白石一文『道』

書誌情報

  • みち
    白石一文しらいしかずふみ
    2023-10-06
    小学館
    運命からは、逃れられない。たとえ何度、時間を跳躍(リープ)できたとしても――。鍵を握るのは、ニコラ・ド・スタールの一枚の絵。読む者の魂を連打する、渾身の大巨編
    この人生は、本当にひとつなのだろうか。 男は、どん詰まりの場所にいた。 二年半前の大学生だった娘の交通事故死。そこから精神の変調を来たし、二度の自殺未遂の隘路から抜け出せない妻。 あれを試すしかないのか―。 かつて、高校受験に失敗した直後、失意のうちに目にした「道」というタイトルの一枚の絵。そして、そのあとに訪れた名状しがたい不思議な出来事。 40年ぶりにその絵を目にした男は、気が付けば、愛娘の交通事故が起こる直前、二年半前の三軒茶屋交差点の現場に立っていた―。

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