村上龍『半島を出よ』レビュー
書誌情報

レビュー
長めの感想
いま村上龍の『半島を出よ』を読んでて下巻の3分の2ってところなんですが、こりゃ満点だ、五つ星つけよう、と思ってます。終盤の展開で「あれれ?」にならなければね。
北朝鮮の「反乱軍」が福岡に侵攻・占拠するという近未来小説なんですけど、やっぱり「無能なる日本」を描かせたら村上龍は抜群に上手い。日本政府はきっとこんな対応しかできないんだろうな、としょんぼりしますね。『愛と幻想のファシズム』や『五分後の世界』のようなハードな作品が好きだった人は必読なのですぐに書店に走るように。
これプロローグ・エピローグは別途あるんですが本編は2011年4月1日~11日までの出来事というふうになってます。図らずもこの日付どおりのスピードで読んでます。今日は4月7日の章読みました。こういう仕掛け(?)もなんだか好ましかったり、です。
以上、読んでる途中に書いた文章。以下、読了後の文章。
村上龍『半島を出よ』は読み終わるのに18時間近くかかります。長げぇぇ。でも日本という国に住んでいるのだったら読んでおかなきゃ。実際に北朝鮮が何かアクションを起こしてしまう前に、有事に何をすればよいのかは考えておいたほうがいいでしょう。読み途中でも書いたのですが、ほんとこういう小説での村上龍はいきいきしてますね。文句なしの5つ星です。
ところで、僕は本を持ち歩くときはいつもカバーを外して裸でバッグに入れるんですが、『半島を出よ』って写真のようなハングルが大きく書かれてるんです。これなんて書いてあるのでしょう。書名・著者名とかならいいんですが、変なメッセージだったら嫌だな、突然笑われたり殴られたりしたら嫌だなと思いながらの電車読書タイム。
例えばね、アメリカ人が歩いててTシャツに日本語で「芸者をたずねて三千里」とか書いてあったらね、「おまえ意味わかって着てんのかそれ」と思うじゃないですか。同じことで、ハングルの意味がわかってないまま持ち歩くことの怖さ恥ずかしさがあったりしまして。
読める方、よろしければ教えてください。