見沢知廉

見沢知廉プロフィール&ガイド

見沢知廉(みさわちれん)―1959年生まれ。2005年死去。東京都文京区出身。新右翼活動家、作家。

イギリス大使館への火炎瓶ゲリラやスパイ粛清事件などで捕縛。獄中から書き送った小説『天皇ごっこ』で話題となった。

「新右翼小説」といってヤバイものを見るように、あるいは刑務所という未知の世界への好奇心で、読まれてるのかとも思っていたが、その思想へのまともなファンもついていたようですね。デビュー小説となる『天皇ごっこ』も小説の呈をなしてなかったりしながら、なかなかない種類の熱量で迫ってきます。初めて手に取るならやはりこれですかね。

関連作家・似てるかも作家:小田実 平岡正明 野村秋介 鈴木邦男 武井昭夫 鎌田慧 森田実 向坂逸郎 雨宮処凛 奥むめお

見沢知廉おすすめ本ベスト

  1. 『天皇ごっこ』表紙
    獄中より発表された新右翼小説。刑務所、精神病院、北朝鮮と章ごとに舞台は変わるが、一貫するのは天皇制への恋慕あるいは憎悪。機動隊とぶつかったり三島の割腹シーンが描かれたりと90年代の作とはとても思えない。
    文学(小説)

見沢知廉レビュー一覧(4冊)

  1. 『調律の帝国』表紙
    牢獄の恐怖と服従の中、小説を書くことが精神のバランスを保つ唯一の方法。「蘇生ダンス」の寒さとか獄中描写もいいけど「小説を書かせろ」という執念の描出が凄まじいね。それがすでに狂気。罪の浄化って何だろう?
    文学(小説)
  2. 『獄の息子は発狂寸前』表紙
    すごいタイトル。発狂寸前の息子を支える母の愛。獄中受賞にこだわった小説原稿を官の目をかいくぐって母に託す手管が微笑ましい。届いた手紙なんかも掲載されてるのだが、過酷な生活で頼るべきものはやはり愛だよ。
    文学(ルポ)

見沢知廉の新刊・近刊

  • 見沢知廉『背徳の方程式 MとSの磁力』表紙
    見沢知廉
    2011-07-27
    アルファベータブックス
    バブル経済に浮かれる時代の外務省キャリアの一家を主人公に、サディズムとマゾヒズム、価値の変換、両極の同位性を追求した傑作。リアリズムの極致と...
  • 見沢知廉『愛情省』表紙
    見沢知廉
    2006-06
    作品社
  • 見沢知廉『七号病室』表紙
    見沢知廉
    2005-12
    作品社
    夭逝の鬼才が獄中で綴った、『天皇ごっこ』以前の衝撃の傑作。殺人犯と天才精神科医の息詰まる神経戦。