見沢知廉『背徳の方程式』

書誌情報

  • 背徳の方程式はいとくのほうていしき
    MとSの磁力えむとえすのじりょく
    見沢知廉みさわちれん
    2011-07-27
    アルファベータブックス
    バブル経済に浮かれる時代の外務省キャリアの一家を主人公に、サディズムとマゾヒズム、価値の変換、両極の同位性を追求した傑作。リアリズムの極致とファンタジーが交錯する(『背徳の方程式―MとSの磁力』)。若者の偏執的な愛情を描く。三次元から二次元へのスライドと狂気(『人形―暗さの完成』)。一九七八年三月二十六日の成田空港開港阻止決戦、三里塚闘争をユーモラスに描く。生き生きと描写される新左翼活動家たちの闘争は、まさに現代の神話(『七十八年の神話』)。野村秋介と見沢はともに千葉刑務所に十二年収監されていた。野村と自分とを重ね合わせた、自伝的作品(『獄中十二年』)。遺品から発見された、未発表原稿。「主観的な真実」を信じ抜いた作家の原点。

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