現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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失われた恋人を訪ねて冥界を浮遊する幻想的な戯曲。多分に教養的というかスタイリッシュ。「クラシック」から入った作家はこういうものを書くんでしょうな。文庫版は彼の戯曲ニ編がまとめて読めるようになってます。文学(戯曲)
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神町サーガ続編。菖蒲家が持つ一子相伝の秘術について聞き書きの形で綴られる。博物誌的な執拗さで冗長な印象だったものが、過去作と連結する終盤には軽い足さばきでいなされてしまう。造って壊すのが阿部風味かね。文学(小説)
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自分に似合う部屋、自分に似合う服、自分に似合う友人に恋人、疲れるね。それを拠り所と信じて生きる人にとっては居場所はあるんだけれども、疑いだしたらこんな風に共感の得にくい人物になってしまう。そんな長編。文学(小説)
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ヨーロッパを舞台にしたことで世界は横に広がった。移民、難民の「居場所のなさ」を描きながら心理に寄り添ったりしない。それが意図の分かりにくさ、読みにくさに繋がってる。目を引く修辞表現は多いがバランスが。文学(小説)
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奔放なイメージの不条理譚を極めたような作品群だが、シュルレアリスムが陥った袋小路も思わせる。民話伝承を下敷きにして「意味はないのに深刻」というヤバイ方向に向かってる気がして。あっ、「荒神」は好きです。文学(小説)




