現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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人間の生き様死に様を追ったルポ八本。虐げられた人々、あるいはそれでも逞しく生きる人々…。著者は不用意な情を控えているけれど、情なんて必要としてこなかった人々の物語なわけだな。あるいは誇り高き人々のか。文学(小説)
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唐辛子の秘密を探る韓国グルメ旅。とにかく辛いもん食べまくりで読んでるだけでヒハヒハしてくるが、本当にうまそう。ソウルから釜山へ、途中の田舎町をゆっくりと経巡る紀行としても卓抜。日本の辛みワサビも登場。文学(日記・紀行)
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自身による写真+文章の第二弾。ポルトガル、モロッコ、マカオ等を歩き、生活に寄ったカットが収められている。やはり写真は安易にブラしてほしくないのだがどうなのか。旅に関する古今東西のテキストは雰囲気よし。芸術・美術
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ミック・ジャガーも中原中也もマイルス・デイビスもみんな十九歳だった、という不良少年達のエッセイ。ロック賛歌と文芸時評が主体で、文芸では金井美恵子や高橋源一郎なんかが。いかがわしくイノセントな19歳の頃。文学(エッセイ)
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映画監督の長い愛、ヒロシマの暑い夏。ルーズマイメモリーという優しい呪文とともにあの時代の「戦争」へと遡行する長編。いろいろな記憶が重なり響きあう構成で、多様な後悔の澱で世界を「汚す」ドラマが光る大作。文学(小説)




