現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『螢・納屋を焼く・その他の短編』表紙
    後に『ノルウェイの森』の一部となる「螢」を含む短編集。この中ではそれが圧倒的に面白いのだが、『ノルウェイ~』の暗い影が入りこんでいて(発表順から言って変だけど)どうにも息苦しい。ついでに他のも重苦しい。
    文学(小説)
  • 『こちらあみ子』表紙
    「無垢な愚者」としてのあみ子の言動が周囲を傷つけ、家族を崩壊させる。優しさも悪意も紗の向こうに霞む、鈍感で平和な視界。無造作のようで隅々まで企みの届いた文体がいい味だ。「墓」でやられた、胸が痛すぎる。
    文学(小説)
  • 『ファンタスティック・シティへようこそ』表紙
    ルーディ~ソロのベストアルバムに、音楽との転がり方を語るエッセイ。どっちがオマケでもなく。バンドが始まって終わるということを内側から観察した記録としては模範的。カッコいいことやろうってロックと文学で。
    芸術・美術
  • 『春夏秋冬いやはや隊が行く』表紙
    熟年たちのアウトドア叢書。春には静かに焚き火を囲み、夏は筏で川下り、秋にはイモを収穫し、冬は氷瀑にかじりつく。彼らいやはや隊を見ていると、こういう老け方をしたいもんだと思う。隊員達の文章もふんだんに。
    文学(日記・紀行)
  • 『ラニーニャ』表紙
    娘以外のものは何もかも捨ててやってきたカリフォルニアの青空。詩人らしく響きにこだわった語り口調が新鮮で、思考がだだ漏れてるだけ、聞き手不在の饒舌さがなんとも怖い。人工股関節の鳴り方なんて知識も得るよ。
    文学(小説)

主な作家