現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
-
頭部に異常をもって生まれた子供の死を願いながら、逃亡を続ける鳥。作家としての向き先を決定付けた長編。重いテーマを背負ってしまったのがこの一作で瞭然だが、腐臭を放つその心から目を背けないのは足腰の強さ。文学(小説)
-
好評エッセイの第七弾。シェイクスピアを演出する話も含めて割と軽めの話題が多い気がするが、温泉の朝問題はその通りで、これ読んで改めて欲しいところ。いつもながら中川いさみのイラストがいい。アンジェリーナ。文学(エッセイ)
-
短編集。内容は各表題を見れば瞭然。「ペンギン村に陽は落ちて-前編」「愛と哀しみのサザエさん」「キン肉マン対ケンシロウ」「連続テレビ小説ドラえもん」など。漫画を解体してなんたらかんたらとか言えない迫力。文学(小説)
-
高校図書部の物語。仲間内の流行語「ヤドゥー」とかコミュニティの描き方が細部まで上手くって、その場に居合わせたような気分になれる。高校時代に感じてたくだらない色々をリアルに思い出す。青春小説の模範だね。文学(小説)
-
アフォリズムと独り言の中間のような言葉が詰まった絵本。口にしたくないことを代わりに言ってもらったような、申し訳ない気持ちよさがある。ゆるゆる和みキャラがいっぱいの絵をただ眺めているだけでもいいけどね。芸術・美術