金沢・能登・北陸、帰省がてらの王道観光

行程

[新潟・富山・石川/高岡、金沢、和倉温泉] 越中、加賀、能登を訪ねる旅です。里帰りとも言うけど。とは言いながら、金沢はあんまり身近じゃなかったりして、観光してます。
「金沢・能登・北陸、帰省がてらの王道観光」地図
2008-06-12
東京―長岡
2008-06-13
長岡―高岡―金沢
2008-06-14
金沢
2008-06-15
金沢―七尾―和倉温泉
2008-06-16
和倉温泉―七尾―東京

旅行記

2008-06-12(1日目/木曜日)
長岡で洋風カツ丼を求めながら

午後になって東京を出て上越新幹線、長岡で降ります。なぜ長岡?と言ったら特に理由はないんですけど、翌日北陸方面のどこか見て歩こうと思っての宿泊地です。

なにやら長岡では「洋風カツ丼」ってなB級グルメがあるらしいじゃないですか。デミグラスソースがかかってるカツ丼。ホテルでググって「へー」っつって夕食に目指したんですけど、道わからなくなって辿り着けませんでした。残念。

2008-06-13(2日目/金曜日)
高岡、前田利長の城下町

瑞龍寺
瑞龍寺

長岡を出て、どこに行こうかやや迷いつつ富山県の高岡へやってきました。加賀藩主、前田利長が整備した城下町です。家族に連れられて子供の頃に来たことがあるはずなんですけど、とりあえず市内観光しておきましょう。まずは利長の菩提寺である瑞龍寺へ。

山門、仏殿、法堂を一直線に並べ、回廊で囲んだ造りで、この形だと中央に力が集まるような気がしますね。整然としながらどっしりとした安定感があります。富山県唯一の国宝に指定されている伽藍です。

前田利長墓所
前田利長墓所

瑞龍寺から東へ、八丁道という石灯篭が並ぶ通りが伸びています。この石畳を歩いて行くと、利長の墓所に行き着きます。高い墓碑があり、それを堀が取り囲んでいる立派なもの。当時は1万坪あったというので武将の墓としては存外に大きいです。

町を歩いてると、利長が崇敬されてる感がすごくありますね。「前田利長」って言われても正直どんな人か私はよく知らないのですが、「利家とまつ」の子(嫡男)です。2009年9月で開町400周年となる高岡市の記念マスコットにも「利長くん」というそのまんまのキャラクターが設定されているらしく、あちこちで見かけました。ゆるキャラというには「武将を子供っぽい絵にしただけ」でどうかとは思うのですが。

高岡大仏
高岡大仏

駅北方面へ移動して、奈良、鎌倉とあわせて日本三大仏のひとつという高岡大仏。「日本三大」系は土地によって「うちが3番手だ」となぜか3番手争いをしてることがありますけども、ここでも3番手が岐阜大仏に変わったりもします。そういうアヤフヤな日本三大仏のひとつ。

「美男では日本一」とも言うのですが大仏の顔比べてみてみたことがないのでよく分からないです。うーん、美男?

台座のなかは展示室のようになっていて、先代の大仏の首が置いてあったりしてギョッとします。

高岡古城公園の動物園
高岡古城公園の動物園

大仏からそのまま北に歩くと高岡古城公園。前田利長が築いた高岡城の城跡を整備した公園です。天守閣はないですが、水濠が美しく広がっています。日本100名城のひとつ。

公園内に入園無料の小さな動物園があったので入ってみました。城跡に小動物園があるをたまに見かけますね。スペースをもてあますのでしょうか。

サイズの割には関係者ががんばってる動物園という印象です。動物たちの説明がおもしろいのですよ。「1日中じっとしてます」。

ケープハイラックス
ケープハイラックス

じっとしてるのはこの子たち、ケープハイラックス。絵のとおりにじっとしてました。しばらく眺めてましたが、この位置からぜんぜん動きません。安定してないポーズにも見えるのですが。

ネズミみたいに見えますけど、属性としてはゾウに類縁なんですって。ゾ、ゾウ??

いま(これ書いてる2009年)となってはもうキツイですが、この旅行時の2008年6月にはまだイケたはず、エドはるみが「ダンシング~ スイミングゥ~」ってやってるイラストがペンギン舎に掛けられてたり、ツノが生え換わりで落ちちゃったシカ舎には「せんとくん」が「ツノがなくてもいいよ」って言ってたり。悪ノリとのギリギリのところで上手くやれてるんじゃないでしょうか。

射水神社
射水神社

動物園を出て三の丸の食事処で昼食、その後やはり高岡城跡公園内にある射水神社へ向かいました。もともとは5キロほど北の二上山麓にあったもので、明治維新後の神仏分離でこちらへ移ってます。由緒ある神社です。元あった場所には分社が残り、二上射水神社と呼ばれてます。

ここもなかなかにパワースポットだねぇとか思いながら神社に参拝、柏手を打ったとたんにザパーッて大雨になりました。いい天気だったのに突然に。何かよくない願い事でもしましたでしょうか。横にあった会館でノートPC開いたりしてしばらく雨宿り。

雨に濡れる女性像
雨に濡れる女性像

どうにも雨がやまないのでとりあえず走って駅まで戻ることにしました。途中、雨に濡れて座ってる女性の銅像がキレイだったので思わず立ち止まったり。

二上射水神社のほうにも行きたいと思ってたのを今回はやめて、金沢に出ることにしました。金沢に着いた頃には雨は上がっていたのですが、駅前のホテルを取って早めに休みます。

