現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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インディーズブランドでビックになる友人の夢に感化されてゆくサラリーマン崩れの主人公。終わりと始まりとがミシンのリズムで鳴っている。若さへの甘えも感傷で流してしまえば青春の一ページ、という策略的うまさ。文学(小説)
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ボクシングのプロ・テストに挑むジュンは、自分だけの卒業を求め始める。卒業証書に意味なんてないんだ。人生っていう舞台の上で汗を飛ばして踊りたい。高校卒業直前に自主退学した著者の自己証明。輝ける若い日々。文学(小説)
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絶賛を集める名句、場を和ます洒落句が並ぶなか、句会の緊張感が伝わる。自分の作品が評されている間のとぼけ具合が皆さん上手かったりして。豪華メンバーだが特に高橋睦郎のアタックの強い言葉選びにぐっと来ます。文学(詩歌)
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ファイアースターマンというキャラになりきって、ユーザとメールで交換日記を書くアルバイト。「現代病み」のケーススタディ的な連作短編にも見せながら、ちゃんと終盤のドンデン返しもハッピーエンドもある素直さ。文学(小説)
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本場メキシコでプロレス観戦、中国シルクロードで街角ラーメン、「八ツ橋をうまいと思う奴前に出ろ!」とやたら攻撃的な京都から、演歌を求めて津軽半島まっしぐら、など全国放浪の旅行記。すごいエネルギーの量だ。文学(日記・紀行)




