保坂和志

現代文学100字レビュー

保坂和志プロフィール&ガイド

保坂和志(ほさかかずし)―1956年、山梨県出身。小説家。

1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で第15回野間文芸新人賞、1995年『この人の閾』で第113回芥川賞、1997年『季節の記憶』で第33回谷崎潤一郎賞および第25回平林たい子文学賞、2013年『未明の闘争』で第66回野間文芸賞受賞。

世界を肯定し、不幸な「事件」の起きない丸い地球。ストーリーよりも思索を重視しているし、一見とらえどころのない作品が多いです。まずは子供の可愛さに目を眩ませられてる間にいろんな哲学に取り巻かれてしまう『季節の記憶』を読んでみてください。そして続編『もうひとつの季節』へ進むのが吉。猫が猫のまま(猫以上の意味を背負わされないまま)作中で頻繁に登場するのも特徴。猫好きなら迷わずどうぞ。

レビュー一覧

保坂和志『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない

『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』の表紙画像
評価
★★★☆☆
発行
2012/03 筑摩書房
種類
文学(エッセイ)
目次
馬のいななきみたいなアドリブ / 私を伐らないで / 魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない (ほか)
所要
2時間30分

「小説に見えない小説」と並行して書かれた「小説のようなエッセイ」。指向性が多様だということ以外は、彼の小説論を読んでるのと同じ温度が感じられる。思考する営み。震災後のエッセイは唐突に生々しいけれども。

保坂和志『カフカ式練習帳

『カフカ式練習帳』の表紙画像
評価
★★★☆☆
発行
2012/04 文藝春秋
種類
文学(小説)
目次
隣りの空き地に夏なのに厚いコートを着た男が / 前々から一度、うちに遊びに来たいと言っていた山下君が / その家は空間というより配置であり (ほか)
所要
3時間50分

小説の断片が脈絡なく現れ、ブツ切れで過ぎてゆく。身辺エッセイみたいな文章も並ぶが、それでも小説だとしか言いようのない感触が残る。「生まれる瞬間」こそが小説だというか、生まれた後のものの捨て方が潔すぎ。

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作品名 かな 発行日 種類 評価
作品名 かな 発行日 種類 評価
魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない さかなはうみのなかでねむれるがとりはそらのなかではねむれない 2012/03 文学(エッセイ) ★★★☆☆
カフカ式練習帳 かふかしきれんしゅうちょう 2012/04 文学(小説) ★★★☆☆
猫の散歩道 ねこのさんぽみち 2011/02 文学(エッセイ) ★★★☆☆
小説、世界の奏でる音楽 しょうせつせかいのかなでるおんがく 2008/09 文学 ★★★★☆
言葉の外へ ことばのそとへ 2003/02 文学(エッセイ) ★★★☆☆
「三十歳までなんか生きるな」と思っていた さんじゅっさいまでなんかいきるなとおもっていた 2007/10 文学(エッセイ) ★★★☆☆
羽生 はぶ 1997/05 芸術・美術 ★★★☆☆
小説の誕生 しょうせつのたんじょう 2006/09 文学 ★★★☆☆
途方に暮れて、人生論 とほうにくれてじんせいろん 2006/04 文学(エッセイ) ★★☆☆☆
小説修業 しょうせつしゅぎょう 2001/09 文学 ★★★☆☆
小説の自由 しょうせつのじゆう 2005/06 文学 ★★★☆☆
明け方の猫 あけがたのねこ 2001/09 文学(小説) ★★★☆☆
世界を肯定する哲学 せかいをこうていするてつがく 2001/02 文学(エッセイ) ★★★☆☆
生きる歓び いきるよろこび 2000/07 文学(小説) ★★★☆☆
<私>という演算 わたしというえんざん 1999/03 文学(小説) ★★★☆☆
書きあぐねている人のための小説入門 かきあぐねているひとのためのしょうせつにゅうもん 2003/10 文学 ★★★☆☆
カンバセイション・ピース かんばせいしょんぴーす 2003/07 文学(小説) ★★★★☆
アウトブリード あうとぶりーど 1998/06 文学(エッセイ) ★★★★☆
猫に時間の流れる ねこにじかんのながれる 1994/07 文学(小説) ★★★☆☆
もうひとつの季節 もうひとつのきせつ 1999/04 文学(小説) ★★★★★
季節の記憶 きせつのきおく 1996/08 文学(小説) ★★★★★
残響 ざんきょう 1997/06 文学(小説) ★★★☆☆
プレーンソング ぷれーんそんぐ 1990/09 文学(小説) ★★★☆☆
草の上の朝食 くさのうえのちょうしょく 1993/08 文学(小説) ★★★★☆
この人の閾 このひとのいき 1995/08 文学(小説) ★★★★☆

これから出る本、最近出た本

保坂和志/湯浅学『音楽談義 Music Conversations』
2014年11月28日 Pヴァイン 1944円
保坂和志『朝露通信』
2014年10月24日 中央公論新社 2160円
保坂和志『いつまでも考える、ひたすら考える』
2013年12月03日 草思社文庫 735円

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