荒木経惟　現代文学100字レビュー：旅と現代文学。

荒木経惟

現代文学100字レビュー

荒木経惟（あらきのぶよし）―1940年、東京都出身。写真家。

『俺、南進して。』

ソウルの路地裏で日暮しの貧者達、変化する時代を後押ししようとしている義賊の物語。荒木の写真が街の湿気を伝え、いつの時代でもない欲望するアジアを描き出す。被抑圧者への優しく厳しい視線は作家中上ならでは。

写真詩集。アラーキー的裸体と異物の描出に、肌の内側で鳴る詩がぶつかるコラボレーション。官能には流さないという詩人の意気が時を止める。やさしさのぬるま湯の中で、女は愛を問い、男は「裸であること」を思う。

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