現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『お縫い子テルミー』表紙
    流しの仕立て屋として流浪する女の子。手に職持って、それ以外なにも持たなくて。それを自由と呼ぶには無理がある。足りてない子なだけだ。それでもいいやって流れるなかで生まれるものを信じられるだけの幸せかよ。
    文学(小説)
  • 『満里奈の旅ぶくれ』表紙
    台湾ブームを加速させた賛歌本。奥深い国なんだなと思うし、中国茶は素晴らしいと思う。彼女の「台湾が好きだ」という素直が想いが実によく伝わってきて、しかもちゃんと旅行ガイドブックとして有用という稀有な本。
    歴史
  • 『十九、二十』表紙
    二十歳になることでもセックスすることでもなく、父親を見限ることで男は大人になるのだ。エロ本出版社での短期バイトで変質してゆく貧乏学生の冴えない夏を描く。ラストシーンでの父の不在、その踏み越え方は見事。
    文学(小説)
  • 『浮く女沈む男』表紙
    長編船上小説。豪華客船で次々と起こる事件。あやふやな同朋意識と結論のないセックス。選ばれた民たちの方舟はゆっくり南下する。大海とつるんで永遠に自閉する社会のようだ。みんなどこへも行きたくないんだろう?
    文学(小説)
  • 『ピルグリム』表紙
    オアシスという物語に取りこまれていく作者。伝言ダイヤルに、新しい村に、人々は集い去ってゆく。そこがユートピアであるためには何が必要で、誰が不必要なのか。永遠に幸せな場所なんてないんだ。虚ろな幻想の地。
    文学(戯曲)

主な作家