現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『あやめ 鰈 ひかがみ』表紙
    死んだ男が見る最後の夢。異界の感覚でありながら現実味のある風景に、くたびれ果てた登場人物たちの厭世的言動を乗っけた中編三編。この捨て鉢な情感を作る言葉が上手すぎる。鰈が完全に死臭を発していて怖すぎる。
    文学(小説)
  • 『'THE SCRAP'』表紙
    ビリー・ジョエルにカレン・カーペンター、フィッツジェラルドなどアメリカ、その幻想を語るエッセイ集。東京ディズニーランドへの論考などもある。「懐かしの」と言いながらその80年代に出版されてるのもポイント。
    文学(エッセイ)
  • 『日の名残り』表紙
    英国の斜陽、貴族社会も変質してきたけども、いまだ背筋のぴんと伸びた老執事の回顧譚。「この国の品格」を体現した彼は、自分の歩んだ道程を誇りながらも、でも失ってしまったものに苛まれ。静かな叙情が胸に迫る。
    文学(小説)
  • 『フラジャイル』表紙
    『カイのおもちゃ箱』をベースにした戯曲。平凡な人生から転落して行くスズキケイイチ。どこまでが自分の人生で、どこからが他人の人生なのかが曖昧であるという恐怖。平凡はかくも脆い。長すぎる膠着も狂気を彩る。
    文学(戯曲)
  • 『魔法飛行』表紙
    発光地帯2。やはりこのシリーズ、食のエッセイだという要請もしくは自縛がためにキレを無くしてるような気がするな。震災の話だったり、詩が入ってたりと文章トーンでも幅広い。椎茸栽培の「ご、ごめん」は笑った。
    文学(エッセイ)

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