2002年1~3月

近況報告

宮沢賢治旅

5連休、一人旅にて岩手のほうに行ってました。この時期に5連休ってったらやっぱり青春18切符。ちゃんと5日分使い切ってきました。気仙沼から八戸まで陸中海岸沿いに北上して、花巻へも。旅行記も近々書きますが、ジミすぎですかね。なかなか行こうと思いたたないエリアかと思われますし、しかもまったくのオフシーズンでもありますので、人も少なく、ゆっくり歩いてきました。

宮沢賢治ファンなら花巻は行ってもいいでしょうね。ご当地モノということで思わず僕も『銀河鉄道の夜』現地で買って読んでました。読んでなかったのでね。花巻郊外にある温泉に泊まり、賢治と風呂を満喫。なかなか楽しいものでした。

トップページのイメージフォト、ノリで変えてみました。石巻港にて文庫本積んで、作りこみすぎな感じで撮ってみたやつなんですけどね。

100字レビュー手直し中

久しぶりにリンク集更新しました。それから100字レビューの椎名誠・清水義範と収録冊数多いとこからざっくり手直し。改めて椎名が多すぎだと思いますね。何がそうさせるんでしょうか(自問)。そんなわけで当てもなく旅にでます。何かから逃げ出すように。いや、会社仕事をえいやぁって背負い投げたらポコンと5連休が湧いて出たので。行き先は聞かないで。

星野智幸における色彩表現

普段あまり細かなところは触れないんですけども、気になったのでひとつ取り上げてもいいですか? 星野智幸ってはじめて読んだんですが、その『目覚めよと人魚は歌う』、冒頭部がやたらとカラフルなんです。1ページ目で色に関する表現を書き抜いてみます。

「…月は巨大な白熱球の形をして、赤土がむきだしの(…中略)氷河の色に照らしていた。(…中略)群青に透きとおった大気を(…中略)プラチナ色に輝くススキの(…中略)血が固まった色の口紅を(…中略)指の腹にわずかに移った紅を頬骨のあたりに(…中略)月明かりで青白く見える顔に、臙脂の唇だけが(…後略)」。

ほかにも蛙の泣き声で暗示させる緑だとかもあり、出だしの1ページでこんなに色のイメージを打ち出す、これってどんな意味があるんでしょうか? 後半に効果的なリフレインがあるんだろうかと待ち構えてたんですが捉え損なってしまったので、彼の作品に詳しい方教えてください。

いや、端的にいえば、出だしで気張ったものの後半ダレてしまったように見受けられたりもするので、その辺どうなのかと。そうじゃないんだという識者の意見がぜひ聞きたいです。

さて。100字レビューのコーナー、ちょっとテコ入れしようかと思ってます。「長編小説」「エッセイ」などのジャンルを見やすく外に出して、目次抜粋も入れたりして。まだ数作家分しか手をつけてないんですが、徐々にやっていきます。

ついでに村上龍とか冊数の多い作家はページが重くなってきたので二つに分けたりも考慮していこうかなどと、いろいろ考えつつ。あんまりクリエイティヴなところのない微妙なテコ入れなんですけども、まぁ、よろしく。

官能小説家的ロマンチシズム

『官能小説家』、わりと気に入りました。『日本文学盛衰史』を水で薄めたような作品だといういささか失礼な評判も聞いており、まぁ、『日本文学~』で全部詰め込んだはずなのに、まだ言い漏れたことがあったの?というような作品になっており、当たらずとも遠からずといったところか。

『日本文学~』は終盤、過度にロマンティックで情緒的だったでしょ。文豪たちがゆさゆさ地表を揺すってた時代への恋慕、横溢する愛がストレートに感じられたものなんですが、『官能~』でも「明治は美しい」が貫かれてます。より情感的にです。

だから完成度よりは文章に溢れるロマンチシズムを感じておけばよいのではないでしょうか。『官能~』の楽しみ方としては。

伊香保アップ

旅行記久しぶりにアップしました。1月の日光と2月の伊香保。タイトルつけるのがヘタクソで、いいものが浮かばないので投げやりにつけときました。サブコンテンツで、読書とは絡まないコーナーですが興味のある方はどうぞ。

ブックストアのほうでは3月分のフェアをアップしました。このコーナー、みなさんからの投稿を募集してるんですが、忘れ去られてるんでしょうか。2月には投稿が一つもなく寂しく閉幕しております(泣)。投稿しにくいテーマばかりを最近はなかば意図的に出してるってこともあるんでしょうけれど。そんなわけで3月は「門出の言葉フェア」です。ひとつよろしく。

