。温泉名としては湯布院で、駅名としては由布院だ。どっちでもいいけど。湯布院は若い女の子の比率が高い。温泉と美術の町だからか。自然に恵まれたいいところ。美術館を二つ見た。由布院美術館と、空想の森美術館、どちらも楽しめた。由布院美術館では来場者に葉書大の紙に自由に絵を描かせるスペースがあって、いいものは壁に張り出されている。当然僕も描く。色鉛筆で、湯布院の山並みに映える裸婦像を描く。野外ヌードだ。
雨が降り出したのでお寺の山門で少々雨宿りしたあと、共同湯「下ん湯」へ。夕立に濡れた服を着替えるついでに。ここは混浴の半露天風呂?で、広くはないが味はある。
大分へ出て公園で寝る。「おい、あんた! そこのあんただよ!」と遠くから叫んでいる人がいる。僕のことだろうか? 寝たふりをする。
竹田。愛染堂だけ見て、「荒城の月」の舞台たる岡城へは行かなかった。やはり睡眠不足か。
阿蘇なんだが、火口行きのバスを一本見送ってしまう。次は一時間後。じゃあ昼飯でも食いながら待とうと食堂へ入った。「ラーメン下さい」と言うと、茶の間でテレビを見ていた婆さんが「ラーメンは今、切れてるんです」と。この段階でこれはまずいと引き返すべきだったのだろうが、「うどん、ちゃんぽんならあります」というのでちゃんぽんを注文してしまった。これがなかなか出てこない。やっと出てきたら、予想通りというべきか、貧相なもので、それを食べているうちに次のバスが出てしまった。どうしようかと駅で座っていると必要以上に蝿が飛んでいる。だんだん腹が立ってきた。肩にとまるな! もういいやと火口行きはやめて、下田の温泉を目指す。
南阿蘇鉄道では車掌がガイドしてくれる。噂には聞いていたが、「右手に見えますのが・・・」って本当にやっている。鉄橋では速度を落とし「この橋は高さが60メートルありまして・・・」。おもしろいよ。で、着いた。阿蘇下田城ふれあい温泉駅。駅内に温泉がある。ここはよかった。誰もいない貸切状態でのんびりと湯に浸かる。いらだち、むかつきが温泉の効能で消えて行く。隣の休憩所で高校野球を見ながら休む。興味もないくせに試合終了まで見届けた。ホームで列車を待っていると、可愛い女の子三人組がいた。ますますいいところだ。あとずっと抱き合っているカップルも。三人組は顔を赤らめてうつむいている。そんな阿蘇の風景。
熊本で夕食、駅前散策。駅ビルは最近できたの? ピカピカしている。さわやかでいい感じ。次は天草へ行こうと思っていたのだが、財布を覗いてやめる。でも、鉄道好きとしては三角まで行ってみる。駅前に巻貝型のフェリー券売り場があって、展望台にもなっているので登ってみる。いいなあ。港町って感じがするよ。頂上には当然のようにカップルが座っている。海が、星が、見えるスポットだけに当然、当然。再び熊本へ戻り、眠る場所を探して歩いているうちに道に迷ってしまった。一時間くらい「ここはどこだろう?」とさまよい歩いて、ようやく駅前に出る。バス停ベンチで眠る。
天気予報では降水確率0パーセントのはずだったのに昼前、雨が降り出して、水前寺公園で昼寝していたのに起こされた。軒下で雨をやり過ごし、疲れた足を引きずりながら公園をまわる。
熊本城。バスガイドの団体が研修で来ていた。みんなで声を合わせて「この像は・・・」とやっている。城はなかなかかっこいい。石垣のラインが絶妙だ。城内へ入ると冷房が利いていて、嬉しさと幻滅を同じに感じる。涼しいのはありがたいのだが、どうもリアリティに欠ける。そういう意味では櫓はリアルだった。
あとはデパートのソファーに座って本を読んでいた。足が痛くて歩けない状態だったから。
夜は八代へ出てみる。オウム麻原の故郷だ。コンビニとガソリンスタンドがつながった店で、買ったパンを食べながら座っていた。夜中、人はいない。店のオヤジが外からガラス越しにこちらの様子をうかがっている。いちゃだめなのかな? 結局朝4時過ぎまで座っていて(届いた朝刊を読んだりしながら)、クーラーで寒くなってきたので出る。駅前のベンチで少し横になった。

指宿
朝、駅のトイレで顔を洗っていたところ、警官に職務質問された。学生証を提示する。「どこで寝たの」と疑わしそうな目。「前のベンチで寝ました。宿泊代を浮かそうと」。別にやましいところはない。正直に答えるのみだ。あるいは昨夜のコンビニのおやじが「怪しいやつがいる」と通報したのかもしれない。逃亡するオウム信者と思われたのかもしれない、聖地・八代だし。でも、最後には「わしも若い頃に、北海道に無銭旅行したことがあってな、・・・」と笑顔になってくれた。よかった。
川内ではただコンビニでジャンプを読んだだけ。やっぱり地方では火曜日発売になるんだな。
そして指宿。池田湖へイッシーを見に行こうと思っていたのだが、一日三本しかないバスはまったく使えないということに気づく。砂蒸し風呂でも行く? それもいやだしなぁ。海沿いをてくてく歩いてコインランドリ−、そして温泉銭湯。番台に誰もいなくて勝手に入った。出るときに払おうと思ったらやっぱりいなくて、迷ったが番台にそのまま置いてきた。後から来たオヤジが持っていかないという保証はないが。いいよな、別に。
山川で列車待ち下車。海に赤いクラゲがいっぱい浮かんでいる。大小様々で刺されると一週間くらい腫れそうな感じ。山川からの下り列車は高校生占拠率が9割を超える騒がしい列車。お前らだろう、駅名ボードにいたずらをしたのは。大山駅の<やまかわ/にしおおやま>ってのを<やほがね/にじのおづま>に上手く削ったり書き足したり・・・(伝わるかなぁ)。アホかお前ら。「虹のオヅマ」って何だ。宇宙で行う核実験をUFOが妨害する作戦名みたいじゃないか。で、JR最南端の駅である「にじのおづま」は畑の中の無人駅。「薩摩富士」開聞岳をバックに優美なところ。終点の枕崎も無人駅で、飯を食ったらもうすることもない。
鹿児島へ帰り、公園で眠る。実は翌朝、大変な事件に巻き込まれるのだが、それは次ページ。