現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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年を取って、亡くなった知人、もう時を止めてしまった事物、振り向いた坂下に見える思い出たちを慈しむ短編集。だからすごく静か。「ミャッ」と鳴いたとしてもそこに猫はいないのだ。それとももう、誰もいないのか?文学(小説)
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児童虐待と、通報者への逆恨みと、児童福祉司たる主人公の正義感(あるいは独善)。著者らしい長編だなと思ってると、幻聴を伴う精神失調なんて場所にすべり落ちてて「えっここどこ?」と驚いた。ラストでは救われる。文学(小説)
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トルコに留学して考古学を究める村田。発掘現場で羅馬硝子を掘り当てて学問的興奮を誘うシーンから、『家守綺譚』に繋がる騒々しき神々のエピソード、国家が香る&時代が動くって大河まで、色彩鮮やかで惚れるねぇ。文学(小説)
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書くことと演じることを軸に、80年代を検証し、90年代を予見。都市論に絡んでの原風景の捨て去り方は潔くかっこよい。ところで版元のコナミってゲームの? 対談中でファミコンの話題が出たりするのもそのせいなの?文学(エッセイ)
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以後のエッセイにも冠されウェブサイト名ともなる「村上朝日堂」という記念碑的初のエッセイ集。徹底して身辺雑記で哲学や人生なんて絶対に語らない。まぁ媒体が「日刊アルバイトニュース」ってこともあるんだけど。文学(エッセイ)