あ、そうだ、楽天ブックスでの買い物で送料がかかるようになってしまいました。これまで完全無料だったのですが、「本体価格の合計が1500円以上の場合、国内配送料は無料。本体価格の合計が1500円未満の場合、国内配送料は一律210円」となります。まぁハードカバー1冊買っても1500円越える場合が多かろうと思いますので、がっかりしないでこちらもよろしく。

女子高生作家

酔っ払ってるんですよ。「なんでもいいから今日は更新しろ!」と言われながら大量に飲み、午前4時に家に帰るような生活で何を書けというのか。読んだ本の話をしようにも、今回読了の篠原ハジメも、「女子高生作家」とさわがれてた頃に

・・・これだけ書いたところで昨夜は事切れて寝ました。屋台の悪質な酒でどろどろになりながらタクシーで帰宅してるのに、ちゃんと本の話を書こうとしてるのが何と言うか偉いです。

さて篠原一。実に4年ぶりに手にとってみました。それなのに出だしの1ライン読んだだけで「あぁ彼女らしいな」と思わされてしまう、なかなかに偏執的な主題をもってる作家です。連作短編集といった造りなのですが、これまでの「幻想的」に流れすぎてた文章はクリアになってきてるんじゃないでしょうか。

「女子高生作家」というのはある種の蔑称でしょうから大声で言っちゃいけない気もしますけど、現在その位置に立ち現れた綿谷りさはどうでしょうか。なんとなく買ってきて積んであるんですけどね。「話題性」狙いだけでないことを切に願っております。

そうそう、先週末、伊香保温泉へ行ってきたのですよ。射的だとか楽しくて。旅行記書きたいなと思ってるんですがしばらくお待ちを。あわせて先月の日光・中禅寺湖もアップしたいなぁとも思ってます。あと、ブックストアの更新もしなければならないのですが次回へ。すいません二日酔いなので。

新潮文庫紐切り政策

文庫小話第二弾。ってことでもないんですけど。某ブックオフさん、新潮文庫の紐しおり切るのやめませんか。今回アップの『買った買った買った』、紐切れてたんですわ。しおりの用を成さない紐が中ほどに挟まってたんでつまんで捨てましたけどね、すごい嫌なんですよこれ。

ずっと前にもそんな目にあって、この欄で書いたことがあるんですが。日焼けや手垢で黄ばんでる天地・小口を削って白くするためにヤスリ掛けしてる、その作業中に紐しおりが切れてしまうんじゃないかと、推理したわけです。某ブックオフでは新品同様に綺麗にするそのクリーニングを売り文句にしてるしね。

その後、そこでバイトしてるという方からメールをもらったんです、実は。これは当欄では特に報告してなかったんですが、その方が言うには「ヤスリ掛け前に紐を切る」のがマニュアルなんだと。切り忘れたままヤスリ掛けすると切れた紐がページに挟まってる(という僕が嘆いた状況)が生まれるのだと。

ちょっと待て。わざわざ紐を切るのが正しいあり方なの?

すべての文庫の紐が切れてるわけでもないですし、ローカルルールかもしれませんし、メールくれた方の思い違いかもしれません。でも以来某ブックオフで新潮文庫を買うときには紐しおりのチェックがかかせなくなりました。今回のはうっかり見逃して買ってきちゃったみたいですけど。

あの紐しおりは、原価も手間もかかるのに読者の要望が強いから付けてるんですよ、新潮社は。それを「綺麗にするため」という理由で切ってよいものだろうか。それって商品の破壊ちゃうの? 買い入れた本を書棚に並べる前に1冊1冊表紙破ってるみたいなもんよ?

それだったら日焼けしたままのほうがよっぽどいい、と僕は思うのですがどうでしょうか。

しようがなく読み終わった本から紙しおり引っ張り出して流用するでしょ、そしたらその紙しおりには飯島愛『プラトニック・セックス』の広告入ってたりしてまた不愉快になったりするわけですよ。ほんとにもう。

厚い文庫はお好きですか

花村萬月の『二進法の犬』が文庫で出たので買ってきました。1000ページを越える分厚い文庫です。最悪でも2冊に分けるべき、望めるなら上・中・下巻に分けてほしいサイズです。これを1冊モノとして出しちゃうのは著者の意向なんでしょうか? ハードカバーにしたって彼の作品には「なぜ分割しないの?」と思わされるものが多くありますし。

「厚い本を作りたいんだおれは!」と本人が言ってるとするなら、まぁ、そういうものとして味わうしかないと思うんですが、「厚いぜ! わーい!」って喜ぶ読者はいるんですか? いや、大長編を書いてくれるのは嬉しいんですが、上下巻に分けてくれたほうがもっと嬉しいんですよ僕は。

