村上龍

村上龍プロフィール&ガイド

村上龍(むらかみりゅう)―1952年生まれ(69歳)。長崎県佐世保市出身。小説家、映画監督。

大学在学中に『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞。以後、精力的に作品を発表、一時代を築く。「トパーズ」など映画監督作品もある。

1976年『限りなく透明に近いブルー』で第19回群像新人文学賞および第75回芥川賞、1981年『コインロッカー・ベイビーズ』で第3回野間文芸新人賞、1996年『村上龍映画小説集』で第24回平林たい子文学賞、1997年『イン・ザ・ミソスープ』で第49回読売文学賞(小説賞)、2000年『共生虫』で第36回谷崎潤一郎賞、2005年『半島を出よ』で第59回毎日出版文化賞および第58回野間文芸賞受賞。

長いキャリアのなかで代表作と呼べる作品はたくさんあるわけですが、やはり『コインロッカー・ベイビーズ』が一番。時代を敏感に嗅ぎ取り、小説の背景として組み入れるのがうまいです。それゆえ古びて見えるものもなきにしもあらず、なのですが、そういう意味でも『コインロッカー~』の普遍性はいいですね。後年は経済問題にかかりっきりですね。もちろん今経済を考えるのは重要なことなんだけれど、読者が「村上龍」にそれを望んでいるのかどうかは疑問。

関連作家・似てるかも作家:村上春樹 大江健三郎 中上健次 平野啓一郎 安部公房 島田雅彦 宮本輝 筒井康隆 吉本隆明 池澤夏樹

村上龍おすすめ本ベスト5

  1. 『コインロッカー・ベイビーズ』表紙
    徹底的な破壊衝動が全てを覆っている。コインロッカーに捨てられることで生まれたニ人の子供の「正しい社会憎悪マニュアル」。鮮烈な映像イメージが物語を誘導する。途中で降りることを許さないスピード感ある長編。
    文学(小説)
  2. 『五分後の世界』表紙
    五分だけ時のずれたパラレルワールド。日本はポツダム宣言を受諾せず、現在に至るまでゲリラ戦が続いている。日本軍は地下帝国を築き、世界一美しい軍隊と優れた文化を保持する。とにかく「うまい!」の力作。右翼?
    文学(小説)
  3. 『愛と幻想のファシズム』表紙
    近未来を舞台にした重厚な政治経済小説。強い奴だけが生き残る適者生存という理念を抱え巨大化する政治結社・狩猟社。トウジの圧倒的カリスマがとにかくすごい。小説世界を越えて読者まで惹きつける暴力的な魅力だ。
    文学(小説)
  4. 『半島を出よ』表紙
    北朝鮮のコマンドが福岡を占拠する。政府の場当たり対応やメディアの狼狽に兵士の心情を絡めながら、国家として何が最優先事項なのかと問う。爆風ひるがえる映像美と瓦礫にきらめく希望が、この国の限界を押上げる。
    文学(小説)

村上龍レビュー一覧(102冊)

  1. 『心はあなたのもとに』表紙
    投資組合の男と難病を患う風俗嬢との恋愛小説。「女たちとの関係は金融市場に似ている」という表明や、自然な傲慢とスノッブが村上龍らしい。不倫なのに妻子が見えないのもすごい。年齢と年収で「優しさ」は変わる。
    文学(小説)
  2. 『歌うクジラ』表紙
    不死遺伝子を抱えて宇宙へ。ディストピア未来小説。グロを含む執拗な描写は物語を推進しない細部へ注がれていて、プロットがむき出しという印象。語られる思想もナマで共振しにくいが、強烈な鬱エネルギーをご賞味。
    文学(小説)

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