マリアさま
いしいしんじ
2024-04-12
筑摩書房 ちくま文庫
幻想と現実のあわいに仕舞われた、すこし変てこで愛しいできごと。一つひとつのおはなしが静かな奇蹟をよぶ、光にみちた小説集。書き下ろし短編も!
幻想と現実のあわいに仕舞われた、すこし変てこで愛しいできごと。一つひとつのおはなしが静かな奇蹟をよぶ、光にみちた小説集。書き下ろし短編も!
一編ずつが、空気のいい場所への日帰りの遠出。
いしいしんじと書いて融通無碍と読みたい。
――江國香織
何があったのか根堀り葉掘り訊くのではなく、静かに、一緒に、時間を過ごす。
究極の優しさのように思えた。
――松永美穂(解説より)
眠る前にそっと撫でたくなる、光にみちた小説集
体がぽろぽろと土に変わってしまう病気をわずらう兄と、その土を一粒のこらずあつめてバラを育てる弟(「土」)。不思議な花びらがいざなう"おはなしと水でできている島"(「ジュプン」。遠い異国を、ひみつの記憶を、大切な思い出を旅するように紡がれるいしいしんじの世界。小さなきらめきをとじ込めた29のおはなし集。単行本未収録1編&特別書き下ろし短編「光あれ」を増補!
片隅にひそむ小さな光をやさしく掬い上げてくれる――これは、そんなおはなし。