平野啓一郎『文学は何の役に立つのか?』

書誌情報

  • 文学は何の役に立つのか?ぶんがく は なん の やく に たつのか
    平野啓一郎ひらのけいいちろう
    2025-07-18
    岩波書店
    文学は、私たちの人生や社会に対して、どんな意味があるのだろうか。人間の生を真摯に見つめ、現代の問題群に挑み続ける小説家が、文学の力を根源から問う。大江健三郎、瀬戸内寂聴ら、先人たちの文業にも触れながら、芸術や社会へと多岐にわたる自らの思考の軌跡をたどる。読者を新たな視座へと誘うエッセイ・批評集成。 1 文学の現代性  文学は何の役に立つのか?  死までの遠近──ジョブズ、私の友人、ハイデッガー  初めてゲラを手にした時  予測不能な世界を生きるために──『本心』連載を終えて  AIで亡き母を蘇らせたら  また新たな基礎的教養書の登場   ──キャスリン・ペイジ・ハーデン『遺伝と平等──人生の成り行きは変えられる』  予期せぬことがなくなって──アンケート「予期せぬ笑い」  初めて真剣にワインを飲んだ日  傷ついた人間の痛みを語り抜く意志──ハン・ガン氏のノーベル賞受賞に寄せて  崩れ落ちてゆくような成熟──金原ひとみ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』  “納得”することの他者性──遠野遥『改良』  奇妙な一年  作家と百年──『文藝春秋』創刊百周年に寄せて  ゼロ年代のドストエフスキー  〈影響〉の構造化と愛──『白痴』(ドストエフスキー)を中心に  三島戯曲の世界──フランス語版三島由紀夫戯曲集Le Theâtre selon Mishimaに寄せて 2 過去との対話  個人と国家、そして諦念  鷗外の政治思想──『阿部一族』論  父子──古今名作散歩  体験、証言、記憶──成田龍一『「戦争経験」の戦後史』  恢復と自己貸与──ハン・ガン『すべての、白いものたちの』  事後的に発見され、新たな起点となる──私と安部公房  「日本」について質問された人──追悼 ドナルド・キーン  天性の人の語り手──瀬戸内寂聴さんのこと  瀬戸内文学の再評価に向けて──追悼 瀬戸内寂聴  「踏まえるべきもの」の絶えた時代に──追悼 古井由吉  大江以後も書き続けるということ──追悼 大江健三郎  戦後民主主義と文学  『オッペンハイマー』論──オッペンハイマーとクリストファー・ノーランの倫理 3 文学と美  「国家」と「自然」  新しい辞書のための四つの言葉の定義──ことば、ぶんじん、カッコいい、あい  メビウスの輪を歩く人間──写真と安部公房  二度目の「さようなら」はなかった  実在を追究しないことの自由  領域としての黒──ヴァロットンの木版画  ボードレールの女性観──その一元性と多元性  豊饒なるゲルハルト・リヒター展  愉しいル・コルビュジエ  音楽も環境次第  「手書き」の文字と毛筆  「報酬性」と「懲罰性」 特別付録──弔 辞  ドナルド・キーンさんへの弔辞  瀬戸内寂聴さんへの弔辞  大江健三郎さんへの弔辞   あとがき

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