2008-06-14(3日目/土曜日)
金沢王道、兼六園に美術館

金沢城跡
金沢城跡

金沢です。兼六園周辺エリア、金沢城公園へ。前田利家の居城跡。私は金沢から電車で1時間ほど北に行ったところにある七尾で生まれ育ったのですけど、大学進学で東京に出るころまで、この金沢城跡は「金沢大学キャンパス」だったのですよね。金沢大学が移転して城跡として整備されたあとって、だから、あまり知らないんです。

そういう意味では「加賀百万石の城下町」と言いながら、城の整備がすごく遅れてた町だったんです。今回、復元された櫓とか初めてみました。広い城内に白壁が美しく広がっててなかなかいい感じです。

本丸跡は森になってます。森? 大学キャンパスだった時代に植物園になってたとかで、再現された菱櫓とその周りが広々と芝生公園になってるのに本丸が森ってどうなの。まぁこれはこれで森林浴して歩けるのでいいんでしょうかね。

そんなこと言ってまわりながら近年再建された菱櫓とかは写真にも撮ってなくて、あとで写真確認したら昔からある石川門しかない。あれ?

兼六園の徽軫灯籠
兼六園の徽軫灯籠

続いて兼六園へ。日本三名園のひとつにして金沢を代表する景勝地。加賀歴代藩主が造り上げた四季折々に美しい庭園、ですけど6月は半端な時期? そんなことないよね。日本三名園はすべて行ったことがありますが、地元の贔屓目(?)を抜きにしても、兼六園が一番でしょ。

徽軫灯籠(ことじとうろう)なめの霞ヶ池、という風景はパンフレットなどでよく知られたアングルで、やっぱり絵になりますね。ここから撮れば誰でも金沢らしい写真が撮れます。紅葉の頃だともっとキレイでしょう。

霞ヶ池は園内で最も大きな池で、この池を一回りするだけでいろんな風景に出会えます。池の上に庵が浮いてるように見える内橋亭もよいです。じっくり見て歩くと結構時間がかかりますね、広いから。

スイミング・プール
スイミング・プール

兼六園を出ると、すぐ前に金沢21世紀美術館があります。2004年にできた現代美術館で、丸い印象的な建物です。壁がガラス張りで開放感があって、中の展示室も不思議な配置。近年にできた美術館では結構話題になりましたね。

このときの特別展はロン・ミュエック展でした。人間の体を恐ろしく精緻に表現した造形で、そのひとつひとつが恐ろしくでかい。展示室を移るたびに「うっわー」って声出るような。その後、テレビなどで見ることもありましたが、この金沢の展覧会が日本初の大規模展だったんだって。

写真は、常設展示の「スイミング・プール」です。上から見ると、プールの水の底に人が座り、歩いてるように見えます。このプールの底にも入ることができて、今度は自分が「プールの水の底にいる人」として鑑賞されることになる、みたいな体感型展示。おもしろいね。

美術館の前の広場では子供たちがきゃあきゃあ走り回ってるような、全体的に明るい美術館です。

海鮮丼
海鮮丼

金沢の繁華街、ショッピングゾーン香林坊・片町もぶらぶら歩いて。

武蔵ヶ辻にある近江町市場へ。生鮮食品を中心とした市場で庶民の台所。金沢へ来たら海の幸でしょ、ということで昼食に。行列になってたけど頑張って並んで、ようやくありついた海鮮丼&ビール。うまいうまい。

この日も金沢駅に近いホテルで宿泊。夕食に、ネットで見つけた旨そうな店を訪ねたら満席、別の店に入ったんだけどこちらも旨し。

2008-06-15(4日目/日曜日)
実家経由で和倉温泉へ泊まりに

徳田駅
徳田駅

この日は実家へ向かったのでした。私の実家の最寄り駅は七尾線の終点七尾の一個手前、徳田駅。無人駅です。なんにもないところです。

かろうじて観光スポットと言えるところとしては院内勅使塚古墳というものが駅のすぐそばにあります。わりと大きな石室があって、石室内にも自由に入れる方墳です。私の子供のころにはだいぶ荒れてたんですが現在は整備されてるみたいです。

今回は立ち寄ってないです。実家に寄っただけ。

旅館のショー
旅館のショー

七尾にほど近い、全国でも有数の高級温泉街、和倉温泉が今日の宿泊地です。有名な加賀屋……は高くて泊まれないので、姉妹館にあたる「あえの風」というところ。

ここの名物は、夕食時のショー。吹き抜けになった丸い舞台空間を取り囲むように二階建ての個室食事処があり、食べながら鑑賞します。日舞から宝塚チックなものまで。舞台はせりあがったりもして、なかなか強烈なものがあります。そのインパクトに霞みがちなんですがもちろん食事はどれもおいしいです。北陸の幸満載です。

2008-06-16(5日目/月曜日)
港町・七尾を少しだけ歩く

七尾湾
七尾湾

翌日はまた和倉温泉から七尾の市街地へ出ました。港町、七尾。子供のころはよく裏山で引っこ抜いてきた竹笹で竿作って釣りとかしてました。観光的にはほとんど何もないので昔も今も静かな港町です。

通った高校がそばにあるので気まぐれに訪ねてみたら、校舎が建て替えられてて、グラウンドも何やら工事中。まるっきり様子が違っててひるむ。20年近くも経てばそれはそうか。新しい校舎を見上げて呆けてたら職員室からちらちら視線が届く。尋問される前に去ることにします。

能登食祭市場
能登食祭市場

港きわにある能登食祭市場で昼食。ここは食事処、土産店、生鮮食品市場などが合わさった施設です。

一角には市内の祭りの展示もあります。毎年ゴールデンウィークにやる青柏祭という祭り。「でか山」と呼ばれる山車は日本最大規模、なのですがあまり知られていない祭りです。ここでは模型や写真などで紹介されています。ホンモノはかなりスゴイのでぜひ皆さんにも見てもらいたいところ。

というようなことで東京への帰路に着きます。(了)