現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『草にすわる』表紙
    表題作では心中未遂の果てに、「砂の城」では血族の連鎖の先に、生きることの意味を見出す、のだが、心の動きを書き込まない作風ゆえにか伝わりにくいかも。想像力で補う元気があれば一緒に覚醒できるかもしれない。
    文学(小説)
  • 『これで日本は大丈夫』表紙
    正義の見方は走る。まだ走る。阪神大震災とオウムの年だから当然その論考は避けられないが、ヘア・ヌードとかコギャルとか馬鹿な話題も豊富でひと安心だ。表題はどんどん大丈夫じゃなくなっていった日本への皮肉か。
    文学(エッセイ)
  • 『ボタニカル・ライフ』表紙
    サイト上で書き継がれた植物達との生活日誌。シャコバサボテンの短日処理に燃え、アマリリスに愛を打ち明け、コーヒーの収穫を夢見る、ガーディナーならぬ「ベランダー」。いいね、花のある都会生活。後書きには涙。
    産業
  • 『イノセントワールド』表紙
    現代を放浪する女子高生のもろくしたたかな日常。知的障害をもつ兄との近親相姦、売春、レイプと暗い性の展覧会だ。当時、現役女子高生が書いた作品だという噂もあった。そう考えればうまい。販売戦略的にもうまい。
    文学(小説)
  • 『魚籃観音記』表紙
    白黒取り混ぜたバラエティ短編。見所は銃撃の最中に日常を演じ続ける「市街戦」だ。小説の有り方を考え続けているからこそできるシュールさで。「馬」は唐突に吉田戦車風。「建物の横の路地には」は局地的にキレイ。
    文学(小説)

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