現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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旧ユーゴスラヴィアで戦争に巻きこまれた男が見つめる現実。詩やリポートや手紙が挿入され次々文体が変わる、まるで毎日移動する国境線のように。虐殺だとかグロい描写と交接する投げやりな冗談が物悲しい長編小説。文学(小説)
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常識的に考えたら答えはおのずから出る、と歴史の「なぜ?」を読み解いてゆく、『逆説の日本史』のベースとなるような論説。野心家たる義満はともかく、尊氏が人間臭く現れてくるのはひとつの成果じゃないだろうか。歴史
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空っぽの70年代を高らかに歌う青春小説。エッセイと言っても構わない気もするけれど。バイク、ブルース、ロックンロール、全共闘、三島由紀夫、ポルシェ。小道具としての時代装飾でクールに綴るノスタルジーの風景。文学(小説)
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失業者の苛立ちを描いた表題作と、前後不覚の幻想生活「事情聴取」がイカす短編集。これまで内面をあえて排除する作家なのかと思っていたが、ここではキリキリと胃痛のような精神活動がある。新潟弁もどこか新鮮だ。文学(小説)
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エロティックな短編集。本気で官能小説をやっている。写真を撮られて興奮する女、別れた妻の服を着てもだえる男。文脈は違うけれど村上龍『トパーズ』みたいなイメージ。倒錯していることでなんとか生き延びている。文学(小説)




