現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『日の名残り』表紙
    英国の斜陽、貴族社会も変質してきたけども、いまだ背筋のぴんと伸びた老執事の回顧譚。「この国の品格」を体現した彼は、自分の歩んだ道程を誇りながらも、でも失ってしまったものに苛まれ。静かな叙情が胸に迫る。
    文学(小説)
  • 『旅のコーフン』表紙
    食べ物、持ち物、出会う人、出会う町。とりとめのない旅の記憶をだらだら並べてある。そのだらだらが魅力だったりするので処置なしだが、もう少しテーマを絞って濃い話をしてもよいのに。「ラッピング」には笑った。
    歴史
  • 『だれかのことを強く思ってみたかった』表紙
    トーキョー的な生活の匂いを切り取った写真と、街を歩く若者たちのための短文。ファインダー越しにカメラマンが考えたことがそのまま短編小説になってて、幸せな距離。強く思うべき相手のいない東京に季節はまわる。
    文学(小説)
  • 『青卵』表紙
    さようなら窓。音の連れてくる情景が意味よりもまず先にあって、全体的にジャンプ率が高め。気持ちよく迷子になれる。旧かなに凝ってた時期のも同じ。しかし一冊にこんなに詰めちゃっていいの?ってたっぷりの歌集。
    文学(詩歌)
  • 『Boy's Surface』表紙
    読解(リバースエンジニアリング)を拒絶して、ただ変数に変数を代入していくだけの作業。それが小説としての面白さに繋がってるかといえば疑問なんだけど、仕掛けは圧倒的。しかもロマンティック、ってズルすぎるよ。
    文学(小説)

主な作家