現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『旅のコーフン』表紙
    食べ物、持ち物、出会う人、出会う町。とりとめのない旅の記憶をだらだら並べてある。そのだらだらが魅力だったりするので処置なしだが、もう少しテーマを絞って濃い話をしてもよいのに。「ラッピング」には笑った。
    歴史
  • 『すっぽんの首』表紙
    「辞書の字が見えにくくなってきた」と急速に老け込むシーナである。もう50だもんな。歩いてきた道を振り返る郷愁的なエッセイ集だが、まだこんなの隠し持ってたのかと驚かされるような瑞々しいエピソードも多くて。
    文学(エッセイ)
  • 『にぎやかな未来』表紙
    どうにもまともな短編集ではない。「マリコちゃん」「ユリコちゃん」「サチコちゃん」と続くタイトルの脱力感。「到着」を短編としていいのかどうかという懐疑。そこにあっては「無人警察」の存在など問題ではない。
    文学(小説)
  • 『黄昏のアントワープ』表紙
    フランス近隣諸国への家族旅行。二歳の息子が旅行記に温かみを与え、街に、人に、受け入れられることの安らぎがいい味になっている。キャヴィストを軸に語る後半のワイン談義は修辞が豊穣で匂いすぎなほどの文章だ。
    文学(日記・紀行)
  • 『夢の木坂分岐点』表紙
    サイコドラマに始まりユンギストが大喜びしそうな「夢」の奥底へ、心の深部へ潜って行く長編。主人公の属性が推移するなど著者流の実験小説の軽味かと思いきや本気で重厚に心理学的。妻も娘も全部自分だし。すげぇ。
    文学(小説)

主な作家