小林恭二『短歌パラダイス』レビュー

書誌情報

小林恭二『短歌パラダイス』表紙
短歌パラダイスたんかぱらだいす
歌合二十四番勝負
1997/04
NDC:911 | 文学>日本文学>詩歌
目次:1日目 地獄 / 幕間 辺獄 / 2日目 煉獄

レビュー

現代を代表する歌人が20人も集まって短歌でバトる「歌合」。歌自身(大滝和子の芽は白眉)や著者の深い読解ももちろん痺れるが、それより褒めあい落としあいの白熱討論がすごい。二日目がやや急ぎ足なのは少々残念だ。
読了:2006/10/15

長めの感想

古い本で恐縮ですけども、小林恭二『短歌パラダイス』を読んでたら穂村弘東直子が出てきてちょっとうれしい。

歌人を20人も集めて行なった歌合の様子を伝える本なのですが、岡井隆から永田和宏、加藤治郎、荻原裕幸、俵万智までいて、ベテランから若手まですごいメンバーです。現代歌壇の重要人物がいっぱい。97年当時と考えると、ほとんど遺漏ないんじゃないか。

そのなかで当時30代前半の穂村弘と東直子は若手方という感じですが、やっぱり切れ味するどい作歌・批評を展開してます。ベテランたちの中でもぜんぜん負けてませんね。特に穂村弘の解釈には唸る。

こういう本読むことの楽しみのひとつは、新たな作家を知ることですが、いまさらながらに「俵万智ってイイかも」と思いました。聞いたことのある歌はひとつふたつあるけど、歌集として読んだことはない、というまぁ世間並みの触れ方しかしてなかったわけですが、手にとってもいいかなぁと思いました。

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