現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
-
これまでの著作からアフォリズム的な文章を分野別に編集した一冊。つまり著作ではないのだが。確かにこの種の人生誘導的言葉の多い作家ではある。これを胸に刻んで世紀末を一人歩きしよう。ほら、歩いてみろってば。文学(エッセイ)
-
援助交際は未来を前借りして食い潰すことなんだけど分かってるのかと説教する著者らしい作品。未来の残っていない老人と絡ませることで問題をよりクリアに見せつつ、どこかにまだ希望があるようでないような現代を。文学(小説)
-
男女五人の共同生活、親友でも他人でもない性質の悪い距離感が潤いある文章で描かれる好長編。まるで古きよき時代の青春ドラマのような設定(キャラメイクも)だが、終章の切り落としが絶妙すぎて一筋縄ではいかない。文学(小説)
-
麻薬ではめられ捕まった兄を救うため妹はバリ島へ飛ぶ。妹の西欧的感覚をほぐしてゆくアジアの風土と、画家たる兄が見出す画布に落としきれない色彩が重層的に描かれる。このタイトルが効いてくる後半が非常によい。文学(小説)
-
お得意の社会の断片を切り取った短編集。それぞれ仕掛けが入っているが、よく言えば素直で、悪く言えば薄い。中では「額田銀一郎の年譜」のマルチ人生ぶりがなかなか面白い。彼の著作では久しぶりに笑えた気がする。文学(小説)




