松島から平泉へ、初めての野宿旅
行程
- 1993-08-10
- 東京―仙台―松島―一関
- 1993-08-11
- 一関―平泉―盛岡―秋田
- 1993-08-12
- 秋田―七尾
旅行記
1993-08-10(1日目/金曜日)
仙台・松島を観光して
青春18切符を使った鈍行旅。東京を朝出て、東北本線をまっすぐ北上、昼ごろ仙台に到着しました。仙台は青葉山へ向かいます。
伊達市の居城であった仙台青葉城。天守閣などの遺構はほとんど残っておらず(天守閣はもともとなかったんですけど)、唯一のランドマーク的なものとして天守台跡に政宗の騎馬像が立っています。ほかに撮るものもあまりないので(微笑)、みんな騎馬像の写真撮ってました。
城址からは仙台の市街が見渡せます。いい眺めだなと見ていると、横にいた女性が娘に「すごいねー。東京みたいねー」と言ってる。あー、僕は東京から半日かけて東京みたいな風景を見に来たのだな、と感慨深く思います。
伊達家の墓所、瑞鳳殿へも立ち寄りました。あまり印象に残りませんでしたが。
その後、松島へ。宮島、天橋立に並ぶ日本三景のひとつ。芭蕉が「松島やああ松島や松島や」と詠んだというのは後世の嘘で、絶句するほど美しい風景だったということですね。しかし大学生男子の一人旅で、島がたくさん見えるねぇってだけの風景をどこまで愛でられるかといったら……知れたものですけどね。
仙石線松島海岸駅から東北本線松島駅まで、見どころを見ながら歩くコースで。茶室観瀾亭、古刹瑞巌寺、松島のシンボル五大堂、福浦橋、と。ここから見る景色がすっごいぜ、という意の四大観には向かいませんでした。
松島から岩手県に入った一関まで出る。写真はそのへんで撮ったはずの川。確かぜいぜい言いながら高台に登って川を眺めたはずのもの、雨が降り出してて「五月雨をあつめて早し最上川」ってやつだな、との感想を抱いたのは覚えてるんですが、位置的に最上川では絶対にないので何川か分かりません。
駅に近い磐井川(上記の川と同一か分かりません)にかかる橋の下にベンチがあったので、そこが本日の宿。この旅以降、僕の旅では野宿がデフォルトになるのですが、このときが初めての野宿。「野宿しよう」と思ったきっかけがなんだったのかは思い出せません。
1993-08-11(2日目/土曜日)
平泉、藤原氏栄華の夢の跡
翌朝、平泉へ向かいました。朝から雨がち。中尊寺へ。有名な金色堂は、ガラスケースに入れちゃダメだろ、建築物と言うなら風雨にさらされてこそだろ、と思いました。
写真は毛越寺。平安文化、藤原氏栄華の夢の跡。寺院というより遺跡の匂いのほうを強く感じました。あるいは着物をまとった亡霊が移ろうような、何か当時の想いが残る場という気がしました。
午後はさらに北上、盛岡に出ます。盛岡城跡を見て、あとは市街をぶらぶらと。写真に見える赤レンガの建物は岩手銀行中の橋支店、明治期のモダンな建築物です。
田沢湖に立ち寄ろうかとも思ってたのですが雨でやめて、盛岡から秋田までまっすぐ向かいました。雨というか台風で、秋田に着いた夜半には暴風雨。野宿は無理そう、と思い、駅前にあったファストフード店(ミスタードーナツ?)が24時間営業だったので、そこで朝まで過ごしました。パズル本を解きながら。
1993-08-12(3日目/土曜日)
秋田から長い電車行
秋田。朝には台風も過ぎて、晴れ間が出ていたので、駅から近い千秋公園へ。久保田城の城跡です。園内を一回り。
あとは実家の石川へ向かう。日本海沿いを脇目もふらず南下。丸一日鈍行列車の乗客になったのでした。(了)