現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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どうにもまともな短編集ではない。「マリコちゃん」「ユリコちゃん」「サチコちゃん」と続くタイトルの脱力感。「到着」を短編としていいのかどうかという懐疑。そこにあっては「無人警察」の存在など問題ではない。文学(小説)
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アルフィーの高見沢を主人公にした長編で、ファンの間では喧々囂々だったらしい。センシティブで孤独な独裁者たる高見沢像はイメージでもちろんフィクション。そう思えばギシギシと軋むロックバンドを描いた好編だ。文学(小説)
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「何ひとつ書く事はない」から始まる現代詩の記念碑。詩へのまた自身への懐疑が抒情的にやわらかに響く。「鳥羽」「旅」「anonym」の連作からなる沈黙に満ちた代表作。思潮社版は英訳や対談などが入った別冊が付く。文学(詩歌)
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懐古的口調で綴られた、新潟でくすぶる高校生の長編。煙草を吸って、喧嘩して、でもまだ女を知らない。不明瞭な欲望をもてあます若さが匂いたち、自分も確かにそこにいたのだと思わせる。ただ早く大人になりたくて。文学(小説)
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超常SF。中盤の転換に目新しさがあって「おっ」と思うのだが、「これが書きたかっただけだな」とも解る。大きな世界の一部分だけを切り出してるのだから起承転結も落ちなくていいのだ、という世界肯定の自信ぶりね。文学(小説)