特に文庫は、単に廉価版という意味合いだけでなく、携帯サイズという機能も大事だと思うんですよ。手ぶらで外出するときなんかズボンの尻ポケットに1冊押し込んで出かけることも実際よくあるわけなんですよ。ポケットに入らないサイズはもう、それでも文庫かッ! そんな子に育てた覚えはない!って横っ面張りたくなってしまうんですわ。

その携帯性を犠牲にしてまで「厚さ」で伝えたいことってなんだろう? そしてそれは上下巻に分けたら伝わらないものなんだろうか? 読者に迎合しろって言ってるわけじゃないんですが、あまりに不親切じゃないかと思うわけです。

なら買わなきゃいいんですけど買ってるしね。読むけどね、まぁ。

若手ナンバーワン

吉田修一いけますですよ。掲示板でも「若手ナンバーワン」なんて書いちゃったんですが、ちょっと注目していたいなと思ってるんです。ことあるごとに宣伝してみようかなと思ってるんです。ハードカバーでこれまでに3冊出てまして、全部4つ星評価つけました。第二作『熱帯魚』のオビに「村上龍氏推薦!」と書いてあり、芥川賞候補に何度かなりつつ、村上龍崇拝者と芥川賞信奉者以外には知られてない作家かと思われますが、佳作揃いです。読むものがないとお嘆きの方は手にとってみてはいかがか。妙にクールで妙に壊れた文章書く人です。

さて、突然なにを履き違えたか、吉本ばなななんて買ってきてしまいました。『TUGUMI』。これまで読んだことがなかったんですが、ブックオフで買い物カゴもってぶらぶらしてたらいつの間にかカゴに入ってまして。ばなな好きの方にお聞きしたいんですが、初めて彼女に触れるとするなら『TUGUMI』で合ってますか? しばらくは積んでおいて読まないと思いますので、「この作品から読まなきゃだめっ!」ってのがあれば教えていただけると嬉しいです。そっち買いなおしてきますので。

直木賞なビタミン

重松清、やっぱり好きですわ。短編集で、短編ごとに「おお!」と「む?」な感慨いろいろありましてトータル4つ星となりましたが、5つにしようか迷った作品です。執拗なまでに「家族」を追いかけてる作家で、その視線の温かさがどの作品でも感じられ、優しい気持ちになれます。「子供の問題」=「親の問題」ではないはずですが、「親としてきちんと考えたい」という風な愛があって。

ところでこれって直木賞とった作品ですよね。「ビタミンF」という短編が入ってないのでどれが受賞作なんだろうと思ったら「本」として受賞なんですね? すでに単行本化されてる「本」を評価してるんですね? 芥川賞は雑誌掲載の短編(中編)が受賞して、後に「受賞作を含んだ短編集」という風に出版されるじゃないですか。もちろん、どちらも作品ではなく作家が評価対象なのは承知してるんですが、ちょっと意外だったりして。芥川賞は単行本化を待つタイムラグがあるのに、直木賞は発表後すぐ書店で積まれてたりする理由はそういうことだったんですね。といまさらながら。

あと、田口ランディ『コンセント』の映画、公開はじまったみたいですね。主演女優がイメージと違うという意見もあるようですが、どうなんでしょうか。

温泉に行こう!

「今月のフェア」だけ更新しておきます。温泉に行こう!フェアです。僕が挙げた本は、このサイト内でも何度か話題に上げたものが入ったりしてるので意外性はないでしょうが、「これは!」という本が思い浮かんだ人はぜひ投稿ください。直接的なものでもいいですし精神的なもの(?)でもいいんです。どしどしご応募を。

重松清の『ビタミンF』読んでまた感動して泣いてたりするんですが、レビューアップは後日。いろいろ忙しいので。

FF10終了

ようやくFF10終了。ここはゲームサイトではないのでゲームの話ばかりしててもしようがないんですけれどね。昔家庭教師のバイトをしてた頃、「うちの息子はゲームばかりやってて全然勉強しないんですよ」とため息づく母親に、「小説1本読むのと同じくらいの効果があるゲームだってありますよ」と言い放ったことがあります。いや、ホントの話。

うちへ帰ったらずーっとゲームやってる毎日ですが、読む本の量は減らないです。通勤時に読むものだし。更新ペースだけ落ちて、まとめてアップということになっております。申し訳ないです。さて。次へ。

