沢木耕太郎

沢木耕太郎プロフィール&ガイド

沢木耕太郎(さわきこうたろう)―1947年生まれ(76歳)。東京都大田区出身。ノンフィクション作家、エッセイスト。

フリーのルポライターとして活躍。ノンフィクションから小説へも領域を広げる。

1982年『一瞬の夏』で第1回新田次郎文学賞、1985年『バーボン・ストリート』で第1回講談社エッセイ賞、1993年『深夜特急 第三便』で第2回JTB紀行文学大賞、2006年『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞受賞。

ルポライター、ノンフィクション作家として注目されて現在に至ります。ユーラシア大陸横断の『深夜特急』は若者たちを旅の衝動に突き動かしました。文庫で6巻に及びますが読む価値はあります。それ以外でも良質なノンフィクション多数。旅のエッセンスが詰まったエッセイなどもいいですね。『深夜特急』はフィクションだ!という話がありますが、フィクションだとしたら読み方は変わるんでしょうか?

関連作家・似てるかも作家:フィリップ・プルマン 角田光代 筒井康隆 下川裕治 村上春樹 佐野眞一 立花隆 夏目房之介 半藤一利 林真理子

沢木耕太郎おすすめ本ベスト3

  1. 『深夜特急 第1便 黄金宮殿』表紙
    バックパッカーのバイブル的ユーラシア大陸横断バス紀行。香港のエネルギーに圧倒され、マカオのカジノに熱中し、目的のない長い旅は序盤からきっぱりとアジアの風の中にある。この只事ではない高揚感はなんだろう。
    文学(日記・紀行)
  2. 『深夜特急 第2便 ペルシャの風』表紙
    インド、ネパール、シルクロード。途中手紙調で描かれるカトマンズの風景、麻薬で死んだヒッピー、沈没する雨の部屋は、この種の旅の危険性を明確に示す。外界への、生への興味を徐々に失って行くオン・ザ・ロード。
    文学(日記・紀行)
  3. 『深夜特急 第3便 飛光よ、飛光よ』表紙
    ついに冬のヨーロッパへ、完結編。自分はどこへ向おうとしているのかと激しく問うことで、この旅の句点を求め始める。果たしてロンドン中央郵便局から「ワレ成功セリ」の電報は打てるのか。絶対旅に出たくなる名文。
    文学(日記・紀行)

沢木耕太郎レビュー一覧(13冊)

  1. 『天涯 第3 風は踊り星は燃え』表紙
    フランス、中国、ベトナム、ブラジルなど旅の写真集。シリーズ完結。水面に映る光とか瞼に残る写真は少なくないが、添えられた文章はやや半端な印象か。文庫特別エッセイには猿岩石の話も入ってて当時の騒ぎが蘇る。
    芸術・美術
  2. 『血の味』表紙
    隠蔽して暮らしてきた記憶がふいに蘇る、中学校の頃に人を殺した記憶が。「もう跳べない」という少年のどんづまり感がよく伝わる。そりゃナイフも持つ。終局のアクロバティックな転向には著者の意図通りにヤラれた。
    文学(小説)

沢木耕太郎の新刊・近刊

  • 沢木耕太郎『旅のつばくろ』表紙
    沢木耕太郎
    2023-10-30
    新潮社 新潮文庫
    つばめのように自由に、気ままにこの日本を歩いてみたいーー。世界を歩き尽くしてきた著者の、はじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。それか...
  • 沢木耕太郎『夢ノ町本通り』表紙
    沢木耕太郎
    2023-09-29
    新潮社
    三島由紀夫、モハメッド・アリ、吉行淳之介、山本周五郎…。未知の人物との遭遇、心躍らせる物語への熱中。本を片手に旅した30年間の、豊潤な36編...
  • 沢木耕太郎『天路の旅人』表紙
    沢木耕太郎
    2022-10-27
    新潮社
    第二次大戦末期、中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した日本人がいた。『深夜特急』の沢木耕太郎が激しく共鳴し描く、大型ノンフィクション。