現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『鉄塔のひと』表紙
    『猫殺し』と対になりこちらは超常小説を集めている。鉄塔の上で暮す男の表題作に、知らない女が家にいる「妻」などSF的というよりはどこか精神をオカシクしてしまった短編群。ぞっとさせる部分がエンタテイメント。
    文学(小説)
  • 『煮え煮えアジアパー伝』表紙
    韓国、ミャンマー、ベトナムとアジア紀行第三弾。「酒と女」で溶け行く無頼人生ルポの狭間から叙情が漏れ出る瞬間がある。ジョジョーと。そこで「縁」なんて言われると、それも良し悪しだよなと思う。漫画も辛いね。
    歴史
  • 『胃袋を買いに。』表紙
    SF三部作の手応えを受けての意識的な超常小説集。お盆に戻ってきた死んだおばあちゃん、エレベータに閉じ込められた女の狂気、沈む家に口臭の男。現実に寄り添った非現実の痙攣ぎみな足音を聞け。そこに出口はない。
    文学(小説)
  • 『ミッドナイト・コール』表紙
    男と女の短編集。すがすがしいまでの性欲全肯定ぶりだが、過剰さは抑えられている。電話の細い回線に頼りきったり泣きついたり、現代的な弱みの見せ方はうまい。「アカシアの雨に打たれて」での笑い方がお気に入り。
    文学(小説)
  • 『熊野集』表紙
    熊野を揺らめく連作短編。随筆のような短編と歴史小説のような短編を自覚的に配置している。現実と物語の境界が曖昧で、著者が秋幸に折り重なる。血で書いてきた作家の現在であり同時に熊野に分け入った聖でもある。
    文学(小説)

主な作家