山田太一『終りに見た街』

書誌情報

  • 終りに見た街おわり に みた まち
    山田太一やまだたいち
    2013-06
    小学館 小学館文庫
    ある朝、目覚めると家の周りの住宅地は消え、深い森に変貌していたー突然、太平洋戦争末期(昭和十九年)の日本にタイムスリップしてしまった家族。信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれたのは、「飢餓」「言論統制」「大空襲」という悪夢のような世界だった。しかも“われわれだけは、東京でどこが空襲にあったかも、一年二ヶ月後の敗戦という歴史も、知っている”のだ。憎むべき時代を“飽食した”現代の家族は生き抜くことができるのか。敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ち受ける戦慄の反戦小説。

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