宮本輝『天の夜曲』レビュー

書誌情報

宮本輝『天の夜曲』表紙
天の夜曲てんのやきょく
流転の海 第4部
2002/06
NDC:913 | 文学>日本文学>小説 物語
目次:天の夜曲

レビュー

富山に越した母息子と、大阪を拠点に中古車業を起こす父。強い意志で運をなぎ倒してきた熊吾に運命が反撃と押し寄せる。踊り子あけみのエピソードはその狼煙か。年を取り、力の衰えも見える独り言の痛々しさが魅力。
読了:2005/05/22

長めの感想

宮本輝の自伝的長編『流転の海』、第四部が文庫になったので読みました。第一部が1984年発行だからもう20年。

第一部~第三部は僕はリアルタイム(というか文庫出てすぐとかそういうタイミング)で読んでないので、第三部を読んだのは記録見ると2002年末なんですが、最初の数ページ読んだだけで主人公熊吾の人物像だとか背景だとかが綺麗に蘇ります。昭和三十年代、僕の見知った時代ではないんですが、すぐに生活感を思い出せます。すごいですね、いろんな作品を平行して執筆しながらこの世界がブレないってのは。

当初は五部構成と予告されてたんですが、どうやら全六部になるとか。文庫末にある対談でこんなこと言ってる。

宮本 僕のホームページがあるんですが、そこでも、もうここまできたら終わらせないでくれと言う人がいるんですよ。この親子三人、いつまでもウロウロさせておいてくれ、と(笑)。

わはは。「北の国から」みたいですね。でも分かるかな。ずっと読みたいです。

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