現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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伝説のフォークシンガー、初の詩集。1970年から75年のものを収録している。これらの言葉がみな歌であるという驚き。また彼の唄が始めから詩であったという驚き。素朴で幻想的で示唆に富んでいて、参ってしまうのだ。文学(詩歌)
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愛子が描き続ける紅い亀裂というモチーフ、そこには姉の性が塗りこめられている。ダ・ヴィンチやデュシャンの「美大生的」考察もありながら姉妹の絆を艶っぽく描く長編。会話文がこんなに堅いのも個性なんだろうか?文学(小説)
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人の心を読み取る能力を持ったテレパス七瀬。お手伝いとして入った家庭で聞く心の暗闇。同時発生的に攻撃的な心象風景の描出は家族というものを根底から覆す。人間不信になってもおかしくはない危険な魅力ある連作。文学(小説)
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アンソロジーに書かれた作を含む、近年の単行本未収録作品を棚卸したような厚い短編集。「ポルノ書いて、ディズニーランドへ行こうよ」むぅ…。ポルノの方法論も作家の資質となり深化している感じがある。力作揃い。文学(小説)
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妊娠~出産編たる前作に続いて、0歳児との生活をまとめた育児漫画。トリペの奇抜な挙動に翻弄される毎日を面白おかしく。結局「親バカ」エピソードなので、前作ほどの突拍子のなさが落ち着き、温かくも予想の範囲。技術・工学