現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね』表紙
    初の文芸作品集。直感的に選ばれた言葉だけで世界造りは完璧。感覚に重きを置いたゆえの文体の無政府さがまた、崩れかけの家屋のような緊張感を与えている。「女の子」の残酷な眼差しは童話を騙っても消えていない。
    文学(小説)
  • 『誰がこまどり殺したの』表紙
    「僕は変態に失敗するから、おとなの獣にはなれないで、きっと、死ぬ。もう、死期が近いんだ」。夢の中のような爽快感が漂う森で、ただ死へと歩きさる少年達の物語。「横組み」という文字修飾に頼りがちなので減点。
    文学(小説)
  • 『解体屋外伝』表紙
    『ワールズ・エンド・ガーデン』に登場した解体屋を主人公とした長編。洗濯屋と解体屋の壮絶なサイコ・バトルが繰り広げられる。ギブスンの名を知らずとも楽しめる電脳空間。「暗示の外へ出ろ」。なんてカッコイイ。
    文学(小説)
  • 『朝日のような夕日をつれて』表紙
    第一戯曲集。ゴドーを待ちながら、終わらない遊戯に明け暮れる世界。いや、終わりを遊んでいるのだろうか? 強力な無意味は神の領域だ。同時代的エンタテイメントでありながら、そこから走り去る速度がたまらない。
    文学(戯曲)
  • 『ジーンリッチの復讐』表紙
    遺伝子改良を施され「人間から逸脱した」子供達が世界に復讐するストーリー。進化論の果てに楔を打ちつけるSFだが、ネット時代の神話としてデジタルに世を包括する手法には共感を覚える。ラインの先に神はいるのか?
    文学(小説)

主な作家