保坂和志『小説の自由』レビュー
書誌情報
小説の自由
2005/06
NDC:901 | 文学>文学>文学理論 作法
目次:第三の領域 / 私の濃度 / 視線の運動 (ほか)
レビュー
小説が小説たるために必要なものについてぐるぐる考える思索集。世間並みでない「保坂の小説観」は伝わるが、アウグスティヌスをもってしても「小説とは」は分からず。このモヤモヤが大事とカフカでも読んでみるか。
読了:2005/11/27
長めの感想
『小説の自由』・・・って自由すぎないか。
今月号は「小説をめぐって」の7でなく6のはずではないかと思われるだろうが、先月号(六月号)の「新潮」創刊一〇〇周年記念特大号に載せた短篇『桜の開花は目前に迫っていた』を連載の6とすることにしたので、今回は7になる。(『小説の自由』より引用)
のけぞりますね。別に書いた小説を、連載中の小説論の1章とカウントすることにした、なんて普通やれませんよ。しかもその小説部分が全然浮いてないなんて。
後半のアウグスティヌス論を読んでてもおいてきぼり感いっぱいですが、これぞ保坂節。