現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『風の道雲の旅』表紙
    著者による写真と文章で「旅すること」の魅力に迫ったなんだか豪華な手触りの本。ありきたりの風景が、水溜りの道でさえも輝きだす。観光地も風光明媚もいらない、人間の営む大地が面白いのだ、という一貫した焦点。
    文学(日記・紀行)
  • 『毎日かあさん 4 出戻り編』表紙
    鴨ちゃんが帰ってきた、出戻り編。子育てエピソードとしての笑える漫画はいつもどおり声だして笑う、一方で描き下ろし含む鴨ちゃんの「死に至る病」はまた別の完成度を見せてて、むしろこちらが本巻の主役。泣くよ。
    芸術・美術
  • 『やどかりとペットボトル』表紙
    子供の頃のエピソードから始まるとか「初エッセイ」らしい構成でネタの拾い方もヌルいんだけど、八重山の風景の新鮮さで読ませる。まじめに主張しようとする挿話より適当に書き飛ばした諧謔のほうが著者らしく好み。
    文学(エッセイ)
  • 『巴』表紙
    歪んだ世界とバイオレンス。血の匂いの東京下町を巴となって廻る長編。どこまで逃げても敵の思惑のうちという構造が、この独特に夢うつつな文章とあいまって、鬱々とした気分になれる。グロいのも含めて重い読後感。
    文学(小説)
  • 『夏の水の半魚人』表紙
    これまでの作品に比べても捻りの少ない、小学五年生的な生活を丁寧に映す小説。少年らしい「世界の狭さ」が懐かしい。自分の感情を未だ名づけえない時代。でももっと奇抜なこと書いてるほうが似合う作家だとは思う。
    文学(小説)

主な作家