古本屋ウェディング

掲示板にも書いたんですが、古本屋で買った本に結婚式の写真が挟まってたんですよ。こういうのはやめましょう。びっくりするので。なんつーか嫌がらせですか? タキシードの新郎(推定25歳)・ウェディングドレスの新婦(推定27歳)が赤絨毯の上歩いてます。両脇から花投げられてます。恐らくしおり替わり(?)に本に挟んでたんでしょうな。そのまま忘れてて古本屋に売ってしまったんでしょう。そんな読書風景、なにか間違ってる気がしますが。この種の写真って処分しづらいので、俺のだ!って人は(って新郎を犯人にしちゃいますが)メールください。送り返します。

というわけで、不意にコトブキな香りをまとってしまった『ほぼ日刊イトイ新聞の本』、現在読書中です。

日光帰り

会社の同僚と日光・中禅寺湖へ行ってきました。温泉でのんびりと安らいできました。雪見の露天風呂、硫黄の匂いがしばらく取れないほど何度も湯に浸かり、湯波だとか旨いもん食って、日本に暮らす喜びでございますな。中禅寺温泉、日光湯元からの引き湯になるところですが、湯は実によかったですよ。やっぱり湯の花で濁っているというだけで効きそうな気がしちゃうんですね。

しばらく前に、「温泉オフ会をやろう!」みたいな話が掲示板であったりしてたんで、それもほったらかしたまま、勝手に行ってきちゃったこと申し訳なく思っておりますが。気が向いたら旅のコーナーも更新してみたいと思います。

えーと、「気が向いたら」ってのは何も書くことに乗り気じゃないとかそういうんじゃなくて。プレステ2を買ってしまったんですよ。結局、アップスキャンコンバータを入手してパソコンのディスプレイに接続してやってます。うちの液晶ディスプレイとはつながらなかったので、粗大ゴミ状態で置いてあった古いCRTにS端子でつないだら画質もなかなかでして。「FF9」と「FF10」、「俺の屍を越えてゆけ」の3本を購入、順番にやります。ゲーム界を離れていた2年半のブランクを埋めるべく鋭意励む所存でありますので、他のことに手が回らなくなったりならなかったり。

チャット中

「頭の良くなる本フェア」、今月2冊目のらりうさんの投稿です。ありがたいことです。らりうさんとは先日朝方までチャットしてまして、というか今日もいまこのテキスト打ち込みながら隣でチャットしてる真っ只中なんですけども、やっぱり人が少なく寂しい状態です。チャット置けるほどアクセス数のあるサイトじゃないよなぁとも思ったんですが、書店オープンの熱病のうちにわけ分からず設置してしまいまして。なんとかこちらも軌道に乗せたいのでお暇な方はぜひに。

三連休。正月ボケも抜け切らぬままに三連休ですね。あー、プレステ2欲しいです。

RPGファン通信

明けましておめでとうございます。いやー、昨年はいろいろありましたな。本年は皆様にとって、私にとっても、よい年になりますようお祈りいたしております。旧年に倍してロマンチックがとまらない「旅と現代文学。」を今後ともよろしくお願いいたします。

さて、正月は実家へ帰って、ドラゴンクエスト(以下DQ)7ばかりやってました。「クリアするまで帰れない」合宿所のような毎日で、半徹夜でなんとかクリアして帰ってきました。東京のアパートはテレビもないスタイリッシュな生活なんですが実家にはプレステ2があるのです。妹のだけど。

DQは昔と全然変わらない世界観で感心しますね。1作ごとにファン層がごっそり入れ替わるファイナルファンタジー(以下FF)とは違って、安心してプレイできます。FF10も置いてあったのでちょっとだけやったんですが、これは「ゲームであることを捨てようとしているゲーム」としてある意味興味深いものでした。DQファンとFFファンは往々にして互いにアンチであったりするわけですが、僕はどちらも好きです。

なんで年頭からゲームの話してるのか分かりませんが。以前は初代プレステ持ってましたし、ファミコンの時代からの結構なゲーマーだったんですよ。RPG専門ですけどね。DQは1~7まで、FFも1~8までやってますし、女神転生シリーズも好きですしWizardryやらゼルダやらRPGタイトルについては大いに語れます。

で、すごく欲しくなってしまったんです、プレステ2。でもできればテレビは買いたくないんです。「お前なんか絶交だ!」と言ってテレビを捨てたんで、どのツラ下げて復縁できるかっちゅう頑迷な思いもあったりしましてね。テレビ受信機能のない純正ゲーム用みたいなモニタがあったらいいなぁと思ってネットで調べてたりしたんですがよく分からず。あとはアップスキャンコンバータを用いてパソコンディスプレイに接続、って方策もあるようですがよく分からず。エミュはあかんしねぇ。その辺わかる人は教えてください。こちらの懐としてはテレビを買う金がないわけではありません。テレビがいらないだけです。