現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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遺産を浪費するために長い旅にあった終わり、ある若者と出会い、ナッシュは人生を量る博打に出る。そして壁(いろんな予兆も押さえつけるほどに自罰的な壁)を造ることになるのだが、その出口のなさはこれまで以上で。文学(小説)
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大阪から出てきて暮らした「東京」を再訪。下町がその匂いを消してゆく過程というか、変わったものと変わらないものを確かめながらウォーク&トーク。「人生のおける魚介」とか無理やり人生論なんだけどゆるゆるで。文学(エッセイ)
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映画「うみ・そら・さんごのいいつたえ」撮影秘話や上映コンバット・ツアーの模様を収めた日記調ドキュメント。石垣島のコノヤロ光線の中で自己流ドロナワ式いやはや的に撮影は進みながらも人間の温もり溢れる一冊。芸術・美術
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幼いセックスに退屈する少女と、父親の愛人との奇妙な友情を描く表題作ほか。血糖値の低い登場人物たちは一様にだるそうだ。そこではセックスは火の見櫓にも隠れ家にもならない。人の死くらいでは感情はぶれないし。文学(小説)
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ブックデザインから言って四巻で終了と思ってたシリーズの続刊。相変わらずのぐだぐだぶりに思わず酢蛸を丸呑みするのであるが、町田の自然な随想と自然な文体がコレである、という事実を甘んじて受け入れたいとも。文学(エッセイ)