現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
-
中学教師の夫と保育士の妻が、その亀裂を修復しようとする物語。という下敷きの上、教育問題(とその責任の在処)を語りたいという熱意が歪に乗っかっている。そのアンバランスさに会話の不自然さまで、味と言えば味。文学(小説)
-
教育大学卒業の著者による教育論。学校教育、家庭教育、国家としての教育などさまざまなレベルで語られる。「なぜ人を殺しちゃいけないの?」にまで平易な言葉で答えようとする姿勢がいい。味のある脱線が彼らしく。社会科学
-
僕が作ろうとしていた王国、その王は僕ではなかったんだと気づくシリーズ転換点。この物語読み進むのが辛くなってきてた頃だが真の王の登場で繋ぎとめられる。露悪的なジャンが押し出すトーンも新たな展開を運んで。文学(小説)
-
ウォーホルにリキテンシュタイン、ジャスパー・ジョーンズなどのポップアートをモチーフにした短編集。アメリカンなムードで押しきるブック・デザインはなかなか楽しい。ポップなポストカードがたくさん付いてくる。文学(小説)
-
甥と姪を引き取ろうと決意するに至るヒロインの心の動きも分からなければ、唐突に丸山眞男の思想研究に突入したりするのも(著者らしいとは言え)脈絡がない。小説として破綻してることまで楽しめるファン向きだろう。文学(小説)