現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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病弱な息子の療養のため大阪から戻った南宇和での生活。田舎根性の隣人たちの中で一人先見する主人公熊吾の存在感は前作通り圧倒的だが、「鮎を手掴み」の挿話で妻の、「肥溜め」で息子のキャラも俄然動き出してる。文学(小説)
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いじめへの向き合い方が違った未来を生むパラレルワールド。多彩な登場人物たちでパーティバレルみたいになってるけど、復讐者も教祖もヒーローも芥川賞作家も、誰もが信用ならない風で。「世間」に追われる限りは。文学(戯曲)
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私小説風のものが多いが、どの短編にも陰鬱な影がある。深い海の底のような。著者は嫌がるだろうが「コッポラコートの私小説」が好きだ。混濁する精神と染みのような苛立ちがリアルに映し出された良質の現況報告で。文学(小説)
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アルファロメオの官能性に惚れこんだエッセイ。「私への愛は嘘だったの?」とポルシェ911の気持ちになって愕然とするのだが、車と並んだツーショットなんか見ると「ホントに好きなんだねぇ」ともはや諦めの境地だ。技術・工学
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学生運動で中国へ逃亡、密航船で30年ぶりに戻った日本。終わらない全共闘。あの頃僕達が夢見た未来はどこへ?という苦味があるタイトルなんだね。体感してない世代としてこの種の慕情にはいつも戸惑うけど、泣けた。文学(小説)




