現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『死んでもカメラを離しません』表紙
    報道カメラマンとして「撮ったもん勝ちじゃ!」とガシガシ金星を上げる。塀の中の麻原を撮った瞬間などこちらにも興奮が伝わってくるね。関西ノリの文体もその腕前を隠すかのように。執念に裏打ちされた運はすごい。
    文学(ルポ)
  • 『ニッポンの小説』表紙
    小説論。さすが源一郎、垂直に掘り下げるねと思ってたら中盤から同じ所を回り続けてるよう。「文学的である/ない」とは何かって、例えば中原昌也を引用しながら論じるのだが、そりゃ言語化した答えは出ないだろう?
    文学
  • 『最後の吐息』表紙
    メキシコの熱と匂いと色彩。蜜のしたたる濃密な文体は中上健次ばりの息苦しさで、眩暈してるうちに場面は大きく跳躍している。見失うなよと身をくねらせる魚の残影が快い。併録の「紅茶時代」は途中で見失ったけど。
    文学(小説)
  • 『パンク侍、斬られて候』表紙
    謎の宗教腹ふり党と対決する時代小説に見せかけて。自意識が傷つかないよう不戦敗を選ぶニヤニヤ笑いや、自分で物を考えない足の引張りあいを斬捨てる現代批判。パンクのというより社会学者のようなメッセージ色だ。
    文学(小説)
  • 『さようなら窓』表紙
    初の長編。名歌「さようなら窓さようならポチ買い物にゆけて楽しかったことなど」から膨らませた恋愛小説だから、この短歌だけで泣ける人はぜひ。幼さと切なさと心細さと、二人で過ごした思い出の詰まるこの部屋で。
    文学(小説)

主な作家