現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『トマト・ケチャップ・ス』表紙
    漫才トリオを結成する女子高生三人の青春小説。コテコテ漫才の「面白くなさ」がなんとも微笑ましい。と思ってたら彼女達を取り巻く状況は予想外の重い分岐に。この展開なら、終章への刈り取り方がやや軽すぎるかな。
    文学(小説)
  • 『意味がなければスイングはない』表紙
    シューベルトからスガシカオまで幅広いジャンルを取り上げた音楽評論集。長尺が多く充実。ビーチ・ボーイズだとかも「聴いた事ないけど作中でよく出てくるので知っている」から「ちゃんと聴いてみたい」に変わるね。
    芸術・美術
  • 『アラビアの夜の種族』表紙
    3人の主人公による砂のイスラーム年代記。地下遺跡ダンジョンだとか邪神との妖術戦とかRPGをクリアしたような読後感。というか虚も実もウィザードリィだね。入れ子構造の語りの流暢さに、長さはあまり気にならない。
    文学(小説)
  • 『とりつくしま』表紙
    心を残して逝った人々がマグカップやジャングルジムや日記帳やらにとりついて、自分がいなくなった後の世界を見つめる短編集。愛した人を見つめるだけの寂しさと静けさと。しんと心拍数が下がっていくような文章で。
    文学(小説)
  • 『幼な子われらに生まれ』表紙
    バツイチ同士の夫婦。血のつながらない娘と、すでに他人となった実の娘。父親のありかた、家族の姿、そして幸せの形を手探る長編。「私たちは、本当に家族なのか?」と独白する父に捧ぐ。揺らめく愛情描写に感動だ。
    文学(小説)

主な作家