目取真俊

目取真俊プロフィール&ガイド

目取真俊(めどるましゅん)―1960年生まれ(63歳)。沖縄県国頭郡今帰仁村出身。小説家、政治活動家。

沖縄の自然や歴史に根ざした小説を発表。基地問題などに対する評論も。

1997年『水滴』で第117回芥川賞、2000年『魂込め』で第26回川端康成文学賞および第4回木山捷平文学賞受賞。

「沖縄作家」の責任を負ってるかのように、沖縄の風物、あるいは沖縄戦に題材を選ぶ作品が多いです。リゾート旅行に持っていくべき作品では決してないのだけれど、沖縄好きな方は手にとってみてもいいでしょう。最初に手を出すならやはり芥川賞受賞作である『水滴』から。

関連作家・似てるかも作家:魚住昭

目取真俊おすすめ本ベスト

  1. 『魂込め』表紙
    現在よりもクリアに立つ沖縄戦の幻影。海亀が掘り出すイメージの色鮮やかさはもちろん、喉に入ったヤドカリの自在な寓話性が著者の強みだな。ラストが類型的であるにも関わらず息が詰まる「面影と連れて」もいい味。
    文学(小説)

目取真俊レビュー一覧(7冊)

  1. 『眼の奥の森』表紙
    戦時中の沖縄で起こる、少女暴行と銛をもった少年の反撃。その事件を、いろいろな視点、あるいは複数の時代から照射する小説だが、記憶し反復する怒りがじんわりと刺してくる。銛の先で記念品を作るのがリアリティ。
    文学(小説)
  2. 『虹の鳥』表紙
    オキナワ基地の町に暗くわだかまる暴力の連鎖。キツイ描写が続いて出口のない小説だが、それはそのまま沖縄が米国から受けている暴力に目を開かざるを得ない造りになっていてさらにツライ。虹の鳥は救いじゃないし。
    文学(小説)

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