現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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父に連れられてその仕事場であるダム建設現場を訪れるという自伝的小説ほか数編。シンシロシテンという語呂は何か昆虫的な響きだがここでは父の勤める新城支店なのでありますね。好きなタイトルなのだが文庫で改題。文学(小説)
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旧ユーゴスラヴィアで戦争に巻きこまれた男が見つめる現実。詩やリポートや手紙が挿入され次々文体が変わる、まるで毎日移動する国境線のように。虐殺だとかグロい描写と交接する投げやりな冗談が物悲しい長編小説。文学(小説)
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流しの仕立て屋として流浪する女の子。手に職持って、それ以外なにも持たなくて。それを自由と呼ぶには無理がある。足りてない子なだけだ。それでもいいやって流れるなかで生まれるものを信じられるだけの幸せかよ。文学(小説)
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便座のないロシアでいかにして用を足すか、という食事中には読んではいけないシベリア紀行を中心として、およそ文学者らしくない万年筆への偏愛や日本の小さな祭など雑多に入っている。シナメンスキー・ネルネンコ。文学(エッセイ)
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都会(の男)への憧れやら劣等感やらで読者を不快にさせる技法が際立つ。「自分がいまどれくらい、心とまったく別の動きができるのか確かめた」とかタイトルもだけど、主題を高らかに語る点に功罪あるが、功と取った。文学(小説)




