宮沢章夫『考えない人』

- 評価
- 発行
- 2010/02 新潮社
- 種類
- 文学(エッセイ)
- 目次
- がけっぷちからの言葉 / 考えない / 今月の書き出し (ほか)
- 所要
- 2時間40分
何も考えてない人の言動を取り上げる脱力系エッセイ。テーマが立ってるはずなのに、この雑多な感じはなんだろうな。著者ももちろん考えてないから、深追いしない適当な検証と、真面目が出ちゃった文体が合ってない。
現代文学100字レビュー
宮沢章夫(みやざわあきお)―1956年、静岡県出身。劇作家。
竹中直人、いとうせいこうらと「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」に参加。その後、劇団「遊園地再生事業団」を立ち上げる。京都造形芸術大学助教授も務める。1992年『ヒネミ』で第37回岸田國士戯曲賞、2010年『時間のかかる読書 横光利一「機械」を巡る素晴らしきぐずぐず』で第21回伊藤整文学賞受賞。
芥川賞候補になった小説『サーチエンジンシステムクラッシュ』が素晴らしかったので、他の本も読んでみようと思ったら脱力系エッセイばかりなのですね。もっとちゃんと小説書いてくれたらいいのに。本職(?)の劇作家としてよりも、こちらのエッセイストとして世には認知されているものと思われます。代表作といいながら『ヒネミ』が現在入手不可だったりするのはどうにかしてほしいです。
何も考えてない人の言動を取り上げる脱力系エッセイ。テーマが立ってるはずなのに、この雑多な感じはなんだろうな。著者ももちろん考えてないから、深追いしない適当な検証と、真面目が出ちゃった文体が合ってない。
歌舞伎町ビル火災から、911までの10日間。世界変容のエアポケット、あやふやな世界線に惑う男。放火犯かもしれない、というかすべてが私かもしれない。「何が起こるか知ってる」ことに因らない不穏な感じが卓抜だ。
作品名クリックでレビューを見に行けます。見出しクリックでソートできます(デフォルトはサイト掲載日順)。
作品名 | かな | 発行日 | 種類 | 評価 |
---|---|---|---|---|
作品名 | かな | 発行日 | 種類 | 評価 |
考えない人 | かんがえないひと | 2010/02 | 文学(エッセイ) | ★★☆☆☆ |
ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集 | ぼぶでぃらんぐれーてすとひっとだいさんしゅう | 2011/08 | 文学(小説) | ★★★★★ |
レンダリングタワー | れんだりんぐたわー | 2006/01 | 文学(エッセイ) | ★★★☆☆ |
牛乳の作法 | ぎゅうにゅうのさほう | 2002/12 | 文学(エッセイ) | ★★★☆☆ |
月の教室 | つきのきょうしつ | 2001/11 | 文学(戯曲) | ★☆☆☆☆ |
不在 | ふざい | 2005/01 | 文学(小説) | ★★★★☆ |
百年目の青空 | ひゃくねんめのあおぞら | 1999/04 | 文学(エッセイ) | ★★★★☆ |
茫然とする技術 | ぼうぜんとするぎじゅつ | 1999/08 | 文学(エッセイ) | ★★★☆☆ |
14歳の国 | じゅうよんさいのくに | 1998/10 | 文学(戯曲) | ★★★☆☆ |
考える水、その他の石 | かんがえるみずそのたのいし | 1995/01 | 文学(エッセイ) | ★★☆☆☆ |
わからなくなってきました | わからなくなってきました | 1997/05 | 文学(エッセイ) | ★★★☆☆ |
牛への道 | うしへのみち | 1994/05 | 文学(エッセイ) | ★★★★☆ |
サーチエンジン・システムクラッシュ | さーちえんじんしすてむくらっしゅ | 2000/03 | 文学(小説) | ★★★★★ |