現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『最後の家族』表紙
    引きこもり、ドメスティック・バイオレンスなど時事に明るいテレビドラマな長編。家族四人の視点から書き分けたゆえの奇妙な停滞感は狙いなのかな? 「人を救おう」という長男のひとつの自我再建をもっと読みたい。
    文学(小説)
  • 『嫉妬の香り』表紙
    嫉妬のため壊れる愛と始まる愛。未来への復讐という欺瞞が立ち上る香水で甘く染まる。大人の愛というより欲情という無能感。現代的「癒しの庭」構想が引きたて役ではある古典的不倫小説。ドロドロっちゃあドロドロ。
    文学(小説)
  • 『春を恨んだりはしない』表紙
    大震災から半年の論考。震災前から原発の危険性や、風力などの再生可能エネルギーを考察してきた著者なので立場はくっきり。失われた生活から政治の責任、論点が広いのでやや散漫というか言い足りなさは感じるかな。
    文学(エッセイ)
  • 『みどりの月』表紙
    恋人と同棲することになったら何故か四人暮らし。不愉快な人がいて、不可解な状況があって、すっぽり収まって正座してしまう自分、そんな唾棄すべきワタシを描く。嫌悪感を持て余して読者が先に破裂するのを待つの?
    文学(小説)
  • 『見張り塔からずっと』表紙
    閉じた夫婦達の三編。鬱屈するバブル後のニュータウン、息子を失った精神失調、夢破れたあとにはいっそのこと全部終ったらいいのに、狭い家庭だけは残ったりする。心の暗闇。それでも「異常なし!」と叫ぶのか君よ。
    文学(小説)